グルメ
香川の年末はやっぱり「年越しうどん」 近年は「年明け」のブームも
「うどん県」ブランドの香川
年末に食べるものといえば、年越しそば――とは限りません。「うどん県」としてブランド化している香川県では、年越しにもうどんを食べるといいます。近年では、年始にも食べる「年明けうどん」を広めている取り組みもあるそうです。
香川では「年越しそば」の代わりに「うどん」を食べる――?
そんな話を聞いて、香川・高松に住む知人に尋ねると、「年越し、もちろん食べてました」と即答されました。
「うちの実家では、そばとうどんの両方を用意して、場合によってはミックスしていたことも」と話します。
「ゆでたうどんに具材とともにつゆをかけて食べる『しっぽくうどん』という食べ方でした」
そもそも香川県でうどんづくりが盛んになったのは、雨量が少ない、温暖な気候が良質な小麦の栽培に適していたとされています。
また、讃岐うどんといえば、味わい深い煮干し(いりこ)のだしも特長です。
「うちの郷土料理」では、<「伊吹いりこ」として名高い伊吹島を中心とした瀬戸内海では、煮干しの原料となるカタクチイワシが豊富にとれること。海岸一帯が遠浅で砂浜が多いことから塩づくりが盛んであり、その塩を原料の一つとする醤油が小豆島などで生産されていることなど、複数の条件が挙げられる>と指摘されています。
すでに江戸時代の「金毘羅祭礼図屏風」にはうどん店が描かれ、愛されていたことがうかがえるそうです。
現在では「しっぽくうどん」は、飲食店の冬のメニューとして提供されることもあるそうです。
一方で、近年ではうどんに関わる県内の業界団体が呼びかけた「年明けうどん」が広がっているそうです。
2009年から始まったプロジェクトで、本場さぬきうどん協同組合・年明けうどん普及委員会・さぬきうどん振興協議会が「年明けうどん」のホームページをつくってPRしています。
「太くて長い」うどんは、古来より長寿を祈る縁起物として食べられており、かまぼこやエビといった赤い具材をのせて、「紅白」のうどんで年明けを祝おうという取り組みです。
2014年から県主催で「年明けうどん」大会も開かれています。香川県によると、ことし12月の大会には3万人を超える来場者があり、大盛況だったそうです。
1/11枚