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司書も支える学生の〝図書館〟作り 新発想「ブタメン食べながら…」
一同爆笑の理由
子どもたちが何げなく立ち寄れるフリースペースに、「図書館」を作ろうと模索を続ける大学生たちがいます。「感情図書館-hidamari-」と名付けたそのスペースを完成させるべく、クラウドファンディングで資金集めに力を入れつつ、試みを知ってもらうため、様々な企画を考えています。そこで出たアイデアに一同爆笑。ミーティングの様子をのぞかせてもらいました。
図書館作りに奔走しているのは、民間の学童保育を展開するNPO法人「Chance For All(CFA)」(中山勇魚代表)の学生ボランティアです。
CFAの学生ボランティアは、東京都足立区で駄菓子屋「irodori」を運営しています。来年、irodoriの一角にあるフリースペースに「感情図書館」を設置する予定です。
irodoriには、家庭や学校などの生活で困難を抱えた子どもたちが来ることもあります。プロジェクトの背景には、彼らの悩みを解決するきっかけの一つに「本」があってほしいという思いがあります。
意欲的に活動するCFAの学生ボランティアは、関東近郊の様々な大学から集まった100人ほど。そのうち12人が感情図書館のプロジェクトメンバーとなり、毎朝8時からオンラインでミーティングを開催しています。大学の授業前に参加する人もいるそうで、熱意を感じます。
そんなオンラインミーティングの様子をのぞかせてもらいました。
この日の主な議題は、12月に始まった、クラウドファンディングの進捗報告や課題の洗い出し。
クラウドファンディングに先立ち、学生たちは司書にもアドバイスを求めています。図書館作りのプロではない学生たちは、つながった司書から司書へと、その輪を広げ、アドバイスを広く募り、コンセプトなどにも反映させています。
参照:子どもに本を読んでもらうには…悩む大学生へ、名物司書の意外な答え https://withnews.jp/article/f0231217000qq000000000000000W07n10101qq000026437A
リーダーの増山遊斗さんは、感情図書館をサポートしてくれている司書たちとSNSを使ったグループを作ろうとしていると報告しました。
それに関連し、増山さんは、感情図書館を支援する人たちとのコミュニケーションを密にしていこうとメンバーに呼びかけました。
呼びかけをしたのは、クラウドファンディングでの資金集めを成功させたいという思いとは裏腹に、「寄付や情報拡散をお願いするだけの連絡とは思われたくない」「最初に接点を持つだけではなく、活動報告やお礼もこまめにしてほしい」という思いがあるとメンバーに伝えました。
増山さんは「もちろん資金は集めたいけど、それ以前に活動を応援してほしいという思いがあります」と語ります。
メンバーの幕内あかりさんからは、12月23日と24日にCFAが主催するクリスマスイベントで、感情図書館チームが担当するコーナーについて説明がありました。
イベントの開催場所は商店街にあるirodoriのそばにある公園です。
商店街の人たちにおすすめの本についてアンケートをしており、イベントではその本を展示する予定だといいます。
そこで、幕内さんから投げかけられたのは「公園は寒いので、立ち寄ってもらえなくなるかもしれない。暖かくなるアイデアがほしい」という相談。
幕内さん:「クリスマスの本を置くときの寒くない方法を工夫できたらいいなと思うんだけど。できれば電気は使いたくないです」
田邊菜摘さん:「ブタメン(駄菓子屋でも売っている、手軽なカップラーメン)食べながらでもいいのでは」
一同:爆笑
幕内さん:「いいなと思ったんですけど、オススメしてもらった本は図書館から借りる予定なので汚したくないですよね」
増山さん:「このあとのアイデアがブタメンの超える気がしないよね(笑)」
その後も、「本に触れないように呼びかけをしつつ、本の表紙とオススメの理由を展示するのがいいのでは」というアイデアが出され、引き続きの検討事項となりました。
増山さんは、「(プロジェクトを始めて)最初のころは、何をすればいいかわからなかったけど、ようやくタスクの確認ができるようになった」と振り返ります。「これができれば先が見える感覚が出てきたよね」とメンバーをねぎらい、「感情図書館を支援してもらえるようにがんばりましょう」と呼びかけました。
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withnewsでは、現在進行形で様々な意見を採り入れながら、子どもたちの悩みに寄り添おうと奮闘する「感情図書館」の取り組みを不定期で発信しています。
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