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#6 宇宙天文トリビア
前沢友作さんが乗った宇宙船 地球帰還で「焦げたリアルな姿を見て」
地球に到着したまんまの、焦げたようすを間近に――。実業家の前沢友作さんが2年前に、国際宇宙ステーションから地球へ帰還するために使われた「ソユーズ宇宙船」が、12月3日まで東京・日本橋で展示されています。帰還したソユーズ宇宙船の日本での公開は初めてです。
衣料品通販サイト「ZOZO」創業者の前沢友作さんが、2021年に宇宙から地球へ帰還する時に乗った「ソユーズ宇宙船」が東京・日本橋の日本橋三井タワー1階アトリウムに展示されています。
ソユーズ宇宙船とは、ロシアのソユーズロケットで打ち上げられる宇宙船。1967年に初飛行し、改良を重ねながら、今でも地球とISSを往復するために使われています。
前沢さんは、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在。前沢さんの関連会社の役員の平野陽三さんと、ロシア人船長のアレクサンドル・ミスルキンさんと共に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から出発しました。
12日間のISSでの滞在中は、無重力での歯磨きやトイレの様子、宇宙飛行士とのバドミントンなどの様子をYouTubeで次々と公開していました。
今回展示されている宇宙船は、そのとき実際に地球へ帰還する際に使われたもので、大きさは高さ2.1m、幅2.2m。3人乗りの内部を見ることもできます。
着陸時に必要なパラシュート、着用していた宇宙服も一緒に展示されています。宇宙船は前沢さん本人が購入したということですが、金額は「非公開」だそうです。
展示イベントに登壇した前沢さんは「近寄ってみて、到着したまんまの焦げたリアルな様子をぜひ見てみてください」と話しています。
12月29日からは、前沢さんが宇宙へ行くまでの訓練や、ISSでの滞在、地球への帰還の様子に密着したドキュメンタリー映画「僕が宇宙に行った理由」が全国の映画館で公開されます。
宇宙へ同行した平野さんが監督を務めた映画。宇宙へ行くための健康チェックで、平野さんが親知らずを抜いたというエピソードも盛り込まれています。
前沢さんは「お金を払って簡単に宇宙に行ってきたと思われるかもしれないが、訓練も厳しく夢をかなえるのは大変だった。見てくれる人に勇気を与え、背中を押すような映画になっていればうれしいです」と話しています。
宇宙船の展示は12月3日まで。アトリウムが開いている午前7時~翌午前0時半まで、無料で見ることができます。日本橋での公開後は、別の場所で再び展示することも検討しているということです。
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