連載
#4 宇宙天文トリビア
しし座流星群が18日にピーク 2001年には数千個以上の〝流星雨〟
「しし座流星群」が18日にピークを迎えます。しし座流星群といえば、2001年に1時間に数千個以上の流れ星が観測される「流星雨」となりました。さて、今年はどのくらい見られそうでしょうか。(朝日新聞デジタル企画報道部・小川詩織)
11月18日~19日に、しし座流星群が見ごろを迎えます。国立天文台によると、見ごろは18日未明と19日未明。今年は1時間に3〜5個ほどの流星が見えそうだということです。
今年は、夜中から明け方にかけては月明かりが全くなく、月明かりに関しては好条件といえます。
流星(流れ星)とは、宇宙空間にある直径1mm〜数cmほどのちりの粒が地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、光を放つ現象です。
しし座流星群は、33年の周期で地球に近づくテンペル・タットル彗星(すいせい)が放出したちりの帯に地球が突っ込むことで起きます。
夜中に東の空に昇ってくるしし座の方向から星が流れてきます。まるで空中の1点から流れ星が放射状に飛ぶように見え、この点を「放射点」といいます。
流星は放射点から飛び出し、夜空のどこにでも現れます。しし座の方向をじっと見るというよりは、夜空全体をぼんやりと眺めるといいでしょう。街灯などがない方角を見上げ、目が暗さに慣れるまで15分間は観察し続けるのがコツです。
最近一気に寒くなったので、防寒をしっかりして出かけましょう。11月いっぱいは、流星を見ることができそうだということです。
しし座流星群というと、2001年11月18日深夜〜19日未明に、日本でも多くて1時間に数千個以上の流星が現れました。まさに雨のように星が流れる「流星雨」となりました。
流星に詳しい日本大学准教授の阿部新助さんは当時、米ハワイのマウナケア山にあるすばる望遠鏡の近くで一晩中観測をしていたといいます。
阿部さんは「しし座流星群の放射点が地平線に達してすぐに、水平線から花火のように流星が湧き出すように見えました。東の地平線から西の地平線へ飛ぶ火球(明るい流れ星)もこの時に目撃しました。日本のピークには及びませんでしたが、流星雨でした」と振り返ります。
最近は、流星群のもとになる彗星の軌道から、流星の数を予測しようという研究も進んでいます。しし座流星群で次に2001年のような大出現が見られるのは、2030年代と予想されています。
1/6枚