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#165 ○○の世論

続く物価高…岸田首相の対応、世論の評価も低空飛行 最も低い年代は

厳しい表情で燃料油価格対策の説明をする岸田文雄首相=2023年8月30日、首相官邸、上田幸一撮影
厳しい表情で燃料油価格対策の説明をする岸田文雄首相=2023年8月30日、首相官邸、上田幸一撮影 出典: 朝日新聞

目次

物価高が続いています。総務省がまとめた8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が昨年の同じ月と比べて3.1%上昇しました。上昇は24カ月連続で、昨年9月からは3%以上の上昇が続いています。「生鮮食品を除く食料」は9.2%の上昇、トイレットペーパーなど「家具・家事用品」は7.1%の上昇でした。こうした物価高は、家計を直撃。岸田文雄首相の物価高への対応評価にも響いています。(朝日新聞記者・四登敬)

岸田首相の物価高対応 30代で厳しい評価

「あなたは、物価が上がっていることに対する岸田首相の対応を評価しますか。評価しませんか」。朝日新聞社が9月の全国世論調査(電話)でこのように質問したところ、「評価する」は17%で、「評価しない」が77%に上りました。

男女別でみると、男性は「評価する」16%、「評価しない」80%。女性は「評価する」18%、「評価しない」74%でした。「評価する」について男女差は大きくありません。

一方、年代別では違いが見られました。50代より上の年代は「評価する」が2割前後、「評価しない」が7割代だったのに対し、40代までの年代は「評価する」が1割前後、「評価しない」が8割台と、やや辛めの評価でした。

特に30代で評価が厳しく、「評価する」は9%しかおらず、「評価しない」が87%と9割近くに達しています。

 

物価対策 期待に応えられない岸田首相

岸田首相の物価高への対応を評価するかどうかを初めて質問したのは、2022年4月の全国世論調査(電話)です。

ウクライナ情勢の悪化で資源高や円安が進んでいた時期で、「評価する」32%、「評価しない」53%でした。5月の調査で「評価する」は23%に落ち、「評価しない」の割合が66%に上がります。

次に全国世論調査をしたのは7月ですが、この時は岸田首相の物価高対応について質問しませんでした。

参院選の直後だったことから、物価高対応の評価の代わりに、岸田首相に一番力を入れてほしい政策は何かを、五つの選択肢を挙げて質問しました。

結果は、「物価対策」が最も多い30%で、「社会保障」23%、「景気・雇用」22%、「外交・安全保障」15%、「憲法改正」6%を上回りました。

翌8月の調査で、改めて岸田首相の物価高対応について尋ねると、「評価しない」は67%、「評価する」は21%で、どちらも5月調査からほぼ横ばいでした。

しかし9月調査で「評価しない」は71%に増え、「評価する」は19%になります。10月調査も同じ値でした。

今年4月以降の調査で同じ質問をしても、「評価しない」は71~77%、「評価する」は17~20%で推移しています。

このように、岸田首相の物価高への対応評価は好転しておらず、昨年夏の参院選の後、岸田首相が有権者の期待に応えられていないことが分かります。

 

ガソリン価格などの支援策継続、高評価

厳しい評価を受け続けている岸田首相は8月下旬、ガソリン価格高騰に対する激変緩和措置の延長を含め、燃料油価格対策をとりまとめるよう、与党に指示しました。

これを受けて政府・与党は、9月末が期限だった電気と都市ガスの料金の激変緩和措置を年末まで延長し、ガソリン価格についても9月末までだった補助を年末まで延長する方針を打ち出しました。

このことについて、9月調査では「電気・ガス料金とガソリン価格の高騰が続いていることから、政府は今月で終わる予定だった補助金による支援策を今後も実施する方針です。あなたは、支援策の継続を評価しますか」と質問しました。

「評価する」は73%を占め、「評価しない」21%を大きく上回りました。物価高に対する岸田首相の対応を「評価しない」と応えた層でも、この方針には73%が「評価する」と答えました。

あらゆるものの値段が上がるなか、ガソリン代や電気代などだけでも出費が抑えられることを歓迎する人が多いのは、うなずけます。

 

ですが、原油価格の高騰や円安は当面続くとみられており、こうした支援策をいつまでも続けられるのかは疑問です。

支援策を継続する方針を打ち出したことによる、岸田内閣の支持率引き上げ効果も限定的だったように見えます。

支援策継続を評価すると答えた層でも、岸田内閣を「支持しない」と答えた人が48%おり、「支持する」43%を上回りました。

こうしたなかで岸田首相は9月25日、経済対策を10月中にとりまとめる考えを与党に伝え、政府に提言するよう指示しました。

岸田首相は、物価高から国民生活を守るといった五つの柱を掲げ、「成長の成果である税収増を国民に適切に還元する」と財政出動や減税への意欲を示しています。

衆院の解散・総選挙が取りざたされるなか、野党からは「選挙対策のバラマキみたいな話」との指摘も出ています。

新たに打ち出される経済対策で、私たちは今後、日々の暮らし向きが上向いてきたと実感できるようになるのでしょうか。世論の変化が注目されます。

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