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連載

#256 #withyou ~きみとともに~

アイドルの曲、聞いて散歩…自分らしさ発見 若者が〝居場所〟を議論

「関係性」は完全に安定しきらない。だからこそ……

若者約30人が集まり話し合われた「サードプレイス」とは=8月24日、東京都
若者約30人が集まり話し合われた「サードプレイス」とは=8月24日、東京都

目次

夏休み明けの登校につらさを感じる子どもたちがいることがこの時期、大きく報じられます。「学校以外にも居場所を」などと呼びかけられることもありますが、そもそも「居場所」って――。8月24日、約30人の若者が集まり、話し合いました。

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自分らしさ失う「正しさ固定されたとき」

先月、「居場所」についてのイベントが、東京のTikTok本社で開催されました。リアル・オンライン合わせて30人ほどの若者(探究学習に取り組む高校生向けのオンラインサードプレイス「カタリバオンライン for Teens」の利用者)が集まり、「居場所」をテーマに語り合いました。

イベントではまず、参加者が「自分らしさを失うとき」「自分らしさを感じられるとき」について意見を交わしました。居場所の中でも、「自分らしさ」を感じられるとき、そこが居場所になり得ることもあります。

「自分らしさを失うとき」では、「人から指示されるとき」「正しさを固定されたとき」「自分の意見とは違うけど賛成するとき」などがあがりました。「学校など堅苦しい場では自分らしさを失う」と、具体的な場を挙げる人もいました。

一方、「自分らしさを感じられるとき」では、「友だちと話しているとき」「自信を持ってやりたいことをやっているとき」などがあがりました。「友だちと話しているとき」の中には、デジタルネイティブらしいやりとりがありました。

「勉強時間って一人だとなまけてしまうけど、電話しながらだといいよね」
「確かに、オンラインを繫いでなにか作業すると、それ自体が楽しい」

「没頭」がキーワードになり盛り上がる場面も。

「アイドルの曲を聴きながら散歩しているときは没頭している」
「読書で没頭するときもあるよね」

このほかにも、「私らしくいられるオンラインのサードプレイスって何だろう?」などのテーマでも議論が行われました。

話し合いで使われたふせんには多くの言葉が書き込まれていました。
話し合いで使われたふせんには多くの言葉が書き込まれていました。

「関係性は完全に安定しないからこそ」

ゲストとして参加した、こども家庭庁の『こどもの居場所部会』座長も務める湯浅誠さんは、若者たちの議論を聞き「人に流されると、自分らしくないと思うことがありますよね」と、人と人との関係性に言及。

「『関係性』ってやっかいなんです。いい関係性はありがたいけど、それがやっかいになるときもあって、完全に安定しきらないもの。だから、たくさんの居場所を持てたらいいと思います」

子ども家庭庁が昨年12月から今年1月上旬にかけてオンラインで行った調査(「こどもの居場所づくりに関する調査研究」)によると、回答者2036人のうち、37%が「(家や学校以外で、ここにいたいと感じる)居場所がない」と回答。「居場所がほしい」と答えたのは全体の72%にのぼりました。

小学生で感じた居心地の悪さ「場所を変えてみて」

イベントに参加した、神奈川県の高校3年生、杉山美唯さんは、小学生の頃、学校での居づらさを感じていたといいます。

「まじめすぎちゃって、『早く掃除してよ』とか言い過ぎて嫌われていました」

そんな自分を変えたいと、中学受験を決意。知り合いが誰もいない進学先を選びました。ボランティア活動や、校外での活動にも積極的に参加し、そこで本来の自分らしさを発揮できるようになったといいます。

杉山さんにとって、居心地がよかったのは「みんなが一つになれる場所」。「ぶつかることで自分らしくいれない瞬間もあるけど、それも場所としては素敵だと思っている」と話します。

いま、居場所を見つけられていない人には、自身の経験を振り返り「いまいる場所を変えてみてほしい」とメッセージを送ります。

「生活環境によっては難しいこともあるかもしれないけど、できるだけ色んな人に会いにいってみたらいいと思う」と話します。生き方について、家族と自分とで意見が折り合わないこともあるといいますが、「色んな人に会いに行く中で自分のことをわかってくれる人もいたので、まず動いてみてほしいと思います」

参加者との議論で考える杉山さん(右)
参加者との議論で考える杉山さん(右)

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