SNSで「身長マイナス体重がXX以上ならセーフ」といった投稿がしばしば話題になります。特にTikTokやYouTubeなどで、音楽に乗せて「身長マイナス体重=110が標準体重らしい」と紹介するショート動画が流行しています。
しかし、これは現在の定義では間違いです。厚生労働省によれば、現在、成人の標準体重は「BMI(体格指数)=22になるときの体重」と定義されています。
BMIは、肥満を判定する基準の一つである体格指数です。国際的に用いられる肥満度を表す指標で、体重(kg)÷身長(m)の二乗で求められます。標準体重を計算するなら、身長(m)×身長(m)×22ということになります。単純な引き算ではありません。
日本肥満学会の定めた基準では、18.5未満が低体重(やせ)、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満で、肥満はその度合いによってさらに1から4までの段階に分類されます。
このうちBMIが22になる標準体重がもっとも病気になりにくい状態であるとされ、25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが倍以上になり、30を超えると高度な肥満として、より積極的な減量治療を要します。
若いユーザーが多いSNSであることから、子どもについてもみてみます。厚労省によれば、子どもの標準体重は、文部科学省の学校保健統計調査報告書のデータに基づく年齢・性・身長別標準体重を用いて求められます。
その場合の計算式は、a×身長(cm)−b(a、bは年齢と身長により変化する指数※)。これもやはり、単純な引き算ではありません。
※肥満の定義(子ども) - 厚生労働省eヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html