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街中に知らない「ぐんまちゃん」 デザインは有名作家、改名の過去

アナザーぐんまちゃん

愛らしいおちょぼ口と、とてとて歩く印象が強くて“馬”というルーツを忘れていました。
愛らしいおちょぼ口と、とてとて歩く印象が強くて“馬”というルーツを忘れていました。 出典: 朝日新聞社

目次

「ゆるキャラ」ブームの立役者の一人である「ぐんまちゃん」。丸みのある顔と体に、ちいさな口に、仕種に……愛すべき「ゆるさ」が満載ですが、実は話題になる前に別のぐんまちゃんがいて、今も街中で会えることを知っていますか? 「アナザー」ぐんまちゃんはどんな姿なのか、今大人気のぐんまちゃんとはどんな関係かを取材しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・高室杏子)

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通りを歩くと足元に

JR前橋駅北口から北へと延びる駅前の「ケヤキ通り」。

街路樹で木陰になっている歩道を北へと歩いていくと、足元で会えました。

駅前通りの歩道
駅前通りの歩道 出典: 朝日新聞社
歩道に埋め込まれたタイル画
歩道に埋め込まれたタイル画 出典: 朝日新聞社

木が茂る横をさわやかに駆ける2頭の馬。右下には「ぐんまちゃん」とあります。

ぐんまちゃんと言えば、丸みのあるお顔でつぶらな目が愛くるしいゆるキャラ。

一方、足元のこちらは絵本に出てきそうな姿です。

筆者がよく知るぐんまちゃんと比べて、立ち姿や顔の形がより馬らしく描かれています。そして、そのタッチにはなんとなく既視感がありました。

このキャラクターも同じ「ぐんまちゃん」なのでしょうか。全国的によく知られたぐんまちゃんが宣伝部長をつとめる群馬県庁メディアプロモーション課に、ぐんまちゃんについて聞きました。

ロングセラーの絵本「11ぴきのねこ」シリーズ著者がデザイン

もともと、ぐんまちゃんは1983年に県で開催した「あかぎ国体」のマスコットキャラクターとして生まれました。

描いたのは根強い人気を誇る「11ぴきのねこ」シリーズなどで有名な漫画家で絵本作家の馬場のぼる氏。筆者が通りで見かけたのは、こちらのぐんまちゃん。

駅前の通りの他、前橋市の馬事公苑や税務署などでも見ることができるそうです。

馬場のぼる氏の出身地・青森県三戸町で「11ぴきのねこ」にちなんだ石像設置を祝う「ねこ」ら=2020年3月
馬場のぼる氏の出身地・青森県三戸町で「11ぴきのねこ」にちなんだ石像設置を祝う「ねこ」ら=2020年3月 出典: 朝日新聞社

一方、ゆるキャラブームで一躍人気となったぐんまちゃんは、もともと「ゆうまちゃん」という名前でした。

県内で1994年に開催された知的障害者スポーツ大会の「ゆうあいピック群馬大会」のマスコットキャラクターとして誕生したそうです。

契約によって、馬場氏が手掛けたぐんまちゃんは使用できるポーズが2種類に限られていたため、2008年に東京・銀座に県のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」が開店したときから「ゆうまちゃん」が「ぐんまちゃん」と名乗るようになったといいます。

「ゆうまちゃん」だったぐんまちゃんが、2014年に全国のご当地キャラクターが人気を競う「ゆるキャラグランプリ」で1位に輝き、全国的にも瞬く間に人気に火がつきました。

来年2月には生誕30周年!来月には全国のゆるキャラがお祝いも

ぐんまちゃんは、アニメーションも制作され、2021年にシーズン1、23年にシーズン2が放送されるなど、すっかり「群馬の顔」です。

残念ながら、東京のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」は2022年末に閉店となりました。

コロナ禍もあり、利用客が最盛期の4分の1以下に減少したことと、店の維持コストが高いことも理由だったそうです。

群馬県庁メディアプロモーション課の本間晴美さんは、「ぐんまちゃんは群馬県に興味を持ってもらうための入り口に立つような存在です」と話します。

来月30日には、ぐんまちゃん生誕30周年を祝って全国の100のゆるキャラが県庁前の広場に集う「ご当地キャラカーニバル」が開かれます。

本間さんは「ぐんまちゃんは7歳ですが、30年と長く愛していただいてます。これからもSNSやYouTubeチャンネルはもちろん、イベントの企画や参加などを通して、ファンの方との交流の機会を増やして、アピールしていきたい」

子どもたちが歌い、自身は踊りを披露する新曲の配信も9月に控えるぐんまちゃん。

馬場氏のデザインしたぐんまちゃんも、きっと街から今のぐんまちゃんの今後の活躍を見守っています。

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