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「青い鳥が戻ってきてくれたら…」カワセミのクッキー、投稿した理由

鳥類菓子図録さんが投稿したカワセミのクッキー
鳥類菓子図録さんが投稿したカワセミのクッキー 出典: 鳥類菓子図録さん提供

目次

Twitterの名称が「X」に変わったことに伴って、ロゴの〝青い鳥〟も置き換わりつつあります。X上では「#青い鳥で埋め尽くせ」のハッシュタグをつけ、青い鳥の写真やイラストを添えた投稿が多く寄せられて話題になっています。「カワセミのクッキー」の画像を投稿した鳥類菓子図録さんにお話を伺いました。(朝日新聞デジタル企画報道部・高室杏子)

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青く美しい羽

鳥類菓子図録(@birdcookielog)さんが「#青い鳥で埋め尽くせ」のハッシュタグをつけて7月24日に投稿したのは、羽ばたいたり、たたずんだりしているカワセミが描かれたアイシングクッキーの群れの画像でした。

クッキーのカワセミたちは体勢やくちばしの角度、オレンジ色の丸みのあるおなかの見え方など、一羽一羽違います。

下のくちばしに赤いラインがあるメスの特徴があるものも、ラインがないオスの特徴を持つものもいます。

鳥類菓子図録さんは「一羽ずつ動きが感じられるようなデザインにしました」と話します。

鳥の下絵を描いてから、土台になるクッキーを焼き、クッキーに食品用の筆で下書き。砂糖や卵白、食用色素などを混ぜた「アイシングクリーム」を塗って、乾かしてを繰り返しながら一羽一羽を描いていきます。

「カワセミは〝飛ぶ宝石〟という異名を持ちます。光によって見える色が変わる羽をもち、青色やエメラルドのようにきらきら輝くのに見惚れてしまいます」と、その魅力を語ります。

「Twitterでのご縁」で生まれたカワセミたち

このカワセミたちのクッキーは、「Twitter」があったから誕生したと語ります。

鳥のアイシングクッキーをつくってSNSで発表する取り組みは、自身が生きもの好きなことと、アイシングクッキーの技術を磨きたいということ、そして、動物園で鳥類ゾーンに見入るパートナーの存在から始まりました。

全く縁はありませんでしたが、いつか「日本野鳥の会と仕事をすること」を目標として、プロフィール欄に掲げていました。

偶然、日本野鳥の会東京支部のメンバーがアカウントを見つけ、連絡をくれたことから、2023年初春ごろ、カワセミのクッキーをイベントの景品として納品したといいます。

「Twitterがなかったらこの夢は実現していなかったのではないかと思います。Twitterと、見つけてくださった方には感謝しかありません」と話しています。

制作の過程で鳥を調べ、生態を紹介しながら投稿を重ねてきました。自分の技術向上のために始めたアカウントでしたが、フォロワーや投稿を見た人から、「こんな綺麗な鳥がいるんだ!」「鳥類さんのおかげで街中でも鳥をよく見るようになった」などの反応があったといいます。

ハッシュタグ「#青い鳥で埋め尽くせ」ではアオアシカツオドリのクッキー写真も投稿。「カワセミもアオアシカツオドリも美しい青色を持つ鳥たちですが、自然界の青というのは、アイシングでは表現できないほどほんとうに美しいです」と語ります
ハッシュタグ「#青い鳥で埋め尽くせ」ではアオアシカツオドリのクッキー写真も投稿。「カワセミもアオアシカツオドリも美しい青色を持つ鳥たちですが、自然界の青というのは、アイシングでは表現できないほどほんとうに美しいです」と語ります 出典:鳥類菓子図録さんの投稿から

反応もモチベーションのひとつになり、「少しでも鳥たちの魅力が伝わりますように」と願いを込めてこれまで50種ほどの鳥たちの姿をクッキーにしてきました。

投稿に込めたのは「ありがとう」と「忘れない」

制作の原動力や作品の披露の場にもなっていた「Twitter」。ロゴマークとして愛された「青い鳥」とカワセミの羽ばたきとを重ねました。

「鳥たちがさえずるするように、人間たちもさまざまなことを気軽につぶやく。青い鳥のロゴを見ただけで、そんな情景が思い浮かぶTwitterが好きでした」

カワセミのクッキーの投稿に「ちいさな抵抗を続ける」と書いた理由を、「やっぱり見慣れたあの青い鳥さんが戻ってきてくれたら嬉しいです。『青い鳥さんがいいな』という人間の、ちいさな抵抗です」と語ります。

「サービスを提供する企業がその仕様やロゴを変えることは仕方がありません。でも、消えてしまった青い鳥のことは、なかったことにはならないし、そこに在った気配は、確かにわたしたちの中に存在し続けるということを言いたかったんです」

「X」になってからも、今後もサービスが続く限り投稿は続けるといいます。作品はHPでもインスタグラムでも公開しています。

「鳥はほんとうに身近な生きものでもあります。カラスにもハシブトとハシボソがいたり、コウテイペンギンのオスはマイナス60度の極寒のなか身を寄せ合いながら卵を温めていたり……。そういった鳥たちのことをクッキーをきっかけに知ってもらえたら嬉しいです」と話しています。

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