溶かしたチョコに、キラキラした飾り付けをしただけなのに、とっても素敵な宝物に見えたあの頃――。そんな、子どもの頃に感じた気持ちを思い出させてくれるような投稿がツイッターで拡散されました。作った美大生に話を聞きました。
シンプルだけど……
投稿にはバレンタインデー前日の13日夜時点で、5万件以上の「いいね」がついています。
「なつかしい」「小学生の頃作ってた」「すごいこれやりたくなってきた」など、思い出にひたるコメントが続々とついています。
かくいう記者も、小学生の頃、同じものを友人の家で作った思い出がよみがえりました。
板チョコを溶かしただけのものに、ちょっとデコレーションしただけのシンプルなもの。味なんて、ほぼ板チョコそのものです。
それなのに、自宅だから誰に聞かれるでもないはずなのに、好きな子のどこが好きなのか、声を潜めながら延々と語り合いながら作ったあのチョコは、なんだかとっても特別でした。
小学生のとき作るチョコ作った pic.twitter.com/FotHWfh8Ho
— ㋜ (@maru___marusu) February 12, 2023
作った美大生「作品をデコレーションするのが好き」
マルスさんがこのチョコを作ろうと思ったのは、「小学生の頃に作ったのを思い出したから」。
12日の夜、板チョコ4枚とアルミカップ、デコシュガーなどを買い、材料費1000円ほどで作りました。
「大学の友だちにあげようと思って作った」というマルスさんは、多摩美術大学絵画学科で美術を学ぶ1年生です。
「普段から作品をデコパーツなどでデコレーションするのが好きなので、チョコにもアラザンやデコシュガーを使ってかわいくしてみました」というマルスさん。作品をいくつか見せてもらうと、確かに、共通点が。
マルスさんの作品の特徴は「かわいいの中にあるリアル」。生理現象をテーマにしたものが多く、月経をテーマにした作品にもラインストーンを用いています。
これらの作品について「生々しさの前に『かわいさ』というフィルターがあることで、ネガティブなことをポジティブなことへと昇華し、鑑賞者と気持ちを共有しやすくなる」と考えて制作を続けているそう。
今回、デコレーションしたチョコの写真への反響が多く集まったことについては、「まさかこんなに反響があると思ってもみませんでした。引用リツイートなどでみんなが『懐かしい!』とつぶやいていて、ほっこりしました!」とコメントしています。