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年末の大掃除、ゴミは小さく 清掃工場、一度停止で「数百万の負担」
ルール守り、年末年始も働いている人たちの負担を減らしませんか?
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ルール守り、年末年始も働いている人たちの負担を減らしませんか?
年末の大掃除、進んでいますか?
大掃除にごみ出しはつきもの。ごみを出したら「片付いた」と安心しますが、ちょっと待って。
ごみ出しのやり方次第では、その先の清掃工場に大きな負担がかかり、時には数百万円の損失を出すケースも。東京23区内の家庭や事業所から出された可燃ごみを焼却する清掃工場などの施設を運営する、東京二十三区清掃一部事務組合に話を聞きました。
東京二十三区清掃一部事務組合は、東京23区内の家庭や事業所から出された可燃ごみを焼却する清掃工場を22施設(うち2施設は立て替え中)、不燃ごみ処理センターを2施設、粗大ごみ破砕処理施設を1施設、管理・運営しています。
東京二十三区清掃一部事務組合の昨年度の作業年報によると、各清掃工場での月別の処理量は、やはり12月が最多。家庭から出たごみが清掃工場にたどり着いた後も、できるだけ清掃工場に負担をかけずに操業するために、「まずは自治体のルールに沿って、分別をしっかりお願いします」と話すのは建設課長の井俣弘治さんと、豊島清掃工場長の柳信雄さんです。
東京二十三区清掃一部事務組合の清掃工場の場合、可燃ごみを焼却する施設のため、鉄などの不燃物が紛れ込むと焼却設備の故障の原因になります。ワイヤーでできているハンガーが絡まりあって、つまりの原因になることも。
燃えるごみでも、「大きさ」「長さ」には注意が必要です。
基準以上(例えば、豊島区では粗大ゴミは一辺が30センチメートル以上のもの)の長いごみが紛れ込んでしまうと、機械にからまってしまうこともあり、焼却炉を故障させたり、停止させたりしてしまう原因になります。
実際に、長い布などがからまり、故障の原因となった事案もあります。
絡まる以外にも、灰にならず原型をとどめたままの大型のゴミが出口でつまり、故障の原因になることも。
通常、生ごみなどの可燃ごみは焼却炉に投入されてから灰となって出るまで数時間かかります。
しかし、本来は粗大ごみである布団がぐるぐるに縛られて搬入されると、焼却炉の出口まで一気に転がり落ちてしまって、出口でつまってしまうこともあります。
もちろん、ごみ収集の際に、収集作業員が気づいた場合は警告シールを貼り、適切な方法で出し直すよう促すこともできますが、気づかない場合もあります。
井俣さんによると、焼却炉内でつまりが発生するなどのトラブルがあると、つまりを解除するため、焼却炉の運転を停止させなければいけない場合もあるといいます。
通常、焼却炉は、ダイオキシン類などを出さないため、800℃以上で焼却していますが、それはごみを安定的に投入することで維持できるもの。
トラブルが発生し、ごみの投入が滞ってしまったり、焼却炉を止めないといけなくなると、まずは、焼却炉内に残っているごみが燃え尽きるまで800℃以上の状態を維持させるために都市ガスを使用することになります。これは財政的な負担にもつながります。
停止してから再度、元の稼働状態まで戻そうとすると、ガス代は数百万円かかります。
24時間稼働が基本の清掃工場。常に運転を担当する職員が工場にいて、安全かつ安定的な工場の操業を維持するために監視しています。万が一、トラブルが発生した場合には現場へ直行し、確認し対処します。
清掃工場以外にも、年末年始、社会を回し続けている人がいます。守るべきルールを守ることで、年末年始も働いている人たちの負担を減らせることができないか、考えてみませんか。
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