連載
#140 ○○の世論
夏休みの帰省・旅行、計画している? 若年層や関東地方で増加傾向
世論調査を読み解くと…
いよいよ8月。新型コロナウイルスの感染が再拡大していますが、今年の夏休みは帰省や旅行を計画している人たちがこれまでより多いようです。いったいなぜでしょうか。世論調査から探ってみました。(朝日新聞記者・寺本大蔵)
朝日新聞社が7月16、17日に実施した全国世論調査(電話)で、今度の夏休みに帰省や旅行を計画しているかを尋ねたところ、「計画している」が23%、「計画していない」は76%でした。
同じ趣旨の質問はコロナが始まった2020年の11月以降、5月の大型連休や年末年始などの長期休暇前に5回尋ねてきています。
「計画している」は2020年11月が11%▽21年4月が6%▽21年7月が12%▽21年11月が18%▽22年4月が15%でした。
「計画している」割合は今回の調査が最多となりました。
「計画している」と答えた人たちを分析してみました。
今回の調査を年代別でみると、18~29歳が42%▽30代が35%▽40代が30%▽50代が26%▽60代が11%▽70歳以上が9%でした。
国の緊急事態宣言が発令されていた1年前の7月調査で「計画している」と回答した人たちと比べると、男性の18~29歳と30代、女性の30代で大幅に増加しています。
比較的若い世代の男女で増加率が高い傾向にあります。
1年前と違い、今回は緊急事態宣言が発令されていないことや、若年層は新型コロナのワクチン接種をしていれば、高齢者層より重症化リスクが低いとされていることから、帰省や旅行を考えているのかもしれません。
職業別でみると、今回は「事務・技術職層」が31%▽「製造・サービス従事者層」が26%▽「自営業者層」が20%▽「主婦層」が20%などでした。全業種とも1年前より増加しています。
地域別でみると、今回は「関東」が3割弱と高かった一方、「東北」は1割弱、「九州」は1割台半ばと低い結果となりました。「関東」は1年前より大幅に増加。一方、「東北」と「九州」は1年前とさほど変化がありませんでした。
首都圏は進学や就職で地方から移住してくる人たちが特に多い地域です。
緊急事態宣言の発令などで近年、なかなか帰省できなかった人たちが、久しぶりの帰省の計画をしているのかもしれません。
しかし、残念なことに新型コロナウイルスの「第7波」が到来してしまいました。このまま感染拡大の勢いが止まらなければ、せっかく立てた帰省や旅行の計画も中止を余儀なくされるかもしれません。
新型コロナを気にせず、長期休暇での帰省や旅行を自由に計画できるよう早く収束してほしいものです。
1/23枚