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バズる→ヨックモック社長とまさかのランチ「木彫り」作品投稿で奇跡

木彫りのシガールと本物のシガール。どちらが木彫りがわかりますか?(答えは記事の最後に)
木彫りのシガールと本物のシガール。どちらが木彫りがわかりますか?(答えは記事の最後に)

目次

SNSでバズった結果、有名洋菓子ブランドの社長とランチをすることにーー。趣味の「木彫り」で、デパ地下定番「ヨックモック」のクッキー「シガール」を作り、ツイッターに投稿したキボリノコンノさん(33)。その投稿が本家のアカウントにも届いた結果、なんと社長に招かれることとなったのです。本物のシガールと木彫りのシガールを並べてみると……社員も思わず笑ってしまうくらいの完成度でした。

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「重さも近い」感激する社長

「今ここに座っていることがびっくりです」

6月中旬のランチタイム。ヨックモック青山本店ブルー・ブリック・ラウンジ(東京都港区)で、キボリノコンノさん(以下コンノさん)がそう話しました。

対面に座るのは、同社代表取締役社長の藤縄武士さん(51)です。コンノさんと藤縄社長ら5人が、ランチを囲み談笑します。以前、木彫りのシガールについて取材した筆者も、ランチ会に同席させてもらいました。

【関連記事】「意味わかんない」完成度 デパ地下定番お菓子を「木彫り」で再現

この日、住んでいる静岡県から約2時間かけて妻と上京したコンノさん。SNSで話題になった木彫りのシガールなどを持参し、藤縄社長たちへ見せました。

「社内でも実物を見たいと話題になっていましたよ」と感激する藤縄社長。作品を手に取ってじっくりと眺め、「重さも近いですね」とうなりました。そんな中、コンノさんからオリジナルの木箱に入った木彫りのシガールがサプライズでプレゼントされ、さらに場が沸きました。

シガールは、ヨックモック設立と同じ1969年に誕生し、同社の代名詞にもなっているロール型のクッキーです。年間1億2000万本ほど生産されているといい、コンノさんは「日本の人口くらいですね」と目を丸くしていました。

本物のシガールと木彫りのシガール(右)。長さ、色、重さ、すべてが本物そっくりです
本物のシガールと木彫りのシガール(右)。長さ、色、重さ、すべてが本物そっくりです

きっかけはツイッター

対面のきっかけは、4月にさかのぼります。コンノさんがツイッターに1枚の画像を投稿しました。

そのクオリティーの高さに、「絶対間違えて食べようとしちゃう」「再現度高すぎてほんと意味わかんない」といったコメントが寄せられ、「いいね」は2万を超えました。

ツイートはヨックモックの「中の人」たちにも届き、公式アカウントが反応しました。藤縄社長は知人から聞き、ツイートを見ていたそうです。

藤縄社長は「ここまで精巧なものを作られてすごいという思いと、どんな方が作られているのか、同じ作り手としてお伺いしたいと思いました」と話します。

その後、公式アカウントからコンノさんへDMを送り、今回のランチ会が実現しました。

キボリノコンノさん(左)と藤縄武士社長。社長が手にしているのは木彫りのシガールです
キボリノコンノさん(左)と藤縄武士社長。社長が手にしているのは木彫りのシガールです

コロナ禍で失われたコミュニケーションの場

ランチ会では、木彫りや彫刻刀の話をはじめ、次回作の構想やコロナ禍のコミュニケーションについても話が広がりました。

コンノさんが木彫りを始めたのは、2021年9月です。以前は卓球が趣味でしたが、新型コロナウイルスの影響でその機会がなくなりました。

「卓球を通して人とのコミュニケーションも楽しんでいたのに、その機会が減ってしまっていました。いま木彫りの作品を発信することで、失われていた人との『会話』ができています」とコンノさんは話します。作品に寄せられる感想には、ほぼ全てに返信しているそうです。

その話を聞き、「物理的に移動していないのに、コミュニケーションの幅が広がったんですね」と藤縄社長。「コミュニケーションのツールという意味では、お菓子も似ているところがあります。我々のお菓子は買う人が食べる人ではなく、『誰かに贈りたい』と購入いただくことが多いんです。お菓子が人と人とをつなぐお役に立てれば」と話しました。

「僕の作品も、『誰かに見せたい』と思った人がリツイートしてくれたのだと思います」と振り返るコンノさんに、藤縄社長は「趣味がそのようにつながるのはいいですね」とほほえみました。

キボリノコンノさんが作った木彫りのシガール。4月に作ったものをブラッシュアップさせました
キボリノコンノさんが作った木彫りのシガール。4月に作ったものをブラッシュアップさせました 出典: キボリノコンノさん提供

思わず笑える“精巧さ”

食事のあと、デザートと一緒に出されたのはもちろんシガールです。

本物と並べることで、改めて木彫りのシガールのリアルさに驚かされます。パッケージに木彫りのシガールを入れてみると、より間違ってしまいそうです。薄い生地の質感やところどころにできた気泡、長さなど、その精巧さに同席した社員も思わず笑ってしまうほどでした。

本物をそばにおいて彫っていたというコンノさんは、「作っていて終盤はどっちから匂いがするのかわからなくなりました」と言って笑いを誘っていました。

ランチ会を終え、「ヨックモックさんのすばらしさをより知ることができて、感動の詰まった時間でした」とコンノさん。藤縄社長も「思いを聞かせていただき、楽しい時間でした」と話しました。

木彫りのシガールは、6月末までヨックモック青山本店の売店入り口のディスプレイで展示される予定です。

木彫りのシガールが展示されている様子=東京都港区のヨックモック青山本店
木彫りのシガールが展示されている様子=東京都港区のヨックモック青山本店 出典: ㈱ヨックモック提供

冒頭の写真、木彫りはこちらです↓

木彫りはこちらでした!
木彫りはこちらでした!

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