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#2 選挙 若者の疑問

「議員にはお金や名誉目当ての人もいる?」中学生の疑問に政治記者は

国会議員だから「先生」って呼ぶというのはちょっと変。

通行人にあいさつする参院選の立候補予定者(中央)=6月15日、西岡臣撮影
通行人にあいさつする参院選の立候補予定者(中央)=6月15日、西岡臣撮影 出典: 朝日新聞

目次

参院選が6月22日に公示されます。選挙について、若者たちから疑問を募ると、選挙の基本をおさらいしたいというものから、「言われてみると、確かにわからない」といった疑問が集まりました。「参院議員になりたい理由は?」。朝日新聞の林尚行政治部長に聞きました。

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248人の中には…

――参議院議員になりたいと思う理由はなんでしょうか。また、参院議員になるデメリットはありますか。お金や名誉目当ての人も中にはいるとみているのですが、大人の考え方はまだまだ子供の私には理解できなくて、立候補した人たちの考え方を知れるのなら知りたいなと思いました。立候補した人にとって参議院議員とはどんな存在なのかが知りたいです。(都内の中学1年生相原美亜さん)

じっくりと腰を落ち着けて、ライフワークを実現したい人は参院議員になってほしいなと思います。
ただ、参院議員は国会議員で、日本に248人しかいません。
国会議員が「先生」と呼ばれてしまうことが示すように、「偉い存在」と受け取る人もいるかもしれませんね。そのことから、中には名誉を欲しがって議員になる人がいるというのも事実です。

ちなみに朝日新聞の記者は、国会議員のことを「議員」、「代議士」、あるいは肩書で呼ぶのが取材の基本です。
自分にとっての師匠だというのなら「先生」と呼んでもいいですけど、国会議員だから「先生」って呼ぶというのはちょっと変ですよね。

もう一つ、理由があります。それは「衆院議員になれないから参院議員になりたい」というものです。ちょっと消極的ですよね。

特に自民党は、衆院の中でも多数を占める党。なかなか新たな人が立候補するチャンスがありません。後援会がなく、親が議員だったという「世襲」でもないとなると、まず参院にポストがあいたとき、そこから国会議員になる人がいないとはいえません。

「事実上、総理大臣になれない」

また、参院議員になるデメリットとまで言えるかはわかりませんが、衆院との一番の違いは「事実上、総理大臣になれない」ということです。

参院は解散がありません。一方、総理大臣になると、衆院を解散する権限を持ちます。
もし参院議員の総理大臣がいても、衆院を解散してはいけないと決まっているわけではありません。でも、自分の首をかける立場にない人が総理大臣になって、衆院を解散しちゃっていいの?ということになります。

衆院と参院は尊重し合う関係なので、「自分はクビにならないのに、逆の院を解散する総理大臣でいいんですか?」という議論はずっとあります。
だから、参院から総理大臣は出さないという暗黙の了解がある状況です。

「鞍替え」決断した人も

実際、「鞍替え」というかたちで、最近参院から衆院に移った人がいます。自民党の林芳正さんです。

林さんは、元々は参院議員が長かったんです。でも、彼は自民党のエースとも言われてきました。総理大臣としての呼び声も高く、参院議員のときに、総裁選にも出ました。ただ、そのとき彼は「自分の限界を感じた」とも言っています。

その林さんは、「総理大臣を目指したい」「そのためにはこのまま参院にいてはいけない」と、2021年の衆院選で衆院に鞍替えしました。そんなケースもあります。

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