連載
#135 ○○の世論
与党支持層も「政治が変わってほしい」思っている理由 でも野党は…
圧倒的に「期待できない」結果に
夏に行われる参議院選挙をきっかけにいまの政治が大きく変わってほしいけれど、野党には期待できない――。5月21、22日に実施した全国世論調査(電話)で、いまの政治について聞いてみたところ、有権者の複雑な思いが表れる結果となりました。(朝日新聞記者・寺本大蔵)
今夏の参院選をきっかけに日本の政治が「大きく変わってほしい」と答えたのは52%、「それほどでもない」の44%を上回りました。
前回の参議院選挙があった2019年の5月調査では「大きく変わってほしい」47%、「それほどでもない」43%でした。3年前に比べて、いまの政治に不満を抱いている人が増えているようです。
「大きく変わってほしい」と答えた人たちはどういう人たちでしょう。
男女別でみると、男性(54%)が女性(50%)を少し上回りました。年代別でみると、最多は40代(65%)、次いで50代(57%)。最少は70歳以上(43%)、次いで18~29歳(49%)でした。
働き盛りの世代が政治の大きな変化を望んでいる傾向がみえます。
職業別では、最多は「事務・技術職層」(58%)で、最少は「農林漁業者層」(3割)でした。
支持する政党別でみると、「日本維新の会」(7割)、「立憲民主党」(6割)など、やはり野党を支持する人たちで高い傾向が出ました。
しかし、公明党(5割)、自民党(4割)の与党でも、およそ半数の人たちが政治に変化を求めています。
岸田文雄首相出身の派閥「宏池会」は伝統的に穏健な保守志向と言われています。同じ自民党でも長期にわたり政権を担った保守色の強い安倍政権や、その路線を引き継いだ菅政権とは異なると指摘されています。与党支持者の半数ほどは、新たな政権象を求めているのかもしれません。
そして政治を大きく変えるには野党の存在が欠かせません。有権者からいまの野党はどう思われているのでしょうか。
自民党に対抗する勢力として、いまの野党に期待できるか期待できないかを聞くと、「期待できない」(80%)が「期待できる」(13%)を大きく上回る結果となりました。
野党に「期待できない」と答えた人たちを分析してみると、男女別では「男性」(84%)が「女性」(76%)を少し上回りました。
年代別でみると、最多は「60代」(89%)。最少は「18~29歳」と「30代」(74%)で、全ての年代で70%以上でした。
職業別では最多が「自営業者層」(84%)、最少は「主婦層」(74%)。こちらも全ての職業層で70%以上でした。
支持する政党別でみると、野党の「立憲民主党」と「日本維新の会」が8割にも上りました。これらの支持層からも野党は「期待できない」と突き付けられた形です。
「日本の政治が大きく変わってほしい」と思う層の81%が「いまの野党に期待できない」と答えています。
野党の国会議員たちはこうした結果をどう受け止めるでしょう。参院選まで残された時間はさほど多くはありません。今後、野党が有権者の「期待度」を高めていけるのか、注目していきたいです。
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