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「創作を愛する全オタクよ…」絵師を震え上がらせる雑誌「建築知識」

「創作を愛するオタクの皆様…」。そんな呼びかけで始まるツイートが度々反響を集めています。発信しているのは、月刊誌「建築知識」の〝中の人〟。創作活動にはげむ絵師をはじめ、小説家や漫画家にも愛されるこの雑誌。はたしてその正体とは……? 写真は5月号
「創作を愛するオタクの皆様…」。そんな呼びかけで始まるツイートが度々反響を集めています。発信しているのは、月刊誌「建築知識」の〝中の人〟。創作活動にはげむ絵師をはじめ、小説家や漫画家にも愛されるこの雑誌。はたしてその正体とは……? 写真は5月号 出典: れなさんのツイッター

目次

「創作を愛するオタクの皆様…」。そんな呼びかけで始まるツイートが度々反響を集めています。発信しているのは、月刊誌「建築知識」の〝中の人〟。創作活動にはげむ絵師をはじめ、小説家や漫画家にも愛されるこの雑誌。はたしてその正体とは……?

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「創作を愛する全オタクよ…」

「創作を愛するオタクの皆様…お待たせしました…『建築知識2022年5月号』です…」

れなさん @rena07110 さんがそんな投稿をしたのは今月18日。ツイートは拡散し、リツイートは1万件、いいねは2万件をゆうに超えました。

れなさんは「建築知識」の出版社「エクスナレッジ」の〝中の人〟で販売担当。5月号以外にも度々、ツイートは拡散し、「創作を愛する全オタクよ…」と呼びかけた今年2月号のツイートは、5万件近くのいいねを集めました。

同誌は材料や構造、法律など建築に関するあれこれを特集でまとめる雑誌。5月号の特集は「建物種類ごと用語図鑑」で、オフィスやカフェなどに限らず、ブライダル、教会、葬儀場などについて、イラストのほか、「あの部分」の専門用語や最新のトレンドなどがまとめられています。

ツイッターで同誌は「背景作製のバイブル」「興奮すっぞ!」「こいつぁグレート」と称賛されています。

れなさんは「仲間が頑張って編んでいるものを販促担当としては少しでも知って頂きたい、色々なニーズに関する提案をしたいと思い紹介を始めました」と話します。

「だってこんなの買うだろう!」

ツイートが反響を集めているのは、れなさんの特徴的な語り口の妙だけでなく、「建築知識」自体が多くの人に愛されているから――。そう言えそうです。

『ジーザス』『闇のイージス』(いずれも作画:藤原芳秀)、『ARMS』(作:皆川亮二)などの原作・原案で知られる漫画原作家の七月鏡一さん @JULY_MIRROR は今月22日、ツイッターに「建築知識」5月号を買ったとした上でこう書きました。

「だってこんなの買うだろう! 『あの建物のなんか出っ張ってるところ』みたいなものの正式な名称がわかるんだから。小説家、漫画家、脚本家、ゲーム製作者におすすめ」

七月さんは取材にこう答えています。「ミステリー作家の太田忠司さんがツイートで話題に出されたのを読んで、仕事の資料として購入しました。漫画家に渡すシナリオで場面を説明するにも、その場所に何が存在しているかが曖昧だとイメージが膨らまないのです」

その上で、こう悔しがります。

「『探偵ゼノと7つの殺人密室』(作画:杉山鉄兵)という建築をテーマにしたミステリー漫画を2019年まで連載していましたが、毎週のように図書館通いで調べ物をしていました。その頃にこうした本があったならと強く思っています」

出典:漫画原作家の七月鏡一さんのツイッター

60年超の歴史

かいわいをにぎわす「建築知識」とは?

出版社「エクスナレッジ」によると、創刊は1959年1月号。60年以上の歴史があります。

「元は主に木造の住宅を手がける大工さんのための雑誌だったと聞いております」と建築出版部の担当者。購読者の多くは、設計、施工、不動産、金融など、建築に関わる実務者が占めるそうです。

法律に定められた基準は毎年のように変わり、在宅ワークや「おうち時間」の増加など住まい方も変化――。「当然それらは建物をつくるうえで必須の知識です」と担当者。「変わった部分だけでなく、ずっと変わらない基本、実務において必ず押さえておくべき知識というものを常に重視して編集業務を行っております」

人気を集めた2019年10月号の表紙。特集はパースと背景画の描き方
人気を集めた2019年10月号の表紙。特集はパースと背景画の描き方 出典:れなさんのツイッター

読者の裾野を広げている

「近年は絵を描く方、小説を書かれる方など、実際に建物はつくらないけど文章やアニメやマンガの中で建物をリアルにつくりたい方にも購入いただいております」

元々の実務者に加え、読者の裾野を広げていると話します。

バックナンバーでは、遠近法や背景画の描き方を特集した2019年10月号、2021年6月号のほか、洋館を取り上げた2021年12月号、小さな飲食店を特集した2022年2月号などが人気を集めたそうです。

半年かけて誌面を作る

14人の担当者が偶数月号と奇数月号の2班に分かれてリサーチ。実務経験者や建築学科出身者も在籍しているそうです。「半年かけて取材やリサーチをしながら誌面を作り上げています」

読者のニーズにも敏感です。5月号の特集は「建物種類ごと用語図鑑」で、オフィスやカフェなどに限らず、ブライダル、教会、葬儀場など幅広く取り上げています。

「建物の種類は、新たな読者を意識して、人気の漫画・アニメ・小説・ドラマ作品などの舞台や創作作品の舞台になりそうな用途(学校、オフィス、空港、教会など)を中心に選びつつも、実務でも設計機会が多そうな用途(店舗、住宅)と、建築士試験の計画分野などで出題される用途(公共建築など)から選びました」

多方面から注目を浴びる雑誌。同社は「多くの方々に読んでいただけ本当にうれしいかぎりです。今後も読者が求める建築の知識を提供できるよう頑張ります」としています。



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