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お金と仕事

ある日突然、未経験の広報に…新天地で活躍するため必要な三つのこと

キャリアの大半を過ごした営業から未経験の広報に移った小澤美佳さんが考える新しい職場で活躍するために必要なこととは(画像はイメージです)=Getty Images
キャリアの大半を過ごした営業から未経験の広報に移った小澤美佳さんが考える新しい職場で活躍するために必要なこととは(画像はイメージです)=Getty Images

目次

新年度になり、新天地で仕事を始めた人も多いかと思います。オンラインアウトソーシングのベンチャー企業で働く小澤美佳さん@mica823は、現在の会社に転職後、キャリアの大半を過ごした営業から未経験の広報へ移りました。広報という分野に移って気づいたことや、新しい職場で活躍するために必要なことを考えます。
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社会人12年目で新領域への挑戦

就職や転職、異動など、新たな出会いへとワクワクするシーズンへ突入しました。

私がニットに入社したのは、ちょうど3年前の2019年3月18日。リクルートで人事領域向けの営業(HR)を10年経験したのち、中米ベリーズにて観光業を起業。一度、HRから離れましたが、改めて、「働き方の当たり前を変えていきたい」と思うようになり、転職しました。

ニットでは、様々な組織や個人の業務をオンラインで代行するサービスを展開しています。入社してからの1年は、カスタマーリレーションという営業的な役割を担い、自分のミッションを超えて、採用関連の仕事にも関わっていました。

ニットでの仕事は提案から実現までのスピード感がありました。「ベンチャー企業で手触り感を持って仕事がしたい!」という私の願望が、まさに体現できている瞬間の連続でした。

その後、新型コロナウイルスが流行し、時代はテレワーク導入の空気へ。そこで、2020年7月に代表の秋沢から呼び出され、突然の打診を受けました。

「コロナ禍において、世の中たくさんの企業がテレワークのノウハウを求めてきている。ぜひ広報をやってほしい」

社会人になって12年目で、初めての広報業務へと携わることになったのです。右も左も分からず、不安が大きかったことを覚えています。

広報という仕事

営業しか知らない私が、初めての世界へ飛び込んで思ったことは以下の三つ。

(1)知識、ノウハウがない
(2)打ち出せる話題がない
(3)メディアとつながりがない

この状況を打破するため、最初は広報についての本を30冊以上読み、勉強しました。積極的に業界のコミュニティーに参加し、他社のベテランの方々や元PR会社の友人に、広報について色々と教えてもらいました。

自社の取り組みがメディアで紹介されれば、そこから認知度が高まることもあります。メディアとのつながりも作っていこうと奮闘しました。

そのなかで痛感した二つのことがあります。「自社で発信すること」と「インナーブランディング」です。

自社での発信は、SNSやプレスリリース、オウンドメディアなどの広報数をさしています。一気に認知度を上げるのは難しいので、コツコツと積み上げていくしかありません。ですが、誰かの意思に関係なく、自社でやりたいように次々と発信していけるので、ファンが増えると強いです。

私のTwitterは現在、フォロワーが3万人を超えていますが、1万人を超えてから発信に手応えを感じることが増えました。Twitter経由での入社応募も増え、ニットのサービスに興味がある、という連絡も増えました。

プレスリリースも、月に15本以上はコンスタントに書いています。

最も大事だと思っているのが、土台となるインナーブランディングやサービスそのものです。それらが整っていない段階で、発信ばかりを行うことは時期尚早だと感じます。

例えば、離職率が高くて組織の中身はボロボロなのに、メディアで社長が「弊社の風土は温かくて、みんな生き生きとしています!」と言っていたら、現実との乖離を感じますよね。社内の人が白けてしまい、さらに離職を増加させてしまう危険すらあります。

「テレワークについて語れます!」とアピールしても、3カ月間だけテレワークを実践した企業と10年間テレワークを実践している企業と比べたら、後者に注目するのではないでしょうか。まずはしっかりと実績を作り、その上で発信を続けていく。企業としては当たり前のことですが、社内外への発信を担う部署にいるからこそ、改めて気がつけたことでした。

学びながら本質をつかむ

さらに、広報として「現地現物(=触れること)」をとても大切にしています。弊社はフルリモート経営のため、「オンライン散歩」と称して色んな会議にフラッと出たり、「オンラインランチ」や「ぼそぼそ」という雑談を色んな人とやったりすることで、話題を拾うこともしています。

それだけではなく、広報視点で、世の中の潮流を捉えて事業への提言をし、組織開発へ加わり、イベントの主催をすることもありました。広報主体で自らネタを作り、それを発信することも必要です。

「社内という現場をどう動かせるか」という視点でいくと、広報の捉え方次第では、ステークホルダー全てに関わることもできます。

広報で働くようになって2年近くになります。私が実践してきことを整理すると、まずは担当の仕事を好きだと思えるまで、自分なりに学び、実践する。そして仕事の本質をつかみ、社内外問わず、関わるステークホルダーのニーズ・課題を仮説立てた上で、広報という立場からそれぞれに提案していく。その上で、自分にしかできない価値を創造し続ける――の三段階になります。

新しい始まりを迎える皆さま。ワクワクしていますか。ドキドキしていますか。不安ですか。きっと、色んな感情があるでしょう。この一歩が、人生に彩りを与えてくれて、豊かなものになっていくのだと信じています。自分らしい人生の選択をして、幸せになってもらえたら、嬉しいなと思っています。

小澤美佳 株式会社knit(ニット)広報。2008年に株式会社リクルート入社。中途採用領域の営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年にニットに入社し、カスタマーサクセス→人事→営業を経て、現在、広報に従事する傍ら、オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを実施。副業で嘉悦大学の大学講師。キャリアや就職などに関する授業を担当。Twitterアカウントは3.1万のフォロワーがいる。

Twitterアカウント:https://twitter.com/mica823
note:https://note.com/micakozawa

小澤美佳さん=ニット提供
小澤美佳さん=ニット提供

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