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「このつけ方は壊れます!」老舗バッグ店ツイッターで呼びかけた内容
「このつけ方は壊れます」――。ショルダーバッグのベルトのフック部分である〝ナスカン〟のつけ方に「禁じ手」があるのだと、老舗カバン屋の跡継ぎ、カタオカさん @peterminced は訴えます。話を聞きました。
カタオカさんこと、片岡勧さん(38)は、広島市内にあるカバン屋「片岡商店」の取締役で跡取りです。お店は、1897年(明治30年)の創業で、現在は父親の功さんが4代目の社長です。
片岡さんは大学卒業後、メーカーに就職。その後、ブログ運営などに関わりました。東京に住んでいましたが、家業のカバン屋を継ぐため半年前からは広島を拠点にしています。「跡を継ぐと決めていたわけではありません。ただ、社長である父親も高齢になりました。明治から続く家業が途絶えてしまうことは、私自身、受け入れられませんでした」
そんな片岡さんが注意を呼びかけるのが〝ナスカン〟のつけ方です。
【会社ブログ更新】
— カタオカ⌘空飛ぶカバン屋のアトツギFPV (@peterminced) March 22, 2022
社長(親父)が顧客や量産先に口酸っぱく言ってることけど話が長すぎて頭入ってこないので、記事にして要約。聞き取りするのに超エネルギーつこうたわ😫
【故障激減】ショルダーベルト・ナスカンの正しいつけ方https://t.co/GpUuy09KXI
〝ナスカン〟はベルトの両端、フックにあたる部品で、ナスのような形をしています。バッグ本体にフックをかける時、外側から掛けるとファスナーが故障しやすくなると言うのです。
片岡商店は地元密着のカバン屋で、中学校などにスクールバッグを販売しています。「当社が直接販売している学校の売店を通じて、修理の相談が入ります。ほつれ、ベルト外れなど様々な故障パターンがあるのですが、中でも一番多いのがファスナー修理です」
その原因の一つが、〝ナスカン〟の外掛けにあると言うのです。
「〝ナスカン〟を外掛けすると、突起部がファスナーにあたります。歩行中の振動といったささいなダメージでも、蓄積することによって、ファスナーはもぎ取られてしまいます」と片岡さん。
「長年修理依頼品と向き合ってきた社長(父)からすると、故障品は明らかに〝ナスカン〟外掛けのパターンが多いこと、ファスナー破損個所と〝ナスカン〟突起部の位置が一致していることから、外掛けが大きな原因とみています」と話します。
「正解」の対処法は、〝ナスカン〟の内掛けです。「〝ナスカン〟とファスナーの接触は避けられませんが、突起部があたるよりはダメージがたまりません」
〝ナスカン〟の内掛けは、カバン業界でも知名度はまちまちのよう。「バッグ量産メーカーさんによって知っていたり知らなかったりと分かれます。修理対応を考慮しない売切りだったり直接エンドユーザー様と接点がないと気づきにくい点だと思います」
片岡商店は、「3年間壊れない品質」を求められるスクールバッグを扱っているため、原因だけでなく対処法の考察も進んだそうです。
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