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「このつけ方は壊れます!」老舗バッグ店ツイッターで呼びかけた内容

「このつけ方は壊れます」。老舗カバン屋の跡継ぎであるカタオカさん @peterminced は訴えます
「このつけ方は壊れます」。老舗カバン屋の跡継ぎであるカタオカさん @peterminced は訴えます 出典: 片岡商店のブログ

目次

「このつけ方は壊れます」――。ショルダーバッグのベルトのフック部分である〝ナスカン〟のつけ方に「禁じ手」があるのだと、老舗カバン屋の跡継ぎ、カタオカさん @peterminced は訴えます。話を聞きました。

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老舗カバン屋が注意呼びかけ

カタオカさんこと、片岡勧さん(38)は、広島市内にあるカバン屋「片岡商店」の取締役で跡取りです。お店は、1897年(明治30年)の創業で、現在は父親の功さんが4代目の社長です。

片岡さんは大学卒業後、メーカーに就職。その後、ブログ運営などに関わりました。東京に住んでいましたが、家業のカバン屋を継ぐため半年前からは広島を拠点にしています。「跡を継ぐと決めていたわけではありません。ただ、社長である父親も高齢になりました。明治から続く家業が途絶えてしまうことは、私自身、受け入れられませんでした」

そんな片岡さんが注意を呼びかけるのが〝ナスカン〟のつけ方です。

〝ナスカン〟の外掛けで故障

〝ナスカン〟はベルトの両端、フックにあたる部品で、ナスのような形をしています。バッグ本体にフックをかける時、外側から掛けるとファスナーが故障しやすくなると言うのです。

ベルトのフック部分。ナスの形に似ていて〝ナスカン〟と呼びます。写真のような外掛けだと、ファスナーが故障しやすくなるそうです
ベルトのフック部分。ナスの形に似ていて〝ナスカン〟と呼びます。写真のような外掛けだと、ファスナーが故障しやすくなるそうです 出典:片岡商店のブログ

片岡商店は地元密着のカバン屋で、中学校などにスクールバッグを販売しています。「当社が直接販売している学校の売店を通じて、修理の相談が入ります。ほつれ、ベルト外れなど様々な故障パターンがあるのですが、中でも一番多いのがファスナー修理です」

その原因の一つが、〝ナスカン〟の外掛けにあると言うのです。

ダメージが蓄積

「〝ナスカン〟を外掛けすると、突起部がファスナーにあたります。歩行中の振動といったささいなダメージでも、蓄積することによって、ファスナーはもぎ取られてしまいます」と片岡さん。

〝ナスカン〟の突起部がファスナーにあたり、もぎ取られてしまうそうです
〝ナスカン〟の突起部がファスナーにあたり、もぎ取られてしまうそうです 出典:片岡商店のブログ

「長年修理依頼品と向き合ってきた社長(父)からすると、故障品は明らかに〝ナスカン〟外掛けのパターンが多いこと、ファスナー破損個所と〝ナスカン〟突起部の位置が一致していることから、外掛けが大きな原因とみています」と話します。

ナスカンの接触で故障したファスナー
ナスカンの接触で故障したファスナー 出典:片岡商店のブログ

対処法は内掛け

「正解」の対処法は、〝ナスカン〟の内掛けです。「〝ナスカン〟とファスナーの接触は避けられませんが、突起部があたるよりはダメージがたまりません」

〝ナスカン〟の内掛け
〝ナスカン〟の内掛け 出典:片岡商店のブログ

〝ナスカン〟の内掛けは、カバン業界でも知名度はまちまちのよう。「バッグ量産メーカーさんによって知っていたり知らなかったりと分かれます。修理対応を考慮しない売切りだったり直接エンドユーザー様と接点がないと気づきにくい点だと思います」

片岡商店は、「3年間壊れない品質」を求められるスクールバッグを扱っているため、原因だけでなく対処法の考察も進んだそうです。

〝ナスカン〟の内掛け
〝ナスカン〟の内掛け 出典:片岡商店のブログ

新生活、されど〝ナスカン〟

片岡さんは、〝ナスカン〟についてブログでまとめています(https://kataoka-shouten.co.jp/how-to-install-shoulderbelt/

「社長(父)がお客様や量産契約工場に毎回口酸っぱく言っているものの、話が長すぎて…。伝わっていないと感じたことがきっかけでブログをまとめました」

片岡さんによると、ファスナーを修理する場合、いったんパーツごとに分解して縫い直す必要があるため、費用がかさむことがあるそう。「場合によっては1万円を超えることもあります」

「新生活の始まり。すぐにカバンが壊れてしまうのは悲しいです。たかが〝ナスカン〟されど〝ナスカン〟です。ファスナーが壊れないよう、気をつけて使って頂ければと思います」
 

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