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猫のため…留学先まで変えた女性 ペットロス味わってもまた飼う理由

赤川学教授の愛猫(左からあかりちゃん、ばんくん、雪ちゃん)
赤川学教授の愛猫(左からあかりちゃん、ばんくん、雪ちゃん)

目次

2022年2月22日はたくさんのニャンが並んだ「猫の日」でした。猫のために留学先まで変え、その後、深刻なペットロスに悩んだ女性がいます。

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【「猫の日」にまつわる記事はこちら】
「にゃんこ先生がいないこの世にいても…」東大教授が語るペットロス
猫のためマイホームを即決、引っ越し繰り返した家族が得たもの
N4U(ニュースフォーユー)では2月22日の猫の日に合わせ、LINEのお友だちの愛猫の写真を募集しました。写真は友だち提供。とら(左、4歳オス)、ぽん(右、推定2歳メス)
N4U(ニュースフォーユー)では2月22日の猫の日に合わせ、LINEのお友だちの愛猫の写真を募集しました。写真は友だち提供。とら(左、4歳オス)、ぽん(右、推定2歳メス)

 

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「愛猫と一緒に」留学先を変更

現在、関西地方に住む女性(62)は約30年前、イギリス留学を目指していました。

女性は1匹の保護したペルシャ猫を飼っていました。1人暮らしをしていた学生時代に出会った愛猫はいつも落ち着き払っていて、彼女にとってはもう1人の母親のような存在だったと言います。

しかし、イギリスの検疫が厳しく一緒に入国できないことがわかったのです。そこで、女性はなんと行き先をフランスに変更。そのまま約20年、フランスに住み続けてしまいました。

「愛猫にフランスの空気が合ったみたいで、日本にいた時より元気に過ごしていました」

現地にいた時は、猫を機内に連れて行ける航空会社を利用し、一緒に飛行機に乗っていろんなところに旅行しました。むすっとした税関職員が、愛猫を見たとたんに顔をほころばせたり。機内で隣り合わせた人と、愛猫がきっかけで楽しいおしゃべりが始まったり。多くの人に愛された猫は、21歳で老衰で旅立ちました。「看取った後はもう二度と猫は飼わないと思っていました」

それでもまた飼いはじめた

女性はフランスに住み続けていましたが、東日本大震災で父が亡くなり、1人になった母を心配して帰国します。

そして、親子2人暮らしになった時、再び、猫を飼うことに決意します。自分自身に大きな病気が見つかったのは、そんな時でした。

治療のため女性は関西に引っ越します。そして、今は猫と「ふたりぐらし」です。

「前の子は私のお母さんのような存在だったけど、今の子は私が母親みたい」

トイレや食事の世話、室内でのイタズラ、前の子とは比べものにならないくらい手がかかるそうですが、猫に振り回される毎日は張り合いもあるそうです。

「病気の再発の可能性と向き合いながらですが、猫のおかげで忙しく楽しく生きています」

社会学者の赤川・東京大教授(愛猫家)からの〝ひと言〟

3匹の愛猫の写真を背景にZoomで取材に応じる赤川学教授
3匹の愛猫の写真を背景にZoomで取材に応じる赤川学教授

猫が小さい時は自分の子ども、成長すると親友だったり恋人だったり、関係が変わる。晩年は自分の老親をみとるような気持ちになります。

寿命が人間より短いだけに、その一生が濃い。場合によっては、自分の人間の親を見送る時よりも悲しいかもしれません。

私がこれまでに看取った猫は2匹。「最初に飼った猫は『にゃんこ先生』というのですが、旅立たれた時は「にゃんこ先生がいないこの世にいても仕方ない」と思うほど深刻なペットロスに落ち込みました。

なぜ猫があなたにとって重要な存在なのか。これはとても哲学的な問いです。

人間によるコントロールが不能な猫と暮らし、時折猫から自分にしか見せないような意外な表情を見せられると、人は自分自身の生にも貴重さを見いだすことができる。

私自身、普段ツンとした態度の愛猫にたまにすり寄られた時は震えるほど感動し、生きるのが楽しくなっています。

犬は散歩やトイレなどの世話が必要で、長時間家にいて面倒を見てくれる存在が必要なケースが多い。それに比べて猫は完全室内飼いが推奨されており、単身者や夫婦共働きでも飼いやすい。猫を飼う人が増えている背景にはそんな事情もあるのでしょう。

猫と人間との関係は、人類史上今が最も深く強くなっており、それは今後も毎年「過去最強」を更新していくかもしれません。

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