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連載

#26 眠れぬ夜のレシピ

冬の果物生まれ変わるジャム、新生活のお守りに #眠れぬ夜のレシピ

心ときめく、冷蔵庫の模様替え

午後さんの漫画「真夜中にジャムを煮る話」より
午後さんの漫画「真夜中にジャムを煮る話」より 出典: 午後さん(@_zengo)のツイッター

春の香りを風の中に感じる季節になりました。冷蔵庫で眠っている冬の果物を生まれ変わらせる「眠れぬ夜のレシピ」。SNS作家・午後さんが新生活の「お守り」にしたいジャム作りを教えてくれました。手紙を添えて、お届けします。(漫画・コラム、午後)

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眠れぬ夜のレシピ

午後さんのプレイリスト


眠れない夜。午後さんの身近にあった音楽を教えてもらいました。
あなたの夜の隙間も、少しでも埋められたら、幸いです。

 

真夜中にジャムを煮る話

午後さんの漫画「真夜中にジャムを煮る話」より
午後さんの漫画「真夜中にジャムを煮る話」より

身近に転がっていた楽しいこと

こんばんは、午後です。

前回は、その季節にちょうど良い話の漫画がなかったので、お休みをいただきました。急なお休みで、ご心配をおかけしてしまっておりましたら、申し訳ありません……今回からまた、よろしくお願いいたします。

さて、長かった冬が終わりを迎え、温かい日差しを感じられる日が増えてきました。

花粉症には毎年悩まされますが、春の到来は嬉しいものです。重く、しんと冷え切っていた空気が、ぬるく、ふわりと軽くなって、つられて気持ちも軽くなります。ソワソワと浮き足立ちます。

春の到来を待ちわびていた虫や、動物や、植物たちの活動エネルギーと連動しているのでしょうか。自分もこの星の、動物の一個体であることを実感させられます。


季節の変わり目の匂いや温度を感じると、同じ季節の半生の記憶が一瞬、走馬灯のように駆け抜けていきます。春は出会いと別れの季節です。あの頃感じた、新しいクラスや、新しい学校生活への不安・期待・緊張を、身体で覚えていて、思い出すのかもしれません。

今回は、そんな季節のジャム作りの話です。毎年冬になると親戚が大量のリンゴ(ダンボール二箱ぶんくらい)を送ってくれるのですが、せっせと食べてもどうしても余ってしまい、冷蔵庫の隅に眠らせてしまいます。

そんなリンゴを春からもらったエネルギーで、ジャムに生まれ変わらせます。

「じっくり」と表現しましたが、これは「時間をかける」というよりも、「ある作業を丁寧に集中して行う」というニュアンスです。作る量によって変わりますが、煮込む時間はリンゴ1個なら15~20分くらい。

こういった経緯で一番作る頻度の高いリンゴのジャムを漫画にしましたが、レシピを作るとき、他の果物でもジャム作りをしました。桃、バナナ、キウイ、ザクロなど……

中でも、キウイはアクが取れて驚くほど食べやすく、美味しく作れました。そのままだとアクが気になってあまり食べないのですが、ジャムはすぐに食べきってしまいました。おすすめです。

バナナジャムは面白い出来になり、キャラメルに近い味になりました。最後にバターを少し混ぜると、より濃厚で美味しくなります。パンにとても合っておすすめです。

ぜひ、お好きな果物で作っていただけたら嬉しいです。普段食べ慣れている果物でも、火を通してアクが取れると、全く違った顔を見せます。店頭では見かけないジャムも、自分でなら作れてしまって楽しいです。

以前色々なジャムを作ったとき、贅沢に全種類のせトーストを作って朝食にしたことを、この文章を書いていて思い出しました。ホテルの朝食バイキングに来たようで、楽しかったです。余裕がなくなると、視野がとても狭くなって見落としてしまうだけで、とても身近に楽しいことが転がっていることを思い出しました。

今度カラフルなサンドイッチを持って、花見に出かけたいなと思います。

それでは、今夜も素敵な夢を見られますように。おやすみなさい。

午後

SNS作家。2020年5月からTwitterに漫画を投稿をしている。著書に「眠れぬ夜はケーキを焼いて」、「眠れぬ夜はケーキを焼いて2」(ともに、KADOKAWA)がある。Twitterアカウントは@_zengo

◇  ◇  ◇

withnewsでは、午後さんがTwitterで発信している漫画とコラムを原則隔週金曜日の夜に配信していきます。

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