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#104 #父親のモヤモヤ

男性部下の育休、賛同したいけど……アンケートで見えた上司の本音

上司たちは部下の育休をどう思っているのか。アンケートで見えた本音とは(写真はイメージです)
上司たちは部下の育休をどう思っているのか。アンケートで見えた本音とは(写真はイメージです) 出典: PIXTA

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#父親のモヤモヤ
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少しずつ増えてきてはいますが、直近でも7.48%(2019年度)と、直近の2019年度でも7.48%と、いまだ低水準の男性育休取得率。その理由の一つに、「育休を取りづらい職場の雰囲気」が挙げられます。それでは、上司たちは部下の育休をどう思っているのか。アンケートをすると、約9割が男性部下の育休取得に前向きながらも、自由記述欄では立場によらず、人手不足に陥る懸念や部下のキャリア、他の従業員への影響を心配する本音が浮かび上がりました。
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20~30代男性の4割「育休希望しない」

内閣府が6月に発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、既婚の20・30代男性の42.2%が、育休取得を希望しないと回答しました。

1カ月以上の育休取得を希望しなかった人たちに理由(複数回答可)を尋ねると、「職場に迷惑をかけたくない」が37.2%でトップとなり、続いて「職場が、男性の育休取得を認めない雰囲気」(32.9%)、「収入が減少してしまう」(29.2%)が上位を占めました。

同僚の男性が育休を取得することへの抵抗感を尋ねた質問では、53.9%が「抵抗感はない」とした一方、「抵抗感がある」が20.8%、「抵抗感が大きい」は9.7%いました。

また、厚生労働省が4月に発表した「職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去5年間に制度を利用しようとした男性労働者の26.2%が「育児休業などに関するハラスメントを経験した」という結果も出ています。ハラスメントを受けた対象(複数回答可)で多かったのが、役員以外の上司(66.4%)、会社の幹部(34.4%)でした。

上司の9割「おおむね賛同」

withnewsでは2021年2月、「Yahoo!ニュース」を通じて、2千人のYahoo!ユーザーを対象に、男性の育休についてアンケートを実施しました。回答者は10代が1%、20代が6%、30代が20%、40代が36%、50代以上が37%となりました。

アンケートで職場・組織に部下がいると答えた1155人に男性部下の育休について尋ねると、おおむね賛同する結果となりました。内容を詳しくみると、「賛成」が43.0%、「どちらかといえば賛成」が44.5%。「どちらかといえば反対」は10.8%で、「反対」が1.6%でした。

 

「賛成・どちらかといえば賛成」と答えた人には理由を三つの選択肢から選んでもらいました。最も多かったのが「男性の子育てが浸透してほしいから」(44.8%)。「権利として当然だから」(40.9%)、「自分はできず後悔したから」(11.7%)が続きました。

設置したコメント欄では、「会社の経営に大きな支障が出ない限りは、できる限り配慮はしたい」「男性にも育児という大変な仕事を理解し、学んでほしい」などという意見が並びました。

 

反対の理由は

「反対・どちらかといえば反対」と答えた人にも三つの選択肢から理由を選んでもらいました。「人繰り・引き継ぎが大変」と人手不足を挙げたのが37.5%と最多でした。続いて、「人が減っても同じ業績を求められる」が33.9%。「自分も育休を取らなかった」が15.1%、「その他」も13.4%いました。

コメント欄では「育休を数カ月取ったところで、これからも子育ては続くので、意味がない」といった声や「家族がサポートしてくれる場合は休む必要がない」「仕事を最優先させるべき」といった声が寄せられました。「会社の体制とか体面的に与えづらい」といった意見もありました。

 

人手不足・職場の雰囲気が……上司の本音は

アンケートでは、賛成・反対を問わず、部下の育休を考えるうえで、どのような悩みや葛藤があるかも自由記述で尋ねました。

多くを占めたのは、人手不足に陥る懸念でした。「部下が育休を取得した場合、その仕事の穴埋めを誰がするか」(どちらかといえば賛成と回答)、「部下しかわからない仕事ができなくなる」(同)、「今のメンバーで精いっぱい。育休中の仕事のアレンジがつらい」(同)などと、欠員による仕事への影響を不安視する意見が相次ぎました。

「業務の引き継ぎがしっかりできていれば育休を取らせてあげたいが、手が回らないし、数カ月だけ新しい人を採るわけにもいかない」(どちらかといえば反対と回答)、「その分の仕事量をこなせる人の補充ができるかどうか。男性の育休については必要だと思う」(賛成と回答)と複雑な胸中を明かした人もいます。

「キャリアに空白ができること」と育休取得者の今後を心配する意見もありました。「同期が同時期に子供ができて、片方は育休中で片方は育休を取らず実績を上げ続けた場合、実績を残した側の立場が強くなりがち」(どちらかといえば賛成と回答)、「育休から戻ってきたときに育休前と同じ業務、立場になれる保証ができない」(どちらかといえば反対と回答)という声も。

アンケートからは、「周りの人に対する影響。やはり負荷がかかってしまうから」(どちらかといえば反対と回答)、「公平性の維持(子供のいない人や制度開始前に子供が生まれた人との)」(反対と回答)と、職場の雰囲気にも気を配っている様子もうかがえました。「自分は賛成だったとしても組織全体の雰囲気や自分よりも上の立場の者が強く反対しているとやはり取りづらい」(どちらかといえば賛成と回答)と育休を希望する部下と無理解な上司の板挟みになっているケースもありました。

組織として、モヤモヤの解消が必要

部下に育休を取らせてあげたい、でも任されている現場を考えると――。アンケートからはそんな上司の葛藤が垣間見えました。NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の代表理事、安藤哲也さんは育休取得率が高い会社について、以前の取材にこう語っています。

「経営陣がしっかりとメッセージを発し、それを理解した管理職がマネジメントをする。しっかり準備をして育休を取る人は、育児を通じて家族の絆を強める。そうすると、仕事へのモチベーションも上がるので、組織にとってもプラスになります」

改正育児・介護休業法が成立し、男性が積極的に育児を担う環境はさらに整備されていきます。その中で、上司のモヤモヤをどう解消していくか。組織の姿勢が問われています。

     ◇

この記事はwithnewsとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。Yahoo!ニュースが実施したアンケートの結果を利用しています。アンケートは全国のYahoo!JAPANユーザーを対象に2021年2月に実施しました。

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