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連載

#3 #自分の名前で生きる

「選択的夫婦別姓」36年前の世論調査では…今は自民支持層も賛成6割

「姓を一つに定めることは社会に定着」最高裁の判断後に逆転した賛否

揺れ動いてきた「選択的夫婦別姓」への世論=イラスト・高田ゆき
揺れ動いてきた「選択的夫婦別姓」への世論=イラスト・高田ゆき 出典: 朝日新聞

目次

選択的夫婦別姓への関心が高まっています。政界や経済界で問題提起の動きが起き、最高裁でも今年、夫婦同姓を定めた民法の規定に対する憲法判断が下される見込みです。世論は、この選択的夫婦別姓をどう見てきたのか。朝日新聞社の全国世論調査をひもとき、意識の変化をたどってみました。(朝日新聞記者・磯部佳孝)

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1985年調査では……

結婚したら、夫婦の名字をどうしたらよいと思いますか――。男女雇用機会均等法が成立した1985年、朝日新聞が全国面接調査でこんな質問をしています。

結果は、「夫の名字を名のる方がよい」が60%と多数派で、「夫も妻も結婚前の名字を名のれる方がよい」はわずか5%。選択的夫婦別姓への理解は、ほとんど広がっていませんでした。

 

揺れ動く法律改正への賛否

夫婦の名字について、民法は750条で「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定しています。実態としては、女性が名字を変えることを強いられています。

選択的夫婦別姓を実現するべきか。世論調査では、この賛否は揺れ動いてきました。

1994年9月面接調査で「法律を改正して、夫婦が同じ名字でも、別々の名字でも、自由に選べるようにすることに賛成ですか」と尋ねると、「賛成」58%、「反対」34%と賛成多数でした。

しかし、1999年3月面接調査で、「夫と妻それぞれが、結婚前の名字を名乗りたいと希望する夫婦がいます。あなたは希望する夫婦には、別々の名字を認めるよう、法律を変えた方がよいと思いますか」と聞くと、「法律を変えた方がよい」39%が、「そうは思わない」53%を下回りました。

この二つの調査の間、1996年2月には、法相の諮問機関「法制審議会」が民法改正案を答申しました。

選択的夫婦別姓を認め、結婚時に子どもの姓をどちらか一つに決めるという案でした。しかし、「家族崩壊につながる」などの反対論が根強く、この案は国会に提出されないまま棚上げ状態が続いていました。

その後、2002年12月面接調査では、選択的夫婦別姓に「賛成」50%が「反対」41%を再び上回りました。

2009年、民主党への政権交代で、法務大臣に就任した千葉景子氏は、民法改正を進める考えを表明しました。2009年10月電話調査では「賛成」48%、「反対」41%という結果でした。

自民支持層も抵抗感なくなった?

国連の女子差別撤廃委員会が2003年以降、夫婦同姓規定の改正を求め続けるなど、国際社会の目が厳しくなるなか、選択的夫婦別姓への抵抗感は徐々に和らいでいきます。とくに、自民支持層で変化が起きました。

以下は、調査手法が異なるので、単純な比較はできませんが、法改正への賛否の推移です。

 
 

最高裁が「家族の姓を一つに定めることは社会に定着しており、合理性がある」として、民法の同姓規定を合憲と判断したのは2015年12月のことでした。

その直後の2016年の郵送調査では、賛否は拮抗しましたが、その後の調査では「賛成」が半数を超え、「反対」を大きく上回っています。

こうした全体の傾向を追いかけるように、反対が根強かった自民支持層でも、2017年郵送調査では「賛成」が「反対」を上回りました。

2020年1月と今年4月の電話調査では、「賛成」が6割を超え、「反対」の3割を大きく上回りました。自民支持層でも、選択的夫婦別姓に対する理解は定着してきた、と言えそうです。

自民党は4月、選択的夫婦別姓制度などについて議論する「氏制度のあり方に関するワーキングチーム」を立ち上げました。党内には、選択的夫婦別姓について推進派と慎重派がそれぞれ議員連盟を発足させるなど、動きを活発化させています。

政権与党である自民党が選択的夫婦別姓にどのような対応をとるのか。自民支持層だけでなく、多くの有権者が注目しています。

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