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連載

#82 ○○の世論

菅さんは、1年だけのピンチヒッター?世論調査が示す長期政権の条件

国民が今、いらだっていること

記者からの取材に臨む菅義偉首相=2021年4月13日午前11時25分、首相官邸、恵原弘太郎撮影
記者からの取材に臨む菅義偉首相=2021年4月13日午前11時25分、首相官邸、恵原弘太郎撮影 出典: 朝日新聞

目次

菅義偉首相の自民党総裁としての任期は、今年9月までです。有権者は、政権発足から半年が過ぎた菅首相に、長期政権を期待しているのでしょうか。それとも――。朝日新聞社の全国電話世論調査から、有権者の思いを探りました。(朝日新聞記者・磯部佳孝)

割れる、仕事ぶりへの評価

菅内閣は、7年8カ月の最長政権を築いた安倍晋三氏の後を継いで、2020年9月16日に発足しました。65%という高い内閣支持率でスタートした菅内閣の発足から半年あまり。4月10、11日に実施した全国世論調査(電話)で、内閣支持率は3月と変わらず40%で、不支持率39%と割れました。

有権者は、菅首相の半年の仕事ぶりをどのように評価しているのでしょうか。4月の世論調査で聞きました。

「大いに」「ある程度」を合わせた「評価する」は48%、「あまり」「まったく」を合わせた「評価しない」は49%に割れました。

2020年12月の調査で「3カ月の仕事ぶり」を聞いた時の結果と比較すると、「評価する」が47%→48%とほぼ横ばい、「評価しない」が51%→49%とやや減っています。

「評価する」48%、「評価しない」49%という微妙な結果には、及第点までは与えられない、という有権者の思いが透けるようです。

年代別にみると、「評価する」は18~29歳が57%、30代が55%と比較的高めでしたが、40代以上では、半数を切りました。

支持政党別では、自民支持層では「評価する」が71%と高く、20年12月の66%と比べても上がりました。一方、無党派層で「評価する」は、37%でした。

 

高まらない長期政権への期待

安倍さんの突然の退陣を受けて登板した菅首相の自民党総裁としての任期は、今年9月末までです。はたして、有権者は菅首相に長期政権を期待しているのでしょうか。これも20年12月調査と同じように、次の質問を聞きました。

 

「任期いっぱい続けてほしい」が最も多く60%。「任期を超えて続けてほしい」16%、「続けてほしくない」19%を大きく上回りました。この傾向は20年12月とほぼ同じでした。

有権者は仕事ぶりに及第点を与えられない以上、任期を超えてまで続けてほしいとは思っていないようです。

自民支持層ではどうでしょうか。

 

「任期いっぱい」は全体を上回る66%で、「任期を超えて」も、全体よりは多いものの26%にとどまりました。この傾向も20年12月とほぼ変わりません。

菅首相の仕事ぶりには及第点を与えている自民支持層も、本格政権を望むほどの期待は高まっていないようです。

カギを握るワクチン接種

携帯電話料金の引き下げや「脱はんこ」など、菅首相肝いりの政策はこの半年で一応の成果を出しているように見えます。

それなのに長期政権への期待が高まらない菅首相にとって、足かせとなっているのが新型コロナ対応です。新型コロナウイルスを巡る政府対応を「評価する」は、21年3月35%→4月29%に下がりました。

菅首相が「希望の光」と位置づける新型コロナウイルスのワクチン接種についても、国民のいらだちは募りつつあります。

 

ワクチンの政府の取り組みを「遅い」76%が「順調だ」17%を大きく上回りました。「菅首相にいつまで首相を続けてほしいと思いますか」との質問に、「任期を超えて続けてほしい」と答えた人では、「順調だ」が33%と全体より高めだったものの、「遅い」も61%にのぼりました。

長期政権を望んでいる人であっても、いまの政府の取り組みが後手に回っていると映っているようです。

「1年だけのピンチヒッターか」

20年9月の自民党総裁選前、出演した日本テレビの番組でキャスターにこう問われた菅さんは、けげんそうな表情を浮かべていました。

世論調査の結果をみるかぎり、この時に指摘されていた「ピンチヒッター」との認識が有権者に広がるなか、菅首相はこうした評判を覆せるのか。そのカギは、ワクチン接種を速やかに国民に行き渡らせ、新型コロナ対応の評価を上げていくことができるのかにかかっていると言えそうです。

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