連載
#60 小さく生まれた赤ちゃんたち
34週1787gの長女を出産 モデル静まなみさん、妊娠中に入院も
夫・武田真治さんにかけられた言葉は
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#60 小さく生まれた赤ちゃんたち
夫・武田真治さんにかけられた言葉は
モデルで歯科衛生士の静(しずか)まなみさん(31)は、2023年、妊娠34週で長女を出産しました。妊娠初期から重いつわりで入院しましたが、つらい日々を夫で俳優の武田真治さん(53)が支えてくれたそうです。2歳になった長女は音楽が大好きで、武田さんのサックスに合わせて体を動かしているといいます。
静さんは、妊娠33週(妊娠9カ月)で突然破水し、34週目に1787gの長女を出産しました。
妊娠22~36週は早産とされ、なかでも34~36週は後期早産とされます。
静さんは妊娠初期からつわりが重く、体重が1週間で4キロ減ってしまうほどだったそうです。
「妊娠7週目くらいにつわりがひどくなり、食事を受け付けられず、徐々に水も飲めなくなっていきました」
病院で検査した結果、即入院となり、仕事を休まざるを得なかったといいます。
「入院中も吐かないようにするため、口から水分や食事は全くとらず、点滴をしながら様子を見ていました」
「テレビやスマホを見ていても、ご飯が映ると気持ち悪くなってしまったり、少し揺れているような画像を見ると酔ってしまったりしていました」
おなかはすくので食事をとろうと試しましたが、少量でも戻してしまい「『食べたらまた吐いてしまうんじゃないか』と気持ちがどんどん弱く、ネガティブになっていました」と振り返ります。
「大げさかもしれませんが、『私、このまま死んでしまうんじゃ……』と考えてしまうほどでした」
病院では医師や看護師がそばにいる安心感はありますが、点滴をしてベッドで横になっているだけでは気持ち悪さだけを考えてしまい、気が紛れない日々だったといいます。
「家では夫としゃべれたり、犬がいたりするので、退院した方が気は楽なのかなと考えていました」
医師に相談し、体調の経過も見て3週間ほどで退院したそうです。
自宅に帰ってからも気持ち悪さが続き、外出はほとんどできず安静にしていました。起きていると体調のことを考えてしまうため、眠っている時間が長かったそうです。
静さんは「夫がいてくれるだけで心強かった」と話します。
夫の武田真治さんは、弱々しくやせた静さんに「本当に無理しないで。まなみちゃん優先で大丈夫だからね」と声をかけてくれたといいます。
妊娠5カ月を過ぎた頃から少しずつ食事や水分を取れるようになってきた静さん。当時食べられたのは、イチゴの練乳がけでした。
医師からは「栄養が足りていないから、食べられるものがあれば何でも食べてください」と言われたそうです。
妊娠後期に入っても体調は万全ではなく、武田さんの仕事も忙しかったため、静さんは里帰り出産の準備をしていました。
妊娠30週頃に都内の病院から地元・群馬の病院に転院。1度受診をして、荷物も実家に送っていたといいます。
その後、体調が少し落ち着いていたため、雑誌の撮影で一時的に帰京しました。しかし、その数日後、妊娠33週で突然破水してしまったそうです。
「その日は家にいました。タイミング良く夫が帰ってきたのでキッチンに行こうかなと立ち上がったら何かが流れ出る感覚があって、これは破水だなと。予兆はなく、突然でした」
「破水したらすぐに生まれるかもしれないと少し不安になりましたが、夫も今の状況が把握できていないようでした。『大丈夫だからね』と励ましてくれたものの、私は『もう仕方ない』と覚悟しました。あとから夫に『まなみちゃんは意外と冷静だった』と言われました」
転院前に受診していた都内の病院で受け入れてもらえることになり、武田さんの運転で病院に向かったといいます。座席にはペットシーツを敷いて対応していたそうです。
病院では、子宮の収縮を抑える薬剤の点滴をして様子を見ることになりました。
「先生からは『おなかの赤ちゃんは元気です』と言われましたが、まだ体重が軽く、肺の機能も未熟だと説明がありました」
病院のベッドで安静にしながら、静さんは「早く赤ちゃんに会いたい気持ちが強かった」と振り返ります。
「私は妊娠期間中がすごくつらかったので、やっと赤ちゃんに会える、つらい状況から解放されるという気持ちもありました」
赤ちゃんが2000gほどに育っているだろうというタイミングを見て、妊娠34週0日に陣痛促進剤を使って出産しました。
当時、武田さんは舞台の大阪公演がありましたが、前日帰京していたため立ち会えたといいます。
「夫は忙しくて眠かったと思いますが、朝6時くらいから一緒に陣痛室に入りました。病院内のコンビニで靴下を買ってきてくれたり、飲み物にストローをさして飲ませてくれたり、私のことを気遣ってくれました」
生まれた赤ちゃんは想定よりも小さく、1787gでした。
「出産自体はすごく順調で、赤ちゃんはすぐ大きな声で泣いてくれました。本当にほっとしたのですが、赤ちゃんの顔を見せてもらったとき、思っていた以上に小さくて顔には血色がなく真っ白。早く産んでしまって、これから大丈夫なのかなという不安な気持ちもありました」
「夫は私に『頑張ったね』と声をかけてくれました。でも娘のことが心配だったようで、周りの先生たちに『こんなに顔が真っ白で大丈夫ですか?』と聞いていました。先生たちは『大丈夫じゃなかったらみんなこんなに冷静ではないですよ』と言ってくれました」
その日は武田さんがNICU(新生児集中治療室)へ面会に行き、長女の写真や動画を撮って、ベッドにいる静さんに報告してくれたそうです。
静さんが長女に会えたのは翌日。NICUで保育器に入っている長女は、前日よりも顔色は良く見えましたが、「腕が折れてしまうのではないかと思うくらい細くて、体の半分以上がおむつに覆われているほど小さかった」といいます。
鼻や体には医療用のチューブがつながっていました。
長女の成長に不安だらけでしたが、医師や看護師に「頑張ってミルクを飲んで体重も少しずつ増えているので、安心して大丈夫ですよ」と声をかけてくれたことが心強かったといいます。
静さんは長女よりも先に退院し、面会に通いました。武田さんも、限られた時間のなかで一緒に長女に会いに行ったといいます。
長女は数日でGCU(新生児回復室)に移りました。武田さんと一緒におむつ替えや沐浴の練習をしたり、搾乳して持っていった母乳を哺乳びんで飲ませたりしていたそうです。
当時はコロナ禍で対面での面会は1週間に数回と限られていたため、病院と自宅をつないでオンラインでの面会もしていました。
静さんは、面会に行くたびにふっくらと成長する長女を見て「私たちは心配しているけど、娘は強いんだなと思いましたし、夫とも『強い子だから大丈夫だね』と話していました」と振り返ります。
会いに行けないときには自宅でベビーベッドなどを組み立てたり、静さん自身の体調を整えたり、赤ちゃんを迎える準備をしていました。
出産から約1カ月後、退院の日には夫と2人で長女を迎えに行きました。体重は2300gまで成長していたといいます。それでも、「正期産(妊娠37~41週)で生まれた子と比べるとまだまだすごく小さく、セレモニードレスがブカブカでした」と話します。
現在2歳になった長女は、保育園や音楽教室に通っています。身長も体重も成長していて、成長曲線の真ん中にいるそうです。
「音楽も好きで、パパのサックスを聞くと喜んでテンションが上がり、一緒に踊っています。パパがテレビに出ているときは指をさして私に教えてくれたり、パパが腹筋をしているときに隣でまねしてみたり、毎日できることが増えていて本当に驚かされています」
武田さんは子どもと遊ぶことが大好きで、休みの日は一緒に公園に行っているそうです。
一時は、「発達がゆっくりでは?」と悩んだ静さんでしたが、「夫や家族に話したり、発達の専門の先生に話を聞いたりして今は不安な気持ちも落ち着いてきています」といいます。
「健康でいてくれることが一番ですが、いろんなことを見て、触れていってもらいたいねと夫婦で話しています。夫が忙しいときは長女と2人で一緒におでかけもしたいですし、成長を見守っていきたいと思います」

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