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#5 withnewsスタッフブログ

数字の表示をやめました withnewsスタッフブログ

2月3日で表示をやめたUBの数字
2月3日で表示をやめたUBの数字

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withnewsは、2月3日から見出しの上にあった数字の表示をやめました。

この数字は何人がその記事を読んだかを示すUB(ユニークブラウザー)を示していました。やめた理由は、一つの指標だけで記事をはかる時代ではなくなったと判断したからです。

記事というのは、その内容や出すタイミングによって、UBに適したもの、PV(ページビュー=人数ではなくクリック数)に適したものなど、SNSのシェアを期待するものなど、様々なゴールがあります。UBが低いからと言って、その記事に価値がないとは言い切れません。しかし、数字が可視化されると、独り歩きしてしまうことが避けられませんでした。

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なぜ数字を?

では、なぜUBを表示してきたかというと、それはwithnewsの生い立ちに関係してきます。

2014年7月に本格ローンチしたwithnewsは、新聞社のニュースが届いていない人との接点を作ることを目的にしたプロジェクトから生まれました。実は、メディアありきで始まったわけではなく、アイデアの中には、プレゼンテーションイベント「TED」のような討論企画から、通販、婚活(!)まで様々なものがありました。

それでも、最終的にメディアを作ることになったのは、2014年の段階でも「新聞社は本気でネットメディアに向き合ってこなかった」という問題意識があったからです。

そのため、退路を断つことにしました。それがUBの表示です。記事には様々な役割があることは2014年の時点でもわかっていましたが、他の無料広告モデルのネットメディアと競争するためには、編集部として、あえて数字に向き合うことにしたのです。

幸い多くのユーザーに支えられ、2020年5月には月間830万UU(1億5300万PV)を達成することができました。

同時に、ネットメディアのモデルとしては課金モデルが広まり、無料広告モデルというwithnewsのスタイルは、新聞社の世界的潮流からすると、むしろ少し古い部類に入るようになりました。

スタート当初のwithnewsのトップ画面=2014年7月
スタート当初のwithnewsのトップ画面=2014年7月

無料広告モデルの大切さ

課金モデルを採用するメディアが増える中で気づいたのが、無料広告メディアの存在意義です。

一般論として、課金モデルは囲い込みに傾きます。これは多様性、分断化という昨今の社会課題を考えると、難しいかじ取りが求められます。会員の満足度を上げるということは、会員になろうと思わない人を遠ざけることにつながりかねないからです。

『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』(東洋経済新報社)の著者、ジェフ・ジャービス氏は、2017年1月にあった「Media×Tech 2017」において、ジャーナリズムをサービスとしてとらえることの重要性を指摘しました。トランプ氏による分断化が問題視されていた当時の状況をとらえ、リベラル系のニューヨーク・タイムズであっても、トランプ氏の支持層が「役立つ」と思う情報を届けないと、分断化が一層進むと警鐘を鳴らしました。

だからこそ、様々な人に接点を作りやすい無料広告モデルが健全に運営されていることが重要だと考えています。

ジェフ・ジャービス氏=2019年1月25日、ニューヨーク
ジェフ・ジャービス氏=2019年1月25日、ニューヨーク 出典: 朝日新聞

多様な人との接点を大事にしたい

無料広告モデルのビジネスもまた進化しています。単純なビュー数に比例したネットワーク広告以外にも、編集記事のスタイルを応用した記事型広告、動画広告、SNS連携、企業がゼロからメディアを立ち上げるオウンドメディアの支援など、メディアの取材編集力をいかせる場所は広がっています。

なので、無料広告モデルでも、落ち着いたメディア運営はできると思っています。

そういった新しい広告には、メディアの特徴や編集方針など単純なビューだけでは測れない要素が求められます。その中で、UBが明示されてしまうと、どうしても、UB向きの記事が増えたり、ユーザーにUBの多い記事が評価が高いと思わせてしまったりしてしまうことが避けられませんでした。

せっかく会員登録を必要としない無料広告モデルによって多様な人との接点を作ろうとしているのに、肝心の記事が、一つの指標の世界に閉じてしまうのはもったいないことです。

一つの指標だけでなく、様々のゴールを、記事ごと、企画ごとに真剣に考えられるメディアにするため、今回、数字の表示をやめることにしました。

今後も、withnewsは、取材リクエストや、普段の生活の中でモヤモヤしていること、ネットの気になる話題を取り上げ、多様な視点や考えを記事にしていきたいと思います。引き続き、お付き合いいただけるとうれしいです。

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