連載
#44 「見た目問題」どう向き合う?
「後ろから石が飛んできた」ブスと見た目問題、中傷の背景にあるもの
容姿にまつわる生きづらさ、どう向き合う?
顔の変形やアザ、マヒ……。特徴的な外見によって、学校や恋愛、就職で苦労することを「見た目問題」といいます。この問題と地続きになっているのが「ブス」という言葉です。他者からの視線や評価によって生きづらさを感じている、という共通点が両者にはあります。容姿にまつわる悩みと、どう向き合えばよいのか? 見た目問題の当事者2人と、外見差別に関心がある作家・山崎ナオコーラさんが、トークイベントで語らいました。(ライター・雁屋優)
2020年11月末、「ブス×見た目問題 生きづらさの正体は?」と題したオンラインイベントが開かれました。出演したのは、この4人です。
山崎ナオコーラさん
作家。42歳。恋愛、結婚、仕事、子育てといった身近な話題について、「常識」や「固定観念」を揺さぶる作品を発表。著書に『ブスの自信の持ち方』『肉体のジェンダーを笑うな』など。
神原由佳さん
ソーシャルワーカー。27歳。生まれつき肌が白く、髪色が金髪のアルビノ。ずっと外見に違和感があったが、少しずつ誇りに思えるようになった。
吉村さやかさん
日本大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員。34歳。小学校1年生のときに円形脱毛症を発症し、全身の体毛が抜ける。髪の毛のない女性の生きづらさをテーマに研究。
岩井建樹記者
朝日新聞。40歳。長男(10)が右顔の表情筋不形成で生まれ、笑うと表情が左右非対称になる。著書に『この顔と生きるということ』。
岩井
「見た目問題」をずっと取材してきて、強く思うことがあります。当事者の特徴的な外見そのものが問題なのではなく、見る側の問題だということです。見る側、つまり社会の側が変われば見た目問題はなくなります。そういう意味では、「見た目問題」は「見る目問題」と言うこともできます。
【外見に症状がある人たちの物語を書籍化!】
アルビノや顔の変形、アザ、マヒ……。外見に症状がある人たちの人生を追いかけた「この顔と生きるということ」。当事者がジロジロ見られ、学校や恋愛、就職で苦労する「見た目問題」を描き、向き合い方を考えます。
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