連載
#1 「きょうも回してる?」
SNSで人気の「餓鬼」、値段以上の質 ガチャガチャメーカーの挑戦
「絶対に売れる。ただ、売れなくてもいい」
通勤や通学、旅行先など、どこに行ってもみかけるガチャガチャ。馴染みのあるスーパーボールや、ポッピンアイの他にも、最近ではSNSで話題になるシリーズも増えています。「丁寧な暮らしをする餓鬼スタンドフィギュア」は、そのユニークさで群を抜いています。いったいどんなコンセプトから生まれたのか……。全国津々浦々を巡り、2日に1度はガチャガチャを回す「ガチャガチャ評論家」のおまつさん(@gashaponmani)が解説します。
小川さんは「初版の注文数が少なくても絶対に売れる」と確信していたので、クオリアの営業には「絶対に売れる。ただ、売れなくてもいい。お客様が、クオリアはが面白いものを作っていると思ってくれればいい」と伝えたそう。
営業には「売れなくてもいい」とは言ったものの、小川さんの「絶対に売れる」という確信は的中。来年3月には、現実に小川さんの見込み通り、再販になる予定です。
そんな餓鬼のガチャガチャは1個300円。ラインナップは、シークレットを含め全7種類で「おにぎりを握る餓鬼」「お弁当を詰める餓鬼」「ぱっちわあくをする餓鬼」「掃除機をかける餓鬼」「コーヒーをたしなむ餓鬼」「水分補給をする餓鬼」「シークレット」。見てわかる通り、ひとつひとつ細部のこだりがみ見られ、芸が細かいです。
一般的にガチャガチャの価格は制作の工程数が多くなればなるほどコストがかかり、価格に反映されます。餓鬼のガチャガチャは実際には1個400円かかるほどのクオリティですが、小川さんは「お客様のお財布事情を考えたら300円。400円のクオリティのガチャガチャを300円で買えるようにする。これがクオリアらしさ」と笑っていました。
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