連載
#2 「きょうも回してる?」
ガチャガチャ評論家は見た 月300種の新商品…「はかない運命」
こだわりと本気度をどれくらい見せられるかが、運命の分かれ目
はじめまして。ガチャガチャ評論家のおまつです。
突然ですが、あなたにお聞きします。「あなたのガチャガチャの記憶は何ですか」
子どもの頃、100円玉を握りしめガチャガチャの売り場に立ち、何が出るかわかないけど、ワクワクする気持ちは誰もが一度は経験したことがあるはずです。この気持ちは子どもから大人まで変わりません。
1960年代、ガチャガチャをする場所は駄菓子屋さんやおもちゃ屋さんだけでした。今ではショッピングモールをはじめ、量販店、スーパーマーケット、駅構内、そして空港など、いたるところでガチャガチャをすることができます。
子どもの特権だったガチャガチャでしたが、いまや売り場で大人が回す姿は当たり前の光景になりました。
ガチャガチャは毎月60タイトル以上、300種類ほどの新商品が誕生します。そのなかで、アニメ、漫画、戦隊もの、映画などが7割以上を占め、その残りがオリジナルのものになります。
他の業界では考えられないほど、商品の回転が早いのです。売れる商品は再販され補充されますが、ほとんどは補充されないまま、そのまま売り切れになるまで放置されるか、売れている商品に切り替わる運命になります。
まさに、ガチャガチャとの出会いは一期一会。ガチャガチャは巡り会いなのです。欲しいと思ったときに回さなかったら、次は売り場に無い可能性が高い。そんな経験をした人は多いはずです。
特に、オリジナルのものはその傾向が強いです。
では、オリジナルのガチャガチャとは何でしょうか。それは、ガチャガチャメーカーが企画を考え商品化するものと、クリエイターと共同して商品化するものなどになります。
だから、マンガやアニメのガチャガチャとは違い露出度が少なく、オリジナルは売り場で初めてお客様と対面します。
初めての出会いで、どれだけのお客様の目に留まりガチャガチャを回してもらえるかが、メーカーにとって重要です。
そのため、オリジナルの商品に対してメーカーのこだわりと本気度をどれくらい見せられるかが、その商品が初版で消えてなくなるのか、それとも再販となって売り場に補充されるかの分かれ目になります。
商品が誕生してはすぐに無くなってしまう儚い運命のオリジナルのガチャガチャ。
この連載では、そんなオリジナルのガチャガチャの魅力をこれから伝えていきます。
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