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「#嵐の日」につぶやかれた「ハートの絵文字」5色の奇跡的な内訳

4万件のツイートからにじみでるファンの愛

国立競技場=2020年1月
国立競技場=2020年1月 出典: 朝日新聞

目次

幅広い世代から絶大な人気を誇り、2020年12月31日での活動休止を発表しているグループ「嵐」。デビュー記念日である11月3日に、事前収録の無観客ライブ「アラフェス 2020 at 国立競技場」を配信しました。ツイッターでは「#嵐の日」が世界トレンド1位にランクインするなど、配信中もネットからファンが盛り上げました。そのつぶやきを分析して見えた、「嵐ファン」の思いとは?

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「#嵐の日」125万ツイート超え

「アラフェス」とは、事前にファンが嵐に歌ってほしい楽曲をリクエストした上で、セットリストが考案されるライブです。通常のライブとは異なる、まさに嵐と嵐のファンのための特別な「祭り」で、開催は7年ぶり。活動休止前の最後の単独公演とみられるため、5人の姿を目に焼き付けようと国内外の多くのファンが配信を見届けました。

英ブランドウォッチ社のソーシャルメディア分析システムを使って、世界トレンド入りも果たした「#嵐の日」の含むツイートを調べると、11月3日の1日で125万件以上(リツイートは除く)。実に27万以上のアカウントが嵐の記念日を祝いました。
 
時間帯別の投稿数を見てみると、最もツイートが多かったのは昼の12時台でした。「アラフェス」の公式タイムテーブルによると、当日は12時よりファンクラブ会員限定の生配信が始まり、直前のワクワク感や始まった喜びを共有するツイートが目立ちます。

リアルタイムに感想を共有することができるのも、ライブ配信の魅力のひとつ。配信中にはメンバーが発した言葉や企画の展開に呼応するように、ファンたちがつぶやき、いいねやリツイートでつながっていきます。

12時台の次にツイートが多かったのが、終演直後の21時台。興奮冷めやらぬ中でのファンクラブの継続の発表などで、ツイッター上で盛り上がりを見せました。

「ハートの絵文字」から見えるファンの愛

当日のツイッターで一大ムーブメントをつくった「#嵐の日」のツイートですが、どのような言葉とともにつぶやかれていたのでしょうか。

ソーシャル分析システムで特徴的な言葉を抜き出すと、「#アラフェス」「#嵐」「楽し」「ありがとう」「すぎ」「#arashi」などの言葉が上位に入りました。
「#嵐の日」とともにつぶやかれていた言葉
「#嵐の日」とともにつぶやかれていた言葉 出典: 英ブランドウォッチ社のソーシャルメディア分析システムより
「楽し」は「楽しみ」「楽しかった」などのツイートから抽出され、「すぎ」が含まれる「笑いすぎ」「かっこよすぎ」「最高すぎ」などの投稿からも、参加したファンの満足度の高さがうかがえます。特に「ありがとう」は、終演直後の21時に急増。この時間帯のツイートの3割以上が、嵐への感謝の気持ちを伝えるものでした。またこれら以外にも、「大宮」「フワ」など、ライブの企画に関連した感想も多くツイートされています。
こうした投稿の中でも、特徴的だったのが「ハートの絵文字」です。ファンの間では嵐のそれぞれのメンバーに、青、紫、緑、黄、赤の「メンバーカラー」と呼ばれる色が定着しており、ライブの服装や日常的に使う小物などに応援しているメンバーの色を取り入れているファンも多いです。SNSでは名前やプロフィールにメンバーカラーのハートの絵文字を使用するなど、ファンの意思表示のひとつのツールとなっています。

例に漏れず、「#嵐の日」のツイートにもたくさんのハートが登場しました。自分が「特に応援しているメンバー」を表現する役割も果たすハートの絵文字ですが、「#嵐の日」とともに5色のハートがつぶやかれた回数は、いずれも約4万回。特定のメンバーだけに偏るということが起こっていません。
ハートの絵文字の例
ハートの絵文字の例
これはコンサートを見ながらツイッターで「実況」できる今回の状況からも、アラフェスを通してメンバーそれぞれに見せ場があり、ツイートをしたくなる活躍をしていたことが挙げられます。また何よりも、この21年間で彼らの魅力がまんべんなくファンに伝わり、メンバー全員を思うファンとの関係が築き上げられていたからこその数字ではないでしょうか。5色のハートを並べたツイートの多さからも、「5人の嵐」を大切にするファンの結束力が感じられました。

延期から無観客ライブへ、オンラインの力

今回アラフェスが行われた国立競技場は、嵐が何度もコンサートを行ってきた象徴的な場所です。本来は5月に観客を入れて開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期に。年末までの「残り時間」が迫る中で発表された開催決定は、ファン悲願のものでした。

ファンにとって、応援するアーティストと同じ空間で時を過ごせるコンサートがあることは、明日の生活を乗り越えるための活力になります。ウイルス禍によって失われてしまったその感動は、簡単に埋め合わせられるものではありません。
「#嵐の日」「いつか」とともにツイートされた言葉。「会える」「再会」「5人」「国立」など、未来への期待も込められている
「#嵐の日」「いつか」とともにツイートされた言葉。「会える」「再会」「5人」「国立」など、未来への期待も込められている 出典: 英ブランドウォッチ社のソーシャルメディア分析システムより
しかし、ツイッターで見えた今回のアラフェスの盛り上がりは、ライブ配信だからこその力を発揮していました。海外からのつぶやきも多く、国内でも遠方に住んでいたため「オンラインだから参加できた」というツイートもあり、会場の規模にとらわれず、門戸を大きく広げることになりました。たくさんの人が同じ時を過ごし、心を動かしたという実感は、投稿の総数が物語っています。

当日の映像がリピート配信されることも決まった「アラフェス 2020 at 国立競技場」。これからもファンたちの感動は、ツイッターでも冷めず広がっていくことでしょう。
【#ゆるテック】
この企画は朝日新聞社の技術部門・情報技術本部の研究開発チーム「ICTRAD(アイシートラッド)」を中心に、最新技術やデータを最近の出来事や身近な話題と組み合わせて紹介する連載です。
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