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みたらし団子のファットキャットに世界が悶絶 投稿主の正体は…
「食べられないよぉ!!」
お皿にのった、まるまるとした3匹のねこたち。ほっぺを触ると、ぷにぷに。癒やされる姿を、「みたらし団子」で見事に再現した写真が、ツイッターで話題になっています。投稿した人に連絡を取ってみたところ、思わぬ場所につながりました。
ファットキャットのみたらし団子作ってみました🐾 #FF14 pic.twitter.com/iVY0xUhmOE
— チア🐻Chia (@EverydayBewear) August 21, 2020
投稿には、失敗してしまったという「初代」ファットキャットなど、完成度を高める過程も紹介されています。
みたらし団子のとろりとした雰囲気と、団子ならではのぷにぷに感が、キャラクターに見事にマッチしていて、「かわいすぎる」「癒やされました」と絶賛する声が上がりました。また、あまりのかわいさに「食べられないよぉ」と悶絶する反応もあり、反響は日本だけでなく、海外からも寄せられ、いいねが10万件以上も集まっています。
ぷにぷに pic.twitter.com/yZtWgR04Ld
— チア🐻Chia (@EverydayBewear) August 21, 2020
投稿したチアさんにインタビューを申し込んだところ、驚きの返事がありました。
「簡単な日本語はできますが、インタビュー出来るほど得意ではありません」
投稿の様子から、日本にいる人だとばかり思っていた記者は驚きました。聞いたところ、チアさんは北京出身の25歳。そして、いまはオーストラリアの最南端に位置するタスマニア州の州都ホバートに留学中とのこと。
まさかの南半球からの投稿でした。取材しながら思わず気温を調べてしまいました。現在、7度。極寒です。
チアさんからの提案で、中国の無料メッセージアプリ微信(WeChat)でお話を聞きました。記者が日本語で質問すると、チアさんの中国にいる日本語が得意な友人が通訳して、オーストラリアのチアさんが回答するという、予想外のワールドワイドなインタビューになりました。
チアさんは今、オーストラリアで、料理や栄養について研究する食品科学を専攻する傍ら、通訳や写真撮影の仕事をしているそうです。
「子どものときからずっと日本の文化に興味がありました。今も日本のアニメやゲーム、和食(特にお菓子)が大好きです」
ツイッターを始めたのは、日本人で同じ趣味を持っている人を探したかったからだったといいます。
チアさんが、かわいすぎる「作品」を知ったのも、ツイッターからでした。
「2017年末に、ツイッターでポケモンのキャラクターを再現した料理やデザートの作品を見ました。それで、オーストラリアにあるゲームショップでポケモンの料理本『The Pokemon Cook Book』を買って、自分でも作ってみたんです」
特に料理を飾り付けるテクニックを「ポケモン料理本」から学びました。様々な菓子作りの専門書を買って勉強し、YouTubeの料理動画も参考にしながら、料理の腕を磨いたそうです。
表現力がつくと、ポケモンシリーズ以外にも、ゼルダの伝説やFF14などのテーマに挑戦し始めました。
作品を作ると、中国版ツイッターweibo(微博)に投稿しました。
でも、日本のゲームのキャラクターがメインだったので、「日本の人にも知ってもらいたい」と、ツイッターに日本語でも投稿することにしました。とはいえ、日本語はまだまだ勉強中。複雑な説明は友達に日本語訳を依頼してコメントをする徹底ぶりでした。
その努力もあり、今や日本を中心に1.2万人のフォロアーがいるチアさん。数々の投稿が、日本だけでなく世界中から反響を集めています。
どんな風に作品を完成させているのでしょうか。
「今回のファットキャットは、白くて丸い感じが『お団子に似てるなぁ』と思ったんです。褐色と黒色のソースで、かわいい三毛猫っぽさを再現しました」
でも、みたらし団子って日本にしかないですよね? どこで知ったんでしょうか。
「中国でも一部の日本料理屋にはあるかもしれませんが、私は、日本に旅行に行った時に、みたらし団子を買ったことがあるんです。みたらし団子、好きです!」
旅行で知っただけのお菓子を、キャラクターとマッチさせるなんて、発想力に驚かされます。
この着想から完成まで、わずか2日間でした。
「制作は半日。1回目は顔の比率がうまくいかなくて、2回目に完成しました。自分が思っていた以上にかわいくできました」
これまで何度も「団子」作品に挑戦していたからこその、手際だったといいます。
ファットキャットには、それ以外にも、特別な思いを込めました。
「FF14は私の大好きなゲームです。世界中にファンが多くて、私は大切な人とFF14のおかげで知り合うことができました。彼氏ともFF14で出会いました。FF14をモチーフにした作品を作ることは、私にとって特別な意味があることなんです」
ファットキャットのみたらし団子は、「かわいすぎて、食べられない!」という絶叫に近い称賛が世界各地から届きましたが、チアさんはおいしく頂きました、と言います。
彼氏と一緒に食べたのだろうかと想像しましたが、「残念ながら、彼氏は中国の武漢にいます。コロナのせいでもう半年以上、会っていません(涙)」。甘くてほろ苦いみたらし団子は、一人で食べたそうです。
コロナのせいで、海外に留学している人は、母国の友人や家族とも会えない日々が続いています。それでも、SNSを通して、世界中の人とつながりを持っています。
チアさんに、最後に夢を聞くと、「大きな質問ですね。少し考える時間を頂いて良いですか?」と言って、5分後、こんなメッセージが届きました。
「将来は、自分が作ったスイーツなどを紹介する美食系YouTuberになりたいです。美食は国境を越えると思っています。もっと大きな夢を言えば、美食で世界を平和にしたいですね」
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