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#46 ○○の世論

ビッグデータ活用、抵抗感ない人の特徴 ネット活用と内閣支持率

プライバシー提供に「前向き」な人たち

電柱に設置された防犯カメラ=2020年3月5日、山梨県富士吉田市、河合博司撮影
電柱に設置された防犯カメラ=2020年3月5日、山梨県富士吉田市、河合博司撮影 出典: 朝日新聞

目次

新型コロナウイルス禍で、さらに注目が集まるビッグデータ。買い物履歴や位置情報の分析などの活用が進むなか、世論調査で人々の意識を探ると、プライバシー侵害への抵抗感が根強いことが浮かび上がりました。(朝日新聞記者・植木映子)

プライバシー侵害への不安は根強い

個人の位置情報や行動履歴などの「ビッグデータ」を活用する動きが、世界で加速しています。

そのビッグデータ活用の重要なカギとなるプライバシーの保護について、日本人はどんな意識を持っているのでしょうか。

朝日新聞社が3月上旬から4月中旬にかけて郵送で行った世論調査で、ビッグデータを活用した社会でプライバシーが侵害される不安を感じるかを聞くと、「感じる」73%が「感じない」23%を大きく上回りました。

また、テロ対策や、信用評価などの事例についてどの程度抵抗を感じるかを尋ねると、総じて抵抗感が高い結果となりました。

【ビッグデータを活用した以下の国内外の事例について、あなたはどの程度抵抗がありますか】
*その他・答えないは省略。「抵抗がある」は「大いに」と「ある程度」の合計。「抵抗はない」は「あまり」と「まったく」の合計

【A】インターネットの閲覧履歴に関連した広告が表示される=抵抗がある(74%)/抵抗はない(22%)
【B】インターネットショッピングの利用状況をもとに妊娠していると推測され、関連商品のクーポンが送られてくる=抵抗がある(76%)/抵抗はない(18%)
【C】テロ対策を理由に、防犯カメラの映像や通話内容を収集される=抵抗がある(71%)/抵抗はない(26%)
【D】人間に代わって、AI(人工知能)に勤務実績などをもとに人事評価をされる=抵抗がある(79%)/抵抗はない(17%)
【E】自分の収入や価値観、性格などをもとにAIに結婚相手を見つけてもらう=抵抗がある(75%)/抵抗はない(19%)
【F】インターネットの閲覧履歴などをもとにローンの利用限度額や金利を決められる=抵抗がある(79%)/抵抗はない(16%)
*調査方法=全国の有権者から3千人を選び、3月4日に調査票を発送。4月13日までの回収率は68%

 
防犯カメラ=2019年7月12日、加古川市
防犯カメラ=2019年7月12日、加古川市 出典: 朝日新聞

ネットニュースを参考にしている人にある傾向

今回の調査結果を、インターネットや新聞など、どのメディアを主に参考にしているかをもとに分析すると、ある傾向が浮かびました。

調査では、政治や社会の出来事についての情報を得るとき、参考にするメディアを新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネットのニュースサイト、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの六つの選択肢から複数回答で選んでもらっています。

「ニュースサイト」や「SNS」だけを参考にしている人(全体の7%。以下「ネット限定層」とする)に着目すると、ネット限定層では、ビッグデータの活用に抵抗感が弱い傾向がありました。

全体と比べて、ネット限定層の「抵抗がある」人の割合が特に低かったのは、「テロ対策のための収集」58%(全体71%)、「ネット買い物の関連クーポン送付」63%(同76%)、「AI人事評価」66%(同79%)でした。

 

政府への信頼度も影響?

また、安倍内閣を支持するかどうかでも、抵抗感に差が現れる項目がありました。

最も違いがあったのは、「テロ対策のための情報収集」です。内閣支持層は「抵抗がある」が63%(全体71%)、「抵抗はない」33%(同26%)、不支持層では「抵抗がある」77%、「抵抗はない」20%でした。

 

ネット限定層は、そもそも内閣支持率が51%で、全体の42%より高く、過去の調査でも同様に支持率が高い傾向が出ています。

ビッグデータの活用について言えば、ふだんからネットをよく利用している人たちは、ターゲット広告やクーポン送付などに慣れているため、抵抗感をあまり感じないのかもしれません。

またテロ対策については、ビッグデータを活用する政府側を信頼しているかどうかによって、抵抗感に影響が出ていると言えそうです。

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