自虐ポスターで話題「お願いします 助けてください」
商店街で働く人たちが笑顔で写っているポスターには、「元気です!空元気です!お客様来ないからもう笑うしかありません!ワッハッハー!」と振り切ったコピーが躍り、その下には「お願いします 助けてください」という切実な文字も並びます。


暗いニュースが続く中で「明るい気持ちに」
「状況を見ても、すぐにまた旅行ができるようになるとも考えられませんでした。であれば、旅行ができるようになった時に旅先に選んでもらえるようにしよう、と『小樽という街を忘れないでほしい』という思いから始めました」
そう語るのは、商店街の事業推進マネージャー・坂口武(あと)さんです。「当時は暗い出来事ばかりだったので、明るい気持ちになれるニュースを流したかった」という思いもあり、他の地域が取り組む「自虐ポスター」に着想を得て、お客さんがいないことを逆手に取るポスター制作を始めました。

ポスター制作で「商店街にも一体感」
それから、商店街の人たちに声をかけ、さまざまな写真を撮っていきました。コピーを決めて撮影に臨むものもあれば、写真が先行するときも。「マジでタイヘンジャー」のポスターは、撮影の時はコピーもまだ決めていなかったそうです。撮影してから、みんなで意見を出し合いながらポスターを完成させました。

「お店にお客さんが来ないと、どんどん雰囲気も暗くなっていってしまいます。でも、知っている人がポスターに写っていると『あんた出てたね』と会話の種になります。みんなで作ったことで、商店街の一体感や連帯感が生まれている気がします」
当初は撮影に受動的だった人たちも、最近では「こうしたい」という要望も増えてきたようです。坂口さんは「自分事としてとらえてもらえているようでうれしい」と語ります。
厳しい観光業界「まずは小樽を知って」
ポスターがツイッターで話題になったことについて「非常にありがたい」という坂口さん。
「大変なのは僕らの商店街だけではなく、小樽も北海道全体も厳しい状況です。足を運んでもらうことで、空港のある新千歳や周辺の地域など、観光業界を盛り上げることにもつながると思っています。まずは小樽という名前が全国のみなさんに知ってもらえたらうれしいです」