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連載

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#15 漫画「あなたそれでも教師ですか」

部活に入れ込み離婚危機…先輩を見て戸惑う新米教師、マンガで描く

「今のばしてあげないで、いつやるんですか」

「あなたそれでも教師ですか」部活動編
「あなたそれでも教師ですか」部活動編

目次

画家になる夢を持ちつつ教職に就く主人公・「新米くん」が、勤務先の高校での生活を通じて成長していく姿を描くマンガ「あなたそれでも教師ですか」。新米くんの同僚でバレー部顧問の向井先生は、私生活をなげうってでも部活に全力を尽くす先生です。そんな向井先生の姿を見た新米くんは戸惑います。新シリーズ「部活動編」では、忙しすぎる教員の問題に戸惑う新米くんの姿を描きます。作者でインスタグラムを中心に作品を発表している、イラストレーターのしろやぎ秋吾さん(@ siroyagishugo)に、このシリーズを描き始めた理由を聞きました。

朝練後の職員室、すでに疲れている先生

「お金のため」と割り切って美術科の講師となった新米くんの同僚・向井先生は、男子バレー部の顧問です。

朝練を終え、ジャージー姿で職員室の扉を開けますが、朝礼の段階ですでに疲れています。

他の先生たちから「おはようございます」とあいさつを受ける中、「おくれてすみません」と返す向井先生。
隣の席の先生からは、「毎日朝練がんばりますねー」とねぎらう声がかけられます。

生徒を思う向井先生、でも家庭は

朝練が終わり、席についた向井先生を隣の先生は心配します。
「バレー部、土日も休み無しでやってて、奥さんうるさいんじゃない?赤ちゃんも小さいんでしょ?」
向井先生、部活動の指導にはかなり力を入れているようです。

そこで向井先生、まさかの告白をします。
「実は…離婚届突きつけられちゃいました…」
これには隣の先生も「ええ!!大丈夫!?」と驚きます。

ただ、向井先生の心は完全に生徒たちの方に向いているようで…。
「いいんです。今が大事な時期なんですよ」
「最近やっと生徒たちも保護者もボクのことを信頼してくれるようになってきたんです」

向井先生、部活指導と引き換えの家庭不和を受け入れていいのか…いいんだろうか…。
「生徒も保護者も信頼してくれるようになってきた」の言葉がずしんと重く響きます。

向井先生は続けます。
「それにみんな確実に成長している。今のばしてあげないで、いつやるんですか」

この言葉を聞いた隣の席の先生は「向井先生…」と、下唇をかみしめ、涙を浮かべ感極まった表情です。

言葉を失う新米くん

二人の会話はさらにヒートアップし、向井先生は「嫁さんに理解してもらえないというなら、それまでだったということですよ」と断言してしまいます。
それを聞いた隣の先生は「感動した!!あんたすげえよ!」。

そんな二人のやりとりを見つめていた新米くんは青ざめ、言葉を失っています。
「きょーしのかがみ!」と向井先生を褒め称える先生もいる中、こうつぶやきます。

「おれは絶対に…こうはなりたくない…!!」

きっかけは「ブラック部活のこと描いてよ」

教員の忙しさについては2017年、公立小中学校の教員は平均で1日11時間以上働き、小学校で3割、中学校で6割の教員が「過労死ライン」とされる「残業が月80時間」を超える実態が分かりました(文部科学省が発表した「教員勤務実態調査」より)。

生徒を思うが故に私生活を犠牲にする先生、保護者からの期待に応えようと無理をしてしまう先生――。これまで新聞などでも、先生に課された業務の多さについて指摘する報道が多くなされてきました。
多すぎる業務を先生たち自身はどのように感じているのか。教師として働く知人もいるという作者のしろやぎさんに、「部活動編」を描いた経緯を聞きました。

 【しろやぎさんコメント】
部活動編は、教師をしている知人の1人から「ブラック部活動のこと描いてよ」と言われたのがきっかけで始めてみました。
お金のために働く新米くんは部活動にやりがいを見つけることができるでしょうか。
それとも向井先生のように「やりがい搾取」されてしまうのでしょうか。
はたまた、こんなボランティアやってられるかと投げ出してしまうのでしょうか。

僕自身、新米くんがどんな道を選んでいくのか、悩みながら書き進めています。

【次回予告】
部活指導に力を入れる向井先生に戸惑う新米くんですが、新米くん自身は部活指導にどんな思いをいただいているのでしょうか。学生時代、教授と交わした会話の中では良いイメージがあったようですが――。

          ◇
withnewsでは、しろやぎさんの「あなたそれでも教師ですか」を毎週日曜日に配信予定です。新米くんを軸とした教育現場を描いていきます。

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