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withコロナの観光こそ「聖地巡礼」を ニッチな場所で三密回避
オススメの聖地を紹介します。
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オススメの聖地を紹介します。
ついに解禁となった全国移動。各地のテーマパークも新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、再開しています。そんな中、アニメやマンガの舞台を旅する「聖地巡礼」は、withコロナに適した“新しい観光様式”になるかもしれません。
6月19日、新型コロナウイルスで自粛が求められていた、都道府県をまたいだ全国の移動が、ついに解禁となりました。
しかしながら、これでコロナ禍以前に戻ったかというと全くそうではなく、公共の場でのマスク着用は求められていますし、ソーシャルディスタンスを維持する努力も必要となっています。
また、「三密」を避けた行動は念頭に置かれているため、移動の自粛こそなくなったものの、団体旅行のような大々的な観光ツアーなどは復活していないのが現状です。
ディズニーランドやディズニーシーは、7月1日にようやく営業を再開。大阪のユニバーサルスタジオジャパンは営業再開後、居住地などで入場を制限していたが、20日から来場対象者を全国に広げる。
他県に観光に出かけるとしても、1人や少人数のグループでの行動が当面の間基本になることは間違いありません。また訪れる先も、人が密集しそうな著名な観光地は避けたほうが賢明と考えられます。
こういう意味では、アニメやマンガの舞台を旅する「聖地巡礼」は、今後の一つのトレンドになるかもしれません。元から観光ツアーが組まれることが少なく、基本的に個々人のプランニングによって少数で観光がなされるものだからです。
観光地となる場所も、地元民でも「なんでこんな場所が!?」と思う場所も少なくなく、「ニッチ」な場所ばかりです。「三密」を回避し、「新しい生活様式」にものっとった、観光のあり方の一つとも言えるかもしれません。
では、例えばどんな「聖地」が観光地として良さそうでしょうか。まず、関東近郊で近年にぎわっている「聖地」は、「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台となた静岡県沼津市、「ガールズ&パンツァー」の茨城県大洗町、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの埼玉県秩父市があります。
どこも東京から電車で片道2~3時間程度で行くことができ、日帰りも可能です。中でも大洗は「サーファーの聖地」としても知られ、茨城県では屈指の観光地となっています。ところが今年は海水浴場の設置を見送っており、観光客数の減少は必至とみられています。
西日本では、「からかい上手の高木さん」の舞台となった香川県小豆島にある土庄町、「結城友奈は勇者である」シリーズの舞台となった、同じく香川県の観音寺市があります。「ゾンビランドサガ」の舞台・佐賀県は、唐津市を中心に県全域がいまホットな「聖地」と言えます。
3作品いずれもまだ漫画やゲームといったメディア展開が続けられており、更なるアニメ化も期待されます。特に「ゾンビランドサガ」では時期未定ですが、2期のアニメ放送も予定されています。今後注目の「聖地」の一つとも言えるでしょう。
8月上旬からは、国内旅行の振興を促す政府主導の事業「Go To キャンペーン」が始まる予定です。クーポンなどを通じて宿泊費や旅行先の飲食費や土産物代、現地の移動の交通費を助成するものです。その金額も、日帰りの場合は1人最大1万円。宿泊を伴う場合は、1人1泊当たり2万円が上限となっています。
特に西日本の場合、大都市圏から離れたところに作品の舞台がある場合も多いですが、こうした制度を活かすことで、普段よりも割安に探訪することが可能になると思われます。
もちろん、ここで挙げた地域や作品は、数ある舞台の中でもほんの数例にしか過ぎません。7月以降に放送されるアニメで、新たな「聖地」が誕生することも考えられます。また、作品自体は最近でなくとも、なかなか行くに行けなかった舞台があるという人もいるかもしれません。
「聖地巡礼」は、有名テーマパークや、大河ドラマの舞台にもなるような歴史ある施設を訪れる観光と比べてしまうと、どうしてもニッチさがあり、「王道」からは外れた観光様式だとは思います。
しかし観光客を受け入れる側の目線で見れば、「聖地巡礼」はテーマパークや記念館のような施設を新たに作る必要がないのが特徴です。その土地の歴史や地場産業にもあまり縛られることがなく、何より低コストで展開することが可能なため、新たな地方創生の手法として注目されてきた経緯があります。
「聖地巡礼」はそんな性質を持つものだからこそ、withコロナに適した“新しい観光様式”ではないかと考えます。
河嶌 太郎
「聖地巡礼」と呼ばれるアニメなどのコンテンツを用いた地域振興事例の研究に学生時代から携わり、10以上の媒体で記事を執筆する。「聖地巡礼」に関する情報は「Yahoo!ニュース個人」でも発信中。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。
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