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#34 ○○の世論

コロナの生活不安、いつ感じた? 潮目を変えた「決定的な出来事」

外出自粛だけじゃなかったストレスの原因

大型ビジョンには緊急事態宣言の解除を発表する安倍晋三首相が映し出された=2020年5月25日、東京都新宿区、加藤諒撮影
大型ビジョンには緊急事態宣言の解除を発表する安倍晋三首相が映し出された=2020年5月25日、東京都新宿区、加藤諒撮影 出典: 朝日新聞

目次

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、営業を再開する店舗も増えて街中に少しずつ活気が戻ってきました。約1カ月半にわたる緊急事態宣言下の生活は、人々の暮らし向きの「景況感」にどのような影響を与えてきたのでしょうか。3月から5月の世論調査の結果を分析してみました。(朝日新聞記者・四登敬)

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生活不安「感じる」逆転した時期

暮らし向きの不安については、3月から3回の調査で同じ質問をしています。

3月調査を実施したのは、緊急事態宣言が出る前、東京五輪の延期も決まっていなかった時期です。その時は、生活不安を「感じない」が52%と、「感じる」をやや上回りました。

緊急事態宣言が全国に拡大した直後の4月調査では逆転し、6割近くが不安を「感じる」と答えています。

5月調査の時点では、首都圏と北海道を除いて宣言は解除されていましたが、4月とほぼ同じ結果で、6割が生活不安を「感じる」と答えました。

 

一番不安を感じた層

5月調査の結果を詳しくみてみます。

男女別にみると、不安を「感じる」のは、男性が60%、女性が58%と大きな差はありません。年代別では、大きな特徴が出ています。

働き盛りで、子育て世代でもある40代の不安が顕著で、68%が生活不安を「感じる」と答えました。前後の30代、50代と合わせて中堅層の6割以上が、コロナによる収入減などで暮らし向きが悪化する不安を感じていることが分かります。3月、4月調査でも、30~50代の「感じる」は、他の世代より高めでした。

職業別にみると、製造・サービス従事者層の66%が「感じる」と答えました。休業要請の影響でしょうか自営業者層も65%と高めです。

 

外出自粛だけじゃないストレスの要因

5月調査の結果をみると、暮らし向きの不安を「感じる」人の方が、自粛にストレスを「感じる」傾向が出ました。

調査時点で緊急事態宣言が続いていた東京など5都道県では56%、すでに解除されていた42府県でも半数前後がストレスを「感じる」と答えました。

なかでも、生活不安を「感じる」人の61%が自粛に「ストレスを感じる」と答えています。生活不安を「感じない」人の38%と大きな差が出ました。同じ傾向は3月、4月の調査の結果からも出ています。

ストレスは、家にこもり続ける精神的なものだけでなく、経済的な側面も大きいようです。

 

5月調査で「経済的な打撃を受けた人や企業に対する政府の支援策を評価しますか」と聞いたところ、「評価する」は32%にとどまり、57%が「評価しない」と答えました。

この調査の後に、2次補正予算案が閣議決定され、安倍首相が「世界最大の対策」と誇る経済対策のメニューがまとまりました。コロナで収入が大きく減った中小企業や、仕事を失った人などへの支援策が有効に機能し、「生活が苦しくなる不安」は減っていくのか、今後の世論調査で見守っていきたいと思っています。

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