お金と仕事
もしかしたら今後の主流に? 制約からの解放、場所を問わずに結婚式
一度はキャンセル、それでも…
新型コロナウイルスが各所に影を落とす中、結婚式を決行した2人がいます。従来のように1カ所に全員で集まって祝うスタイルではなく、オンラインでの結婚式。参列者にとっては時間とお金の制約も少なくなり、式をする側にとっては誰を呼ぶかといった悩みから解放される、今後の主流になりうる式を取材しました。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼)
(2021年6月3日追記)
準備を進める新郎新婦が式に対して前向きになれるきっかけを作ろうと、トキハナを運営する「リクシィ」は6月5日~30日、結婚式の意義を発信する業界を横断したイベント「#結婚式でつながろう」を開催します。
ハッシュタグ「#結婚式でつながろう」を用いて、「結婚式をやろうとしている事実」などをSNS上で集め、不安を抱える新郎新婦が発信しやすくなる環境作りを目指します。また、すでに結婚式を終えた人々が、これから結婚式をする人々に送る応援メッセージも集めるといいます。メッセージの応募方法などは、以下のURLで紹介しています。
(2020年8月4日追記)
リクシィが運営する結婚式の情報サイト「トキハナ」は、「感染症拡大時には日程変更料を免除する」などといった契約内容を、式場⾒学の前に把握できる環境を整えると、8月4日に発表しました。対象は、参画している347社になります。
また、8月6日午後7時からは、提携する全国の式場と協⼒し、コロナ禍の結婚式の現状が分かるイベント「オンラインフェス」をYouTube内のトキハナチャンネルで開きます。
2人は東京都内に住む富田竜介さん(26)と香菜子さん(25)。ハワイでのフォトウェディングを5月に予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で、泣く泣くキャンセルにしたといいます。
そのタイミングで、竜介さんが以前勤めていた会社「リクシィ」が実施を予定していたオンライン結婚式の存在を知り、すぐに2人でやってみようと決めました。
5月24日。東京・新宿のスタジオで、着飾った2人の周りをカメラや音響のスタッフたちが、お互いに距離をとりながら囲みます。撮影された映像は、動画配信サイト「Vimeo」を使って、ライブ配信されました。海外をイメージした風景など、CGで様々な映像を背景に流しながら、式は進んで行きました。
ただ一方的に配信するだけでなく、友人といった参列者とはウェブ会議システム「Zoom」で会場とつなぎ、お祝いのメッセージも。参列者は「投げ銭」をすることもできました。料理も引き出物もないため、主催する側も参列する側も負担を減らすことができます。費用も50万~150万円ほどに抑えられるそうです。
富田さんは「自粛ムードの中、結婚式をやっていいのかな、と不安な気持ちがありました。ですが、たくさんの方々がサポートしてくださり、終わってからも充実感でいっぱいで、結婚式っていいなあと思いました」と感想を寄せてくれました。
取材した以外にも、場所の制約を受けることのない新たなスタイルの結婚式は各地で開かれています。平均して300万円以上かかるとも言われる従来の結婚式よりも、負担は少なく済みます。演出や進め方も柔軟にでき、席数の関係で参列者をどうするかといった悩みもありません。これまでの概念とは違った結婚式が今後、広まっていくかもしれません。
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