はい!ラッシュ #リモートワーク #漫画が読めるハッシュタグ #漫画 pic.twitter.com/1STnh1RTMk
— シカ🛰(マエムキ・スズ太郎) (@mae_mukitarou) April 22, 2020
マエムキ・スズ太郎さんの「はい!ラッシュ」
漫画「はい!ラッシュ」の主人公は、天乃雀美(あまの・じゃくみ)。職場が在宅勤務になり、業務は上司が朝送る、LINEでの連絡で始まることになりました。
「おはようございます。業務を開始します」

「はい!」
「はい!」
「はい!」
……
上司のLINEに対し、同僚たちがまるで「自分は勤務を始めています」と高らかに宣言するかのように、返信していく「ラッシュ」です。似たような文言が間髪入れずに大量に流れてきて、かつ「!」を多用する返信に違和感を持つ天乃雀美。

「どうしてみんなビックリマークつけて返信してるの!? なんかすごい『一生懸命やります!』感出てない…!? ホントはみんな仕事したくないはずだよね!?」

みんなと同じ返信は嫌、でもそれがいけなかった
気にしなければいいのはわかっていても、どうしても同じように返信をしたくない「あまのじゃく」な気持ちがふくらんでいきます。
自分だけ「!」をつけずに返信すると、テンションが低いように思われるのでは? でも、早く返信しないどサボッていると思われるかも……。

「これなら仕事に対してやる気のない気持ちに噓をつかずに返信できる」
返信の流れから間をあけないように、急いでスタンプを選びます。「これでいいや!」と選んだのは、「オーケイ!」の札を持つ、デフォルトのウサギのスタンプ。がしかし――。
「あっ――……」

「なんでお前隣にいんの……」
小さな「あまのじゃく」な気持ちが、自分の首をしめることになったのでした。
上司からの連絡の「見てるぞ」感
スズ太郎さんは5年ほど前から、漫画家のアシスタントとして働いています。これまで仕事場に集まって作業していたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅勤務をすることになりました。その業務開始連絡がまさに、上司からのLINEでの連絡なのだといいます。
これまでやってこなかった連絡の運用に、気持ちが引き締まる一方、「上司からの連絡に監視の目というか、『見てるぞ』っていう圧を感じますね」。そんな感覚からも、スズ太郎さんの小さな「あまのじゃく」な気持ちが顔を出します。
「子どもの頃に、母親に『宿題やったの?』と言われると、やろうと思っていたのにやりたくなくなる。あの気持ちに近い気がします」

そして同僚からの返信のラッシュ。「了解です!」「了解しました!」など、ちょっとずつ変えているけど同じような文言の連続に、「センスが問われている気持ちになります」。しかも、返信は時間の勝負。「ちょっとでも返信が遅れると、なんだか遅刻した感じになりますよね」
実際には、同僚と同じように返信しているそうですが、「もしも違う行動をしたらどうなるんだろう」と思い、今回の漫画を描いたといいます。
「なぜ意味合いが違うスタンプが隣同士に」
スタンプの押し間違いについても、まさに同じ失敗をしたことがあるそうです。これは仕事のシーンではなかったため、事なきを得たそうですが、「なぜ意味合いが全然違うスタンプが隣同士にあるのか」と疑問に思ったといいます。

ちなみにほのかに心配になるのが、今回の漫画を描いたことによる職場の人間関係への影響ですが、「全然問題ないです」と笑うスズ太郎さん。「このマンガで描いたのは『やりたくないけど仕方なくやっている仕事』のイメージです。僕が実際にしている仕事は『やりたくてやっている仕事』なので、楽しくやっています」
在宅勤務になって通勤がなくなった分、自分の時間が増えたといいますが、「自分の体形をキープしていたのが通勤だったのだと実感しています……」。また、職場での雑談が息抜きやアイディアの種になっていたといい、「それに代わるインプットを見つけるのは、はなかなか難しい」と話します。
スズ太郎さんはこれまで、ツイッターなどで妻との何げない日常を漫画で発信してきました。こちらも、在宅勤務で夫婦の会話が増え、アウトプットしやすくなっているといいます。今後は読み切りで、さまざまなジャンルに挑戦したいと話しています。