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「あなたの渇きをぶっ殺す」格好良すぎる“ただの水”が叫ぶ環境問題

「リキッド・デス(死の水)」ミネラル・ウオーターの箱の外観
「リキッド・デス(死の水)」ミネラル・ウオーターの箱の外観 出典: 「リキッド・デス」社提供

目次

アルミ缶にドクロのキャラクター、その名も「リキッド・デス(死の水)」がSNSで話題です。アメリカで生まれたこのドリンク、中身は「ただの水」です。外観と中身のギャップの大きさには、メーカーの環境に対する熱い思いが込められていました。「ハイスタ、メルトバナナが大好き」というロックなCEOに、危険過ぎる「ただの水」への思いを聞きました。

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「リキッド・デス」アルバムのカバー
「リキッド・デス」アルバムのカバー 出典: 「リキッド・デス」社提供

「非健康的なクールさ」取り入れる

リキッド・デスは2017年に生まれた、ロサンゼルスが本社の飲料水メーカーです。「リキッド・デス」は直訳すると「死の水」になりますが、中身はミネラル・ウォーターと炭酸水になります。

今回のデザインを手がけたのは、かつてパンクとメタルのバンドで活動していた共同創業者でCEOのマイク・セサリオ(Mike Cessario)さんです。セサリオさんはNetflixの元クリエイティブ・ディレクターでもあります。

セサリオさんは「私たちは最も健康的なもの(お水)を使い、そこに非健康的なもののクールな要素を取り入れたブランドを構築したいと考えました」と語ります。

「『健康ではない』と思われる飲み物、たとえばエナジードリンク、ソーダ、ビールなどが若者、特に男性層に向けて大胆で陽気にアピールし、商品を開発しました。とはいえ、リキッド・デスの名前からも分かるように、私たちは楽しんでおり、あえて、そんなに真剣に取り組んでいないコンセプトも大事にしています」

「リキッド・デス」炭酸水の箱の外観
「リキッド・デス」炭酸水の箱の外観 出典: 「リキッド・デス」社提供

危険なにおいしかしない「ただの水」

そんな考えから生まれたリキッド・デス。何より、缶のデザインのインパクトが目を引きます。

アルミ製でビール缶と似た外観で、そこにドクロのキャラクターと「死の水」の文字……どう見ても危険な匂いしかしません。

そこには、「これまでのペットボトルの水のデザインはどちらかというと退屈だった」というセサリオさんたちの疑問がありました。

「ビール缶のデザインは、飲み物のデザインとして面白いものが多い。なぜビール缶のデザインは格好よくていいのに、お水はダメなのか。そもそも、ビールだって約95%は水です。水をビールのように見せることで、バー、クラブ、パーティー、音楽会場など、より『パーティー』的な環境で健康的な水を飲むことがより受け入れやすくなります」。

過激なパッケージには若者への気遣いがあります。

「エネルギードリンク、ソーダ、アルコール、ジャンクフードなどの『不健康』なブランドからターゲットにされている若者に、健康的な飲み物をより親しみやすくしたいのです」

「リキッド・デスなら、多くの場所に水を持って歩き回るのが楽しくなります」

「リキッド・デス」のミネラル・ウオーター
「リキッド・デス」のミネラル・ウオーター 出典: 「リキッド・デス」社提供

「デス」に込めた二つの意味

ミネラルウォーターには似つかわしくない「デス」にも、様々な思いが込められています。

「まず、飲料水として、『Murder your thirst(あなたの渇きをぶっこ殺す)』というジョークとしての『デス』があります」

その上で、セサリオさんは「エコ」にもつながっていると言います。

「『Death to Plastic(プラスチックの死)』も意味しています。プラスチックの『死』はわれわれの一つのミッションで、ペットボトルの代わりに、リサイクル可能なアルミ缶を使っているのです」

「私たちはすべての缶から、1本につき5セントを、プラスチック汚染対策に取り組む環境保護団体に寄付しています。また、世界中の困っている人々にきれいな飲料水を届ける活動に取り組んでいます」

「リキッド・デス」の箱の外観
「リキッド・デス」の箱の外観 出典: 「リキッド・デス」社提供

「ハイスタ、メルトバナナが大好き」

セサリオさんには、人々の考えを変えるには、「正しさ」だけでは足りないという考えがあります。

「環境にやさしいことは、若者にとってすでに格好いいことです。ただし、多くのエコブランドの商品は、まだ面白くない。あるいはエキサイティングではない。もし人々に習慣を変えてほしいと思うなら、その変化自体を楽しくエキサイティングなものにする必要があります」

日本では正式な販売ルートがないのにも関わらず、「リキッド・デス」はすでにSNSで話題を呼んでます」
「何から何までかっこよすぎる」
「面白い発想」
「かっこいい水!(笑)」
「地味に欲しい」

ツイッターでは好意的なコメントが寄せられています。

「ハイスタ(Hi-STANDARD)とメルトバナナ(Melt Banana)が大好き」というセサリオさん。日本進出についても考えているそうです。

「私たちもリキッド・デスを日本に持っていきたいですね。ビジネスパートナーが見つかったら、日本のみなさんにぜひ紹介したいです」

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