連載
出勤初日に「面白い挨拶を」 臨時講師に校長がむちゃぶり…マンガで
「面白い挨拶!?」
新米くんがバイトに明け暮れていた12月、教育委員会からの臨時講師採用の電話に「やります!」と勢いよく返事した新米くんの後ろ姿で前回は終わりました。
そして今回は、高校の校長室での面談から物語が展開していきます。
高校の校長室で、向かい合って座るのは校長先生と新米くんです。
緊張した面持ちの新米くんに対して、ちょっと赤らんだ鼻が特徴的な、なかなか味のある風貌の校長先生が「いや~来てくれて助かるよ」と言います。
そしてこう続けます。「こんな時期に手が空いている人、なかなかいないもん」
新米くんは「産休の先生の代わり」という条件で採用されています。
急な採用にも関わらず、空きをフォローしてくれる新米くんという存在に校長先生は感謝し、「若い風を期待していますよ」と声をかけます。一方の新米くんは、「3月までのお金稼ぎだなんて言えない…」と心の中でつぶやきます。
元々、「教育への熱意がある人間が教師になるべきだ」という考えの新米くんだからこそ、教師という職業に正面から向き合うつもりがない自分を、ここでも後ろめたく感じているのかもしれません。
そして、最後のに校長先生から特大のプレッシャーがかけられます。
「この後朝会で紹介させてもらうから気のきいた面白い挨拶お願いしますよ!」
ずっと、教師という職業に対して前向きになれないでいた新米くんでしたが、産休の先生の代打とは言え、とうとう学校現場に臨時講師としてやってきてしまいました。
しかも、生徒の前で「面白い挨拶をしなければ」とプレッシャーを感じている新米くん。
しかし、作者のしろやぎさんは新米くんが感じているプレッシャーは、彼が自分の考える教師像に縛られていることの証しとして、描いています。
この回の話はだいぶ大げさにフィクションにしています。
普通に考えて、冬休みが明けて始業当日に初出勤なんてことはないです。
それまでに学校に挨拶を済ませて、業務を引き継いで準備しておかなければ何を始めることも出来ません。
ただ、新米くんを「生徒とはまだ関わっていないのだから何もわからないやつ」として描かせてもらいました。
校長先生に無茶振りをされて困る新米くんですが、校長先生の言葉にそんな深い意味はありません。
自分の言葉で普通に挨拶をして欲しいだけです。
しかし、勝手に自分を教師という型にはめて、「それらしい良いことを言わなければいけない」と考える新米くんは追い詰められていきます。
伝える相手と出会っていないのに言葉はでてくるはずもありません。
【次回予告】
ズラッと並んだ生徒たちの前で新米くんは何を話すのでしょうか…不安。
◇
withnewsでは、しろやぎさんの「あなたそれでも教師ですか」を毎週日曜日に配信予定です。新米くん編に続き、男子くん編など、新米くんを軸とした教育現場を描いていく予定です。
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