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クラゲに食べられる!プルプル感を傘で表現、水族館のアイデアで爆誕

さすと「クラゲに食べられる」感覚に襲われます

水族館の職員が発案した、大きな「クラゲ柄」の傘。こだわりの仕様について取材しました
水族館の職員が発案した、大きな「クラゲ柄」の傘。こだわりの仕様について取材しました 出典: フェリシモ提供

目次

とある水族館のアイデアから生まれた、「クラゲモチーフ」のビニール傘が話題です。クラゲの生態に詳しい飼育担当者が開発に携わり、実物の外見を再現。関連情報がツイッター上で公開されて以降、「デザインが本気すぎる」と注目を集めています。情熱ほとばしる一品が、世に出るまでを追いました。(withnews編集部・神戸郁人)

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リアリティとオシャレさ兼備、3種の「クラゲ」

透き通るような澄んだブルー。つやつやで、プルンとした張りのあるボディ……。日本近海で見かける「ミズクラゲ」がモデルの傘は、本物と見まがうほどの完成度を誇ります。

ドーム型に張られたビニールの上部を見ると、クローバーよろしく並ぶ、胃腔(いくう)と生殖腺が。雨だれの跡を思わせる柄は、人間の血管にあたり、体全体に海水を循環させる「水管(すいかん)」です。

ミズクラゲがモデルのビニール傘
ミズクラゲがモデルのビニール傘 出典: フェリシモ提供

真っ赤な縞(しま)模様が特徴の「アカクラゲ」、オレンジのグラデーションと白のドットが鮮やかな「タコクラゲ」と合わせ、傘は全3種類。限りなくリアルなのに、オシャレさも兼ね備えたデザインが、見る人に強い印象を残します。

(上から)アカクラゲ、タコクラゲがモデルのビニール傘
(上から)アカクラゲ、タコクラゲがモデルのビニール傘 出典: フェリシモ提供

発案したのは、山形県鶴岡市の市立加茂水族館。常時60種類超のクラゲを展示することで知られています。施設内の売店で取り扱う、クラゲ入りようかんやラーメンも人気です。

同館のツイッターアカウント(@JELLYFISHAQ)が、22日に関連情報を投稿したところ、「一目ぼれした」「絶対欲しい」などのコメントが相次ぎました。24日時点で4万以上の「いいね」がつき、リツイートも2万2千回を超えています。

こだわった「本物志向」感覚器まで再現

「クラゲの体は『傘』と呼ばれることがあります。そのことも踏まえ、前々から形にしてみたいと考えてきました」。そう語るのは、加茂水族館飼育課所属で、クラゲ担当の菅野響樹(ひびき)さん(24)です。

菅野さんの職場では1年以上前から、クラゲや施設の知名度向上策の一環として、傘のアイデアについて話し合っていたといいます。そして昨夏、動物がテーマの雑貨などを手掛ける通販会社フェリシモ(神戸市)に、商品の開発を打診。ともに検討を進めてきました。

こだわったのは「本物志向」です。たとえば、傘のビニールと骨とをつなぐ「つゆ先」。眼点(がんてん)と呼ばれる、クラゲの感覚器に見立てています。実際の眼点は、縁の内側に沈み込むようについているため、つゆ先周辺のビニールを扇形にすることで再現しました。

取り上げるクラゲの種は、ポピュラーで、傘に適した配色という観点で決定。アカクラゲ版には実物と同じ16本の縞があしらわれ、タコクラゲ版のカラーも、体の表面に寄生する「褐虫藻(かっちゅうそう)」という植物プランクトンの黄色を参考にしています。

ミズクラゲ
ミズクラゲ 出典: 鶴岡市立加茂水族館提供
アカクラゲ(左)とタコクラゲ
アカクラゲ(左)とタコクラゲ 出典: 鶴岡市立加茂水族館提供

「ウイルス収束後、傘さして水族館へ」

菅野さんによると、傘はサンプルを大量生産できないとか。そのため、限られた数の試作品を元に、デザインを考えなければならない点に、苦労したといいます。

実際にさしてみると「クラゲに食べられているような感覚に陥った」と笑う菅野さん。これまでにない、新しい生き物との出会い方が楽しめそうです。

元々は5月中の発売を目指していましたが、新型コロナウイルスの影響で製造が遅延。6月下旬~7月下旬に、フェリシモの通販サイトと、水族館内の売店「海月灯り」での販売を予定しています。価格はいずれも1760円(税込み)。水族館で買うと、クラゲの赤ちゃん「エフィラ」のチャームがもらえます。

商品が気になっている人に対し、菅野さんはこう語りました。

「ウイルスの流行で、いまはなかなか外出が難しいかもしれません。収束したら、クラゲ柄の傘をさして、ぜひ水族館へ遊びに来て頂きたいですね」

アカクラゲをモチーフにした傘
アカクラゲをモチーフにした傘 出典: フェリシモ提供
タコクラゲをモチーフにした傘
タコクラゲをモチーフにした傘 出典: フェリシモ提供

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