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#24 ○○の世論

安倍首相のコロナ対応に疑問符 世論が「一番、怒っていること」

一律10万円は評価、指導力には辛口の理由

緊急経済対策と緊急事態宣言の検討状況に関して取材に応じる前、マスクを外す安倍晋三首相=2020年4月6日、首相官邸、岩下毅撮影
緊急経済対策と緊急事態宣言の検討状況に関して取材に応じる前、マスクを外す安倍晋三首相=2020年4月6日、首相官邸、岩下毅撮影 出典: 朝日新聞

目次

国内での感染者数が1万人を超えた新型コロナウイルス。安倍晋三首相は緊急事態宣言の対象を全国に拡大するなど、感染拡大を抑えようとしています。朝日新聞の世論調査からは、政府対応を厳しく見る有権者の意識が浮かびました。首相の指導力にも疑問符をつけているようです。「一律10万円」は評価する一方、「布マスク」は不評に。有権者が一番、「怒っている」のは何か。調査結果から考えます。(朝日新聞記者・磯部佳孝)

政府対応「評価しない」増える

朝日新聞の世論調査では、新型コロナの感染が広がった2月以降、政府対応について聞いています。

3月調査で「評価する」と「評価しない」がともに41%で割れていましたが、4月調査では「評価しない」53%が「評価する」33%を大きく上回りました。

4月調査で評価が下がった背景には、何があるのでしょうか。

 

「一律10万円」は評価、「布マスク」は不評

3月調査から4月調査の間、安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を出し、同16日には対象区域を全国に広げました。すべての世帯に布製マスクを2枚ずつ配ることや、すべての国民に1人一律10万円を給付することを決めるなど、対応策を次々と打ち出した時期でした。

4月調査では、一連の対応策について評価を聞きました。

「緊急事態宣言の全国拡大」と「一律10万円給付」については評価が比較的高かった一方で、最初に緊急事態宣言を出したタイミングや「布マスク」に対する世論の評価は厳しめです。首相の政策判断の評価は割れました。

安倍首相は、今月(4月)7日に東京や大阪など7つの都府県へ限定して、緊急事態宣言を出しました。あなたは、この7日に出したタイミングについてどう思いますか。(2020年4月調査)
早すぎた(1%)
適切だ(18%)
遅すぎた(77%)
*その他・答えないは省略

安倍首相は、(4月)16日に緊急事態宣言の対象区域を全国に拡大しました。あなたは対象区域を全国に拡大したことを評価しますか。評価しませんか。(同)
評価する(88%)
評価しない(9%)
*その他・答えないは省略

 

問われる安倍首相の指導力

個別の政策の評価とは別に、新型コロナ対応全体の評価が暗転した背景には、首相の指導力に対する厳しい見方がありそうです。

4月調査で「安倍首相は感染拡大の防止にむけて、指導力を発揮していると思いますか」と聞いたところ、「発揮していない」57%が「発揮している」33%を大きく上回りました。「発揮していない」と答えた人の78%が新型コロナ対応全体を評価していませんでした。

現金給付を巡っては、「減収し、生活に困る世帯に30万円」から「全国民に一律10万円」への方針転換の過程で、混乱もありました。感染拡大防止の成果がまだ見えない中で、陣頭に立つ首相の指導力への疑問符が、新型コロナ対応全体の評価の低さにつながっているようです。

お客さんのいない居酒屋「寅吉」。テレビでは安倍首相が表明した一律10万円給付のニュースが流れていた=2020年4月17日、兵庫県尼崎市杭瀬本町3丁目、滝坪潤一撮影
お客さんのいない居酒屋「寅吉」。テレビでは安倍首相が表明した一律10万円給付のニュースが流れていた=2020年4月17日、兵庫県尼崎市杭瀬本町3丁目、滝坪潤一撮影 出典: 朝日新聞

「生活不安」高まる

4月調査の内閣支持率は41%(不支持率41%)で、3月調査の41%(不支持率38%)から横ばいでした。4月調査は60代以上の高齢層で支持離れが起きた一方、30代以下の若年層で支持率が上がったため、全体の支持率は変わりませんでした。

若年層は「一律10万円」をはじめとした一連の新型コロナ対応について、中高年層に比べると「評価する」が高めでした。

今後の内閣支持率を占ううえで重要になりそうなのが「生活不安」への対応です。

4月調査で「新型コロナウイルスの感染拡大で、あなたは生活が苦しくなる不安を感じますか」と尋ねたところ、「感じる」58%、「感じない」40%でした。

3月調査では「感じる」46%、「感じない」52%だったので、「生活不安」の高まりがわかります。4月調査で内閣支持率が比較的高かった若年層を含む、すべての世代で4月調査の「生活不安」を感じる割合は、3月調査より大きくなりました。

世田谷郵便局に届いた政府が配布する布マスク=2020年4月16日、東京都世田谷区、山本裕之撮影
世田谷郵便局に届いた政府が配布する布マスク=2020年4月16日、東京都世田谷区、山本裕之撮影 出典: 朝日新聞

4月調査を職業別でみると、「製造・サービス従事者層」の68%、「自営業者層」の67%が生活不安を「感じる」と答えています。

「事務・技術職層」で「感じる」は49%でしたので、休業要請による収入の減少など、影響をじかに受けている層ほど、生活不安を感じていることがうかがえます。

「製造・サービス従事者層」と「自営業者層」では、新型コロナの政府対応を「評価しない」が60%前後にのぼりました。

この「生活不安」を解消する対策を打てるのか。いよいよ、首相の指導力が問われています。

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