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2019年08月27日

「孤独のグルメ」原作者が語る「佐賀愛」 東京出身なのになぜ?


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最近、佐賀にハマっているという久住昌之さん

最近、佐賀にハマっているという久住昌之さん

出典: 佐賀県のアンテナショップを東京にオープンしたい!

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何かとネタにされやすい佐賀県ですが、東京にはいまだにアンテナショップがありません。そんな佐賀県のアンテナショップを作ろうという活動が生まれています。呼びかけ人は人気漫画『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之さんらです。でも、久住さんは東京出身。なぜ縁もゆかりもない佐賀県にそこまで入れ込むのか? そこには『孤独のグルメ』にも通じる、外の人から見た人ならではの「佐賀愛」がありました。

「2~3カ月に1回は行っています」

久住さんが関わる「佐賀もんショップ設立同志会」では、朝日新聞が運営するクラウドファンディング「A-port」で、アンテナショップ設立を目指すためのネットショップの資金を募っています。久住さんは、自ら絵付けした有田焼も提供するなど協力しています。

--佐賀に興味を持ったきっかけは?

「3年前にミュージシャンのグッズのマグカップ用に、僕が似顔絵を描くということがあったんです。できてきた有田焼のカップが、すごくきれいで良かった。そしたら、(アンテナショップ設立を目指す『佐賀もんショップ設立同志会』の発起人の)横山さんから、『窯元をよく知っているから、1回見に行きませんか』と誘われて。それが最初ですね。音楽活動で呼ばれることもあって、2~3カ月に1回は行っています」

「嬉野に行ったり、有田焼の絵付けをさせてもらったりしているうちに『佐賀、おもしろい』って思うようになったんです。去年の春から、佐賀のことを書く連載(週刊漫画ゴラク『久住昌之の食いサガり温泉』)も始めました。書くこと、いっぱいあるんですよね」

「いわば『辺境』というイメージ」

--どんなことを書くんですか?

「どんなこと書くんですかって、『書くことあるの』っていう質問じゃない?(笑)佐賀ってだいたいそんな風に言われるんだよね」

「例えば沖縄とか北海道に行ったって言ったら、食べ物のこと書くんですか、風景のこと書くんですかって聞かれるのに、佐賀だと『どんなこと書くんですか』って。そこはもう笑っちゃうところですね。ぼくにしたら『してやったり』というか」

「佐賀にはすごくきれいな風景がいっぱいあるんですが、佐賀の風景と言われても、みんな思いつかないと思うんですよ。富士山みたいなシンボリックなものもないし。一般の人の頭の中では、佐賀は何度も行くところではない、いわば『辺境』というイメージなんだと思うんです。でも行ってみると、歴史もあるし、有田焼をはじめとして、有明ノリも佐賀牛も、有名なものがいっぱいある。なのに、『なんで佐賀』って言われるんですよね」

「今回も地元で記者会見したとき、『佐賀のどこが一番好きですか?』と聞かれたんだけど、一言で答えられることを描いてもしょうがないでしょ? それは佐賀県の観光課の人がやればいいんだから」

「自分は長いこと漫画を描いて、音楽をやってきました。そういう自分が佐賀に行ったら驚いたこと、『ああ面白い、こんなことあったんだ』ということを、自分が感じたように伝えたいと思っています」

「ものすごく宣伝したい、という訳ではないんです」

--なぜ、アンテナショップの取り組みに協力を?

「東京にアンテナショップがないのは寂しいけど、『佐賀をものすごく宣伝したい』という訳ではないんです。まだそこまで佐賀を知らないんですよ。見たことないもの、食べたことないものもたくさんあって、まだ佐賀を知っている途中の段階ですね」

「でも知っている途中の段階で、こういうところまでは知っているよとは言える。そういう形で、クラウドファンディングにも協力できたらいいなと」

「例えば、『呼子のイカ』という有名なブランドになっているイカがあるんですけど、あれをスルメにしたのがすごくおいしかった。生よりそっちが食べたいぐらい」

「そういうの東京じゃ知らないじゃないですか? あれが東京で食べられたら、僕もうれしいし、みんなにも『おいしいでしょ』と言える。自分のおいしいと感じたものを東京の人にも感じてほしいということがありますね」

「ちょっと、くすっとくる名前を」

--リターンに提供している焼き物では「久寿右衛門」(くすえもん)という号をつけています

「使い出したのはクラウドファンディングのちょっと前からです。なんか名前があったほうが面白いんじゃないかと思って。本当に柿右衛門を作っているところも見に行ってね」

「柿右衛門なんてね、自分の知らない世界だと思って何の興味もなかったですよ、はっきり言って。でも、自分が絵を描くようになってみると、すばらしい!(笑)見え方が変わってきますね」

「柿右衛門に比べたら自分がやっているのなんて、本当になんでもないと思いつつ、でも自分は40年も漫画を描いてきて、そういう人が絵付けをしたのは、柿右衛門とは違う意味で、シャレにはなるんじゃないか。だから久寿右衛門って、ちょっと、くすっとくる名前をつけたんです。『久寿右衛門ごっこ』をやっているようなもんです」

「佐賀のことは丁寧に語っていきたい」

--「孤独のグルメ」で佐賀が登場したことは?

「ないです、九州は博多だけだったと思いますね。あんまりどこを取り上げたいって、計画を立ててやっている番組じゃないんですよ。(主人公の)五郎の出張があるから地方にも行きますが、面白い話を作りたいというのが先行しているんです。旅番組ではないんで」


--アンテナショップができれば、佐賀は面白そうと思う人も増えるでしょうか?

「それは知りません(笑)でも、僕は東京でもおいしいものが食べられればうれしいし、みんなも僕がおいしいと思ったノリや豆腐や柚こしょうが気軽に買えれば、それはいいじゃないですか」

「僕自身は佐賀にこだわっている訳じゃなく、有田焼の絵を描きに行ったり、音楽の演奏で行ったりしていたら、温泉も良かったし、お酒もうまかったし、そばやぎょうざもおいしかった。自分に密接なところ、興味があるところから延長していっただけなんですね」

「でも、佐賀のことを話していると、だんだんと『面白いところだなあ』と思っています。みんな面白いところは探しているわけじゃないですか? 『孤独のグルメ』に出てくるのも大した店じゃないんだよ(笑)だけど、お店の人が丁寧に作っているから、みんなドラマを見終わると、『ここ、行きたいね』ってなるわけで」

「僕も佐賀のことは丁寧に語っていきたいんです。みんなに『なんで』と聞かれるので、それは佐賀に行くたびに見つけて描いていけばいいんじゃないか、と。来年になれば連載もたぶん一冊の本になるので、それを一冊読めば佐賀に行ってみたくなる。アンテナショップもそのきっかけになればいいと思っています」


     ◇

東京に佐賀の魅力や物産を発信するアンテナショップを作るため、東京や佐賀県内の会社役員らがつくった「佐賀もんショップ設立同志会」(https://a-port.asahi.com/projects/sagamon/)が、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。支援者へのリターン(返礼品)には、久住さんが「久寿右衛門」として絵付けした有田焼などが用意されている。支援の受け付けは8月31日まで。

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