連載
#24 #withyouインタビュー
カリスマ美容師、高木琢也さんが味わった「1回負けた後」始まる人生
高木琢也さんのメッセージ
僕、頭いい人にあこがれてたんです。
中学のときはサッカー部キャプテンで、高校から推薦も来てたりしてたけど、頭いい人にあこがれてたから、担任の先生に「受かる確率は10%しかない」と言われた高校を受けた。それで、結果落ちた。
中学時代、僕に挨拶しない人って一人もいなかったんです。いま思うと異常だけど、全員止まって挨拶しないといけない感じの先輩だった。
だからこそ高校落ちたのは結構きつくって。全クラス150人くらいのうち、2人だけ落ちた。
<たかぎ・たくや>
1985年生まれ。2006年、早稲田美容専門学校卒業。2013年に美容室「OCEAN TOKYO」を設立。現在、渋谷・原宿に5店舗を展開している。2016年、最年少の美容師として日本武道館でのヘアショーに出演。予約は常に2か月待ち。日本最大規模のヘアコンテスト「HOT PEPPER Beauty AWARD」で、2017~2019年で3年連続1位。
合格発表後、うちの中学では3年生全員集められたんですよ。150人中、俺と友達だけ「残念ながら二人落ちました」とか言われるの。
くらったけど、唯一その友達が一緒に落ちていたからよかったって感じ。
いなかだから、落ちたことが地元で話が回るんです。
親がスーパーに買い物に行ったら、「琢也くん落ちたんでしょ」とか言われる。いじめられてたわけじゃないけど、ダメージ受けて、そこでガーンと落ちてる。外に出るのがいやだった時期もありました。
我慢できないくらい泣いた時もあるよ。
でも、へこんでるよりも「とりあえず行っとくか」ってクリアしてきたタイプだから俺は。
24時間あって、へこんでいる時間を1分でも短くしたいな。
松下こうなんちゃら(松下幸之助)が言ってたけど、「自分はついているな、と思うように生きなさい」と。やるのはタダだからやってみた。
財布落としても、「財布だけで済んでよかったな」とか、こけても「骨折しなくてよかったな」と。そうしたら少しずつ良くなっていった。
ポジティブに考えるのってむだじゃないんだなと思った。
漫画の主人公がなにか失敗して、ずっとめそめそしていたら、その漫画は読みたくないし終わっちゃうと思う。
僕は漫画、特にワンピースが好きなんだけど、「もう一回頑張ろう」っていう主人公だからこそ見たくなる。どんな物語でも、主人公が一回負けても、次どんな練習して、どうやって勝つんだろうというのがあるからみんな読みたくなるんじゃないかな。
自分の人生の主人公って自分しかいない。こんな主人公、こんなルフィーだったらいやだなと俺は思ってきた。
アンパンマンも一回やられるじゃん。で、ジャムおじさんに助けてもらって、またがんばれる。
だから、「あなたはどんな主人公になりたいですか」と。
脇役でいいと言う人もいると思うけど…僕だったら、高木琢也という名前の中で、主人公って俺以外にいないから。
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