IT・科学
さんからの取材リクエスト
どうしてかつお節は食べ物の上で動くの?
かつお節はなぜ踊る? 小6が徹底検証、メーカー語る「2つの原因」
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どうしてかつお節は食べ物の上で動くの?
身近な疑問に答えるNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」。私たち視聴者は、5歳なのに何でも知っているチコちゃんに叱られっぱなしです。でも、本当にみんな、ボーっと生きてるんでしょうか? 朝日新聞には日々、読者から鋭い質問が日々送られてきます。たとえば、かつお節は温かい料理の上でなぜゆらゆらと踊っているのか。気になって調べてみた人はいませんか?
踊るかつお節 pic.twitter.com/7W3rcB7Av4
— M姐 (@mnee170) 2018年12月26日
「どうしてかつお節は食べ物の上で動くの?」。大阪府に住む4歳の男の子は、お好み焼きの上で動くかつお節を見て疑問に思い、お母さんを通じて朝日新聞に質問を寄せてくれました。そこで、その理由を調べてみました。
実は、同じ質問を持った子どもが実験で確かめ「第53回 自然科学観察コンクール」で入賞していました。実験したのは、高校生の茨城県結城市に住む山中莉藍さん。小学6年のときと中学3年のときに同じテーマで2回受賞しています。
研究しようと思ったきっかけを次のように説明しています。やっぱり、この料理でした。
山中さんは、踊る理由を調べるために、かつお節の厚さを変えながら水の入った電気鍋に入れてみたり、ティッシュペーパーやするめなどいろんな素材で比べてみたり様々な実験を繰り返しました。かつお節に冷たい水やお湯を加えて顕微鏡で観察もしたそうです。
その結果をもとにこのように結論を出しています。
この実験手法について、国立研究開発法人水産研究・教育機構は「実験手法を読むと非常にきちんと検証していると思います」と回答しています。
ヤマキ(愛媛県伊予市)にも聞いてみました。取材に応じてくれたのは、かつお節だし研究所長の藤原佳史さん。
――かつお節が踊る理由を教えてください。
食べ物が冷たいと踊りません。踊るのは、あくまで温かい食べ物にかけた時に起こるので「湯気の影響だろう」と思われますが、 じつはそんな単純な話ではありません。かつお節が踊るのには、「2つの原因」があるのです。
かつおが、湯気の水分を吸収したり、発散したりすることで、かつお節自身が伸びたり縮んだりして自ら踊りを踊っているのです。
「湯気+熱」がかつお節に当たると、水分が吸収されてその部分は伸びます。しかし、かつお節の形状は複雑で、熱だけが加わり、いったん吸収された水分が「発散(蒸発)」して出て行くという現象も発生します。つまり、かつお節は「湯気の上昇気流 」によって「ユラユラ」とたなびき、自分自身も 湯気を吸ったり吐いたりしながら、クネクネと伸び縮みしているのです。これが、踊りの正体です。
――どんな食べ物が踊りやすいのですか。
クネクネと動くためには湯気が必要です。当然、食べ物に水分を含んでいて、温度が80℃以上あるとよく踊ります。しかし、うどんなどの汁物は一瞬踊りますが、かつお節が汁を吸ってしまうと踊らなくなります。単に温かいだけではなく「適度に湯気を出すけれども汁気は無い」という食べ物でないと、踊りは続きません。そういう意味で、お好み焼き以外では、焼きそばや、焼きうどんなどが良く踊ります。
こんにちは~♪
— 神さん (@kamisann195) 2019年2月20日
˙³˙ )ノ"ヤホ
今日のお昼は
焼きそばでーす♪
(^-^)
かつお節
〜(^∇^〜)ユラユラ(〜^∇^)〜(笑)#焼きそば pic.twitter.com/noR6Pkx879
う~ん、なるほどですね。ここまでいろんな人に聞きましたが、かつお節が踊る理由に、諸説はなさそうですよ、チコちゃん。
さて、朝日新聞の「ののちゃんのDO科学」というコーナーでは、こうした「かつお節はなぜ踊る?」のほかにも「納豆を混ぜると栄養は高まる?」「おしっこするとなぜ体がブルッ?」など様々な質問が寄せられています。何となく信じられてきたこととは違うことがいろんな研究で分かってきています。
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