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テラハのハンさんが本気で作った「恋するツリー」その道のプロ結集
紳士的な立ち振る舞い、建設的な言葉の数々にテラスハウスで「Mr.パーフェクト」と呼ばれ、人気を集めた半田悠人さんが、東京・下北沢に「一緒に見るとお互いに惹かれ合うツリー」を作りました。ツリーといっても、モミの木は見当たりません。しかも、「惹かれ合う」ってどういうこと? どうやらツリーには様々な「恋する仕掛け」があるもよう。「僕なりにエロスを演出した」という、半田さんの思いを聞きました。(朝日新聞統合編集センター編集者・奥令)
半田さんは人気テレビ番組「TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY」(テラスハウス)の元メンバー。
恋愛が渦巻くテラスハウスのなかで、自分のやりたいことに打ち込み、周囲への配慮を忘れず、非の打ちどころのない性格に「Mr.パーフェクト」とも呼ばれる人気ぶり。テラスハウスを卒業するときは、スタジオメンバーのYOUさんが号泣していたというほど。多くの視聴者を魅了した男性です。
現在は制作会社「デリシャスカンパニー」の代表取締役で主に設計やデザイン、PR、映像製作などを手がけています。
今回、半田さんがデザインしたのが「TOKYO LOVE TREE」。「一緒に見るだけでお互いに惹かれ合うクリスマスツリー」というコンセプトですが、一体どういうことなのでしょうか。
実際に記者が体験すると、さまざまな「仕掛け」がちりばめられていました。その一部を、半田さんに解説してもらいました。
ツリーといえばもみの木や円錐形を想像すると思いますが、「TOKYO LOVE TREE」は赤い布で覆われた立方体。
半田さんによると、当初は円錐形にするつもりだったけれど、製作過程で立方体になったそうです。その制作過程には10人の「プロフェッショナル」が携わっていました。
「製作にあたって、生理学・脳科学や恋愛心理学、色などを研究している専門家の方5人に集まってもらい識者会議を開きました」
「さらに、インフルエンサーやAV男優などといった『恋愛の達人』5人から、意見をもらって仕組みを考えていきました」
「そのなかで、『触れ合い』や『吊り橋効果』を発生させる仕掛けのある体験型のものがいいのではないかという話になって、このような形になりました」
そんな「ツリー」は外見も、内部も一部を除いて真っ赤。半田さんは「クリスマスの赤というのもありますが、人が興奮する色だということで赤を基調にした」と話します。
それに、夜はイルミネーションが輝く建物ですが、中に入ると薄暗い空間。ちょっともったいぶって半田さんが語ります。
「薄暗いなか、赤い透けてるドレープカーテンがある……僕なりにエロスを演出しました」
「ツリー」の中に入ると、序盤に紙吹雪が吹く場所があります。これは識者会議のなかで、生理学・脳科学を研究している大学教授から出た意見を取り入れたものだそうです。でも、どうして、紙吹雪?
今回、半田さんが重視したのは「自然発生的な触れ合い」。
「『小さな接触』をつくろうという意見がでました。『一緒に手をつないで回ってください』と言って強制することは簡単ですが、来た人からするといきなり手をつなぐのはハードルが高い」
「そこで考えたのが紙吹雪です。紙吹雪が相手の髪の毛や体にくっつけば、とろうとして自然な触れ合いができますよね。そういった指先の触れあいが距離を縮めるきっかけになると考えました」
「ツリー」には「触れ合い」を発生させる仕組みが他にもあります。それが、2人が手をつなぐことで開くカーテンです。
「触れなければ前に進むことができないという状況。一歩踏み出せない人が積極的なアクションをする理由付けになると考えました」
「あとは、同じものを見て同じことを感じる『共感』をつくりたいと思いました」
「”恋愛のプロ”たちと会議したときに、脱出ゲームや謎解きみたいな仕組みがあったらドキドキするし、2人で楽しめるという意見が出ました。2人で協力したからこそ何かを達成できる仕掛けです」
また、半田さんが触れ合いと同じくらい注目したのが「吊り橋効果」。
恐怖心などで心拍数が上がる仕組みをつくり、そのドキドキを「恋したかも」と勘違いすることです。会議の中で、恋愛心理学や味覚の専門家から出た発想だそうです。
「『ドキドキするから、この人のことが好きなのかもしれない』と思わせる仕掛け」としてつくったのが、不安定で歩きにくい床でした。
「本物の吊り橋だと危険なので、床で工夫をしました。吊り橋効果はもちろんですが、『大丈夫?』と声をかけてエスコート力を見せたり、逆に甘えてみたり、自分をアピールすることもできます」
「ツリー」の後半には、鏡張りの部屋が現れます。14面のアクリルミラーに囲まれたこの空間に、自分と一緒に来たパートナーが幾重にも重なります。これは、当初から半田さんがつくりたいと考えていた仕掛けだそうです。
「無限に続く合わせ鏡の空間をつくりたいと思っていました。『2人の関係を永遠に』という意味も込めています」
このインスタ映え間違いなしの部屋で、半田さんが表現したかったのは「非日常感」といいます。
「入ったとたんに広がる、花火的空間というか。そういう非日常を2人だけで共有すると、恋が生まれやすい」
鏡張りの部屋の中央の床には、向かい合った足形が描かれています。踏んでみると、鏡だった壁に緑や赤のイルミネーションがともっていきます。
「足元の電気のスイッチは踏み方によって電気のつき方が変わります。新しい発見があったり、会話のきっかけになったりすればいいなと考えました」
そういえばこの部屋、不思議な香りがする……。半田さんによると、女性ホルモン・男性ホルモンに作用するといわれているイランイランの香りだそう。嗅覚にもたたみかけてくるのが、「TOKYO LOVE TREE」です。
恋に効きそうな仕掛けが満載な「TOKYO LOVE TREE」。「プロフェッショナル」たちが考える究極の「ドキドキ」に、半田さんは恋に踏み出せない人たちの背中を押します。
「好きな相手と一緒に、来てみてください。きっと一歩を踏み出すきっかけになると思う。好きかどうか、まだわからない人も、その気持ちを確信に変えられると思います」
「下北沢に来たついでとか、『行ってみようぜ』的な気軽な気持ちで是非遊びに来てください」
「TOKYO LOVE TREE」は25日までの期間限定。期間中は13時~22時、無料で入ることができます。同性・異性問わず入れますが、1人だと入れないようです。また、18歳未満も入ることができませんのでご注意を。
好きな人がいる方は、ツリーの力を借りて恋を成就させましょう!
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