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福岡市長選の「筋肉動画」、効果あったの?
あの「筋肉動画」は一体…福岡市長選、過去最低の投票率に担当課長は
18日に投開票があった福岡市長選で、筋骨隆々の男性が投票に必要な筋肉をトレーニングで鍛えるというPR動画を市がつくり、ネット上で再生回数30万超と反響を呼びました。ただ、肝心の投票率は過去最低の31.42%。「知ってもらうことはできたが、投票行動には十分結びつけられなかった」と選挙管理委員会の担当者は頭を悩ませています。(朝日新聞西部報道センター記者・柏樹利弘)
動画「投票前トレーニング」は、市広報戦略室のツイッターや、市選管の特設サイトなどで公開されました。「投票所にたどり着くため」にスクワットで足腰を鍛えたり、「投票用紙を美しく受け取る」ためにゴムチューブを引き伸ばして背中を鍛えたりしています。
SNSでは「こじつけ感が好き」「福岡市ぶっ飛んでんなぁ」という肯定的意見が広がる一方、「税金使って何をしてるのか」という声もありました。
「福岡市長選挙 投票前トレーニング」動画を公開中 🎬
— 福岡市 広報戦略室 (@Fukuokacity_pr) 2018年11月9日
「期日前投票に行くために早くトレーニングしたい!」というご要望にお応えして,
期日前公開❗️
いよいよ最終回,投票箱に着実に投票するための上腕三頭筋のトレーニング💪https://t.co/h8s9C3EFei#福岡市長選挙 #投票前トレーニング pic.twitter.com/bAMT007J4b
福岡市長選は1984年の64.37%を最後に投票率が50%を超えていません。中でも20代の投票率は低く、前回市長選は19.38%(市全体38.73%)でした。今回のネットCMは、10~20代の若い有権者に市長選を知ってもらう目的で市選管が企画を公募しました。
SNSの拡散を期待し、インパクトの強い動画を採用しました。制作費150万円かかったそうです。
しかし、今回の20代の投票率は15.23%で前回を約4%下回りました。投票年齢が18歳以上に引き下げられて初めての市長選でしたが、10代の投票率は26.47%にとどまりました。今回の選挙は、3選を目指す現職と、共産党推薦の新顔による一騎打ちで、「選択肢が少なく、議論も盛り上がらない」(自民党市議)という声も上がっていました。
市選管はどう受け止めているのでしょうか。山口修司・選挙課長は「これまで通りの選挙啓発では、若い人たちに気に留めてもらうことはできなかったと思う。(投票前トレーニングが)メディアに取り上げられることも多く、手応えを感じている」と話しました。
一方、過去最低の投票率については「知ってもらうことはできたが、投票行動には十分結びつけられなかった。批判は受け止めなければいけない。今後も諦めず、工夫を続けたい」と応じました。
10~20代の投票率については「全体の下げ幅よりは緩やかだが、下落傾向なのは確か。広報が一定の役割を果たせたのかを調べる必要がある」と話しました。今後、動画がどの程度投票率に影響したかをアンケートなどで調べるということです。
低投票率について、高島宗一郎市長は19日の記者会見で「候補者がいれば、そういう人に入れる人も増えたと思う」として、選挙構図を要因の一つにあげました。「一票が自分の生活にどう関係するのかを分かりやすく伝えることが必要で、電子投票の導入も検討したほうがいいのでは」と指摘しました。
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