連載
#6 コミチ漫画コラボ
素直になれない・甘酸っぱい…漫画で描いた「#ハロウィンの思い出」
やりたいけど、自分からはおおっぴらに言い出せない気持ちがすごく伝わってきました。思い当たる節がありすぎます。
登場人物がいわゆる「美形」ではない点も好印象です。「かわいくもなく、生涯一度もチヤホヤされたこともなく……でも私だって本当はちょっと憧れているのさ、ウキウキすることに」なんて声が聞こえてきそうです。
ワダさんの絵に共感を持つ人も多いのではないでしょうか? 最後のカットが晴れ晴れとした表情に見えて最高です。線の力の抜き方も作品の魅力を上げています。
土葬だったら行きたかったんかい! 会話の途中で、映子ちゃんの脳内でどんな妄想が広がったのでしょうか。知りたいようで知りたくない、知りたくないようで知りたい。そんなことを考えている間に、もう映子ちゃんに夢中になっていました。
良い意味で「この時間は一体なんだったんだろう」と考えてしまう作品(そうだったハロウィンの思い出だ)。不思議な雰囲気から、最後は実は恋愛ものだった!という展開が新鮮です。最後の一コマの牧村君の表情も絶妙でした。
中二病とまではいかないけれど、クラス(グループ)に少なくとも一人はいる存在をうまく描けていると思います。
なんというかですね、「ハロウィンのすべて」が詰まっている気がします。「ハロウィン参加してみたい」と思ったときに何が一番怖いかっていうと、行き帰り1人になる時間なんですよね。このオン/オフがビミョ~に切り替わってない時間帯を制するものが、ハロウィンを制する、そう思います。作品を「わかるわ~」と思って読んでいると、最後に「お前もかい」となる。
この作品では「お祭り騒ぎしたあとって恥ずかしいよね」と突き放してしまうのではなく、鬼太郎コスプレの男の子の一言が、暖かな作品として幕を閉じさせているように思いました。絵柄の表す登場人物への絶妙な距離感もステキです。
猫耳の女の子が、男の子の仮装を見たときの「え 超怖い」で思わず吹き出しました(笑)。
もっと輝いてほしいと思っていた相手が、いざ日の当たる場所にいくと、手が届かなくなってしまったようで、うれしいけど、少し寂しくなる。その笑顔は独り占めしたいんですよね……。10代の恋模様が甘酸っぱくてきゅんきゅんしました。
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