閉

これフカボリしてほしい

リクエストする

閉

2018年08月22日

「世界が怖くない気がした」居場所ない学校、しのいだ先にあったもの

  • 119232

コジママユコさんの「学校が恥ずかしかった私へ」

コジママユコさんの「学校が恥ずかしかった私へ」

出典: コルクBooks

 「クラスの中で浮いていないかどうかや、話すとすぐ顔が赤くなること……。自意識過剰でしたが、気になってしまって。高校時代はしのぐしかなかった」と話すコジママユコさん(32)。漫画のSNSを運営するコルクBooksとwithnewsがコラボし、「#学校がしんどい君へ」をテーマに漫画を募集した企画で、大賞に決まりました。「学校が恥ずかしかった私へ」と名づけた作品は「あの頃の自分のしんどい思いを描いた」と話します。


居場所のない学校 でも誰にも言えなかった

 コジマさんは漫画で、クラスになんとなく居場所がないと感じている女子高生を描きました。

出典:コルクBooks

 「休み時間 トイレに行って戻ると 私の席はいつも誰かが座っていた」

 ピアスをして髪を染めた女の子たちのうわさ話。声をかけることもできず、いつも居心地の悪い思いをしていました。

 静かな図書室をふらりと訪れると、ある本の一節が目にとまります。

 「ここに来るしかない自分のことを思うと 自分を殺してしまいたくなるのです」(川上未映子『先端で、さすわさされるわそらええわ』青土社)

 本の言葉がするする入ってきて、思わず涙する女の子。結局、クラスにはなじめずに大学へ進みました。

 創作の授業で「子どもの頃の感情体験を書き出してみよう」というグループワークをやります。

 「図書室 ひとりなのに安心」とふせんに書いて貼り出すと、同じ内容を書いた子がぽつりと「セーブポイントみたいだったんだよね」と話しかけます。

 初めて共感してもらったと感じた女の子は、顔を上げて家路を歩きます。「はじめて 世界が怖くない気がしたんだ」

 この作品には、コジマさんの体験が織り交ぜられています。高校時代は、派手な女の子ばかりのクラスに居場所がないと感じていました。

 「いじめられたとか無視されたというわけじゃないんですけど、とにかく輪に入っていけない。使っている言語が違うとさえ思いました」

 ただ、かわいそうな人とも思われたくない。用もないのに携帯をいじっていたと言います。

 静かな空間が好きで、その頃もよく図書室へ行きました。「図書室は、何かをしているフリをしなくていい。誰も話しかけてこない場所でしたし」

出典:コルクBooks

自分の本音 誰かが受け止めてくれる安心感

 授業の間の10分の休み時間をしのぐことだけを考えていたというコジマさん。そんな日々を打開したいと、1年の冬に美術部に入ってからは少し居場所ができたように感じたといいます。

 「ただ、本音を言える友達はいなくて。今振り返ると、それがしんどかった原因かもしれません」

 美術を学びたくて、高校卒業を機に出身地の北海道を出て関東へ。入学直後の講義で、グループに分かれて「アイデア出し」をすることになりました。「こんなアイデアでいいのかな…」と緊張しながら出すと、自分の案が採用されました。

 「受け入れられたんだ、認められたんだとほっとしました。そういう経験が初めてだったんです」

 本音を伝えても誰かが受け止めてくれるという安心感ができて、大学生活は楽しく過ごすことができました。

出典:コルクBooks

 コジマさんは事務員の仕事のかたわら、3年前からブログでエッセイ漫画を発表しています。


 6月ごろからコルクBooksに投稿を始め、事務局から提案される「お題」にあわせて漫画を描いていました。

 ただ、今回の「#学校がしんどい君へ」については、「人の命が関わる重いテーマ。描いていいのかな」と悩んだそうです。

出典:コルクBooks

あの頃の自分へ「自分の違和感、信じていいよ」

 だからこそ「自分に寄り添おう」と考えました。「学校がしんどい」と恥ずかしくて言えなかった、「自意識の地獄」の中で過ごしていた、あの頃の自分に。

 コジマさんは言います。

 「あの頃に今戻ったとしても、きっとまたしのぐしかないんですよね。

 でも、自分へ何か言ってあげられるとしたら『大人から言われるお説教のうち、違和感があるものは聞かなくていいよ』ってことかな。

 『ろくな大人にならない』とか『○○をやらないと、大人になってから大変だよ』とか。

 そんなお説教をたくさん聴きすぎて、がんじがらめになってしまったけれど、今となってはあのとき感じた違和感の方が正しかった。だから、自分の感受性を信じてほしいです」

     ◇     ◇     ◇

 withnewsは7月、マンガのSNSを運営するコルクBooksとコラボし、「#学校がしんどい君へ」をテーマに生きづらさを抱える10代へ向けた作品を募集しました。のべ37作品が集まり、4作品を入賞に選びました。入賞者のみなさんは、どんな思いでマンガを描いたのでしょうか。みなさんの10代も振り返ってもらいました。

続きを読む


 withnewsは4月から、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を始めました。日本の若い人たちに届いてほしいと、「#きみとともに」もつけて発信していきます。以下のツイートボタンで、みなさんの生きづらさも聞かせてください。

みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

学校が恥ずかしかった私へ
前へ
次へ
1/8
前へ
次へ

もっと見る


あわせて読みたい

「第四の人生は月旅行の添乗員に」大学で宇宙研究、向井千秋さんの今
「第四の人生は月旅行の添乗員に」大学で宇宙研究、向井千秋さんの今
どうして多様性が必要なの? ひと目でわか...
どうして多様性が必要なの? ひと目でわか...
「値踏み」された48歳が父からもらった言葉 夜廻り猫が描く婚活
「値踏み」された48歳が父からもらった言葉 夜廻り猫が描く婚活
これだけ並ぶと気持ちいい 西濃運輸「車両格納」とは?担当者に聞く
これだけ並ぶと気持ちいい 西濃運輸「車両格納」とは?担当者に聞く
歌舞伎とICTが融合 舞台で超高臨場感を実現したのは「電話屋!」
歌舞伎とICTが融合 舞台で超高臨場感を実現したのは「電話屋!」
PR
こんなカワイイ渋滞なら許す! モルモットが橋渡る動画に癒やされる
こんなカワイイ渋滞なら許す! モルモットが橋渡る動画に癒やされる
まさに逆転の発想! 高速バス座席倒し問題、乗車時に全部倒して対応
まさに逆転の発想! 高速バス座席倒し問題、乗車時に全部倒して対応
障害児が「普通にいる」クラス求め……「イン...
障害児が「普通にいる」クラス求め……「イン...
【成人の日特集-★大人をはじめよう。】田中将大が語る“大人”とは
【成人の日特集-★大人をはじめよう。】田中将大が語る“大人”とは
PR
奈良の「飛鳥」ナンバー、カッコよすぎると...
奈良の「飛鳥」ナンバー、カッコよすぎると...
あのバイクを擬ニャン化? ヤマハ発動機が手芸サイト開設の理由とは
あのバイクを擬ニャン化? ヤマハ発動機が手芸サイト開設の理由とは
日本の「帰国子女」、ステレオタイプ先行でモヤモヤする。
日本の「帰国子女」、ステレオタイプ先行でモヤモヤする。
Q&A

人気

もっと見る