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2018年08月21日

「学校しんどい、わかるよ」 優しい言葉、今苦しい僕には届かない

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「#学校がしんどい君へ」で入賞した、つのだふむさんの「学校がしんどかったという君へ」

「#学校がしんどい君へ」で入賞した、つのだふむさんの「学校がしんどかったという君へ」

出典: コルクBooks

 いま苦しんでいる10代へ、聞き心地のいい言葉ばかりでは届かないーー。コルクBooksとwithnewsのコラボ企画「#学校がしんどい君へ」には、そんなメッセージが込められたマンガ「学校がしんどかったという君へ」も入賞しました。作者の男性は、「『逃げていいんだよ』とか、『弱くていいんだよ』というセリフは、中学時代の僕には効かなかったんです」と話します。



「学校がしんどかったという君へ」

 「学校ってしんどいよね」「わかる」
 「君だけじゃないよ」「僕もしんどかったな」

 男性が語りかけます。表情は明るく、いまは人生を楽しんでいるようです。そして、グイグイ寄ってきて言います。

 「でも今だけさ!」「今を乗り越えれば」
 「これから楽しいことが沢山あるんだ!」「大丈夫!」

 場面は変わり、ズタボロの学生服を着た少年が現れます。メガネにはひび。ぐったりした様子でこちらに視線を移します。

 「じゃあ代わってくんね?」「こっちは、」
 
 「今戦(や)ってっから」

出典:コルクBooks

顔を上げられたら苦労しない

 作者はマンガ家のつのだふむさん(33)です。つのださん自身、中学生のときにいじめられた経験がありました。

 「当初、このテーマに挑むのがおっくうでした。いい風には描けないなと思って。『逃げていいんだよ』とか、『味方はそばにいるから話してみて』とか、『下向いていると地面しか見えないけど、顔を上げたら何かあるよ』というようなものを求められていると思ったんですよ」

 「でも、僕はそれに対して、『顔が上がらないんだよ』って思うんです。『上げればあるよじゃなくて、上がらない話をしているんだ』ということが言いたいんです。上げれたら苦労しないよというのがあったから」

 「でもそれを言ったら解決しない話になっちゃう。投稿されたほかのマンガは、慰め系というか、正当な作品が出ているから、僕は変化球でいこうと思いました。議論の余地はあるかもと思ってうずうずしていました」

マンガについて話す、つのだふむさん

マンガについて話す、つのだふむさん

未来は知らない。いまこの瞬間が嫌なだけ

 マンガを描くとき、当時の自分といまの自分を行ったり来たりしたといいます。

 「僕対僕であれば、『お前は将来こういうマンガを描いていける』『乗り越えろ』って言えるけど、当時の僕には全く届かないと思ったんです。そんな未来は知らない。いまこの瞬間が嫌なだけ。『よし、もっと生きよう』とは1ミリも思いません」

 マンガには、SNSを通じて多くの反応が集まりました。

 「僕の考えは間違っていないというか、『昔の自分の目に似ている』という共感もあってうれしかったです」

かっこいい主人公になりたかった

 つらいとき、ドラマや本で励ましや癒やしの言葉を目にしたことはありました。でも、それで頑張ろうと思ったことはありません。

 「僕が癒やされたのはむしろ、主人公が強いものや恐竜が暴れる作品。この世界はやさしいよと言われても嫌なんですよ」

 アメリカの俳優、ジェームス・ディーンに憧れていたというつのださん。映画「理由なき反抗」や「エデンの東」を見て、不良で孤独な姿に魅せられました。ジェームス・ディーンのようなかっこいい自分になりたいと思っていたそうです。
 
 「かっこいい主人公のつもりで学校に行けば周りを倒せる、クールにいけば明日は変われると思って行くんですよ。結局、いつもの情けない自分がいる現実に打ちのめされるんですが。強い人になりたかったので、当時は自分が弱いことを認めるのが一番嫌でした」


受験でリセット、高校リスタート

 中学の「ダサい」自分を知る人がいない高校に行きたいと、地元の高校の受験でマークシートをずらして書いて、わざと不合格になりました。自宅から1時間以上離れたところで高校生活を送ります。

 「1回リセットして、今度こそジェームス・ディーンになりたいと思いました。このまま同じところに行ったら高校はしんどすぎるってアラートが鳴ったんです。リスタートを切る感じです。でも、長続きはしませんでした。結局、ジェームス・ディーンぶることが『ゆがみ』なんですよ」

 「高校では映画の話ができる親友ができました。心を開いて楽しくやれて、いじめられることもなく、創作の道に行くきっかけもできました」

つのだふむさん

つのだふむさん

マンガに描くことがセラピー

 つのださんは、コルクBooksで中学・高校の話もマンガにしています。
 

 【関連リンク】青春時代の物語を描いた「僕-boku-」(コルクBooks)
 

 「マンガを描くことはエンタメです。スリリングとか、ページをめくりたくなるとか。いまは中学時代のことがおいしいネタになるんです。ギャグマンガに変える。描くことがセラピーみたいになっています。もっとひどいことはなかったかなって扉を開けてみる。一通り描ききると、いい人生だと思えるんですよ」
 

 「主人公は自分しかいないので、いかに自分を主人公と認めて、そのエピソードも愛せるか。中学時代の僕は無理ですけど、いまだからいろいろ言えます」


     ◇     ◇     ◇
 withnewsは7月、マンガのSNSを運営するコルクBooksとコラボし、「#学校がしんどい君へ」をテーマに生きづらさを抱える10代へ向けた作品を募集しました。のべ37作品が集まり、4作品を入賞に選びました。入賞者のみなさんは、どんな思いでマンガを描いたのでしょうか。みなさんの10代も振り返ってもらいました。

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 withnewsは4月から、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を始めました。日本の若い人たちに届いてほしいと、「#きみとともに」もつけて発信していきます。以下のツイートボタンで、みなさんの生きづらさも聞かせてください。

みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

「学校しんどい、わかるよ」 きれいごとは通じない本音のマンガ
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