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2018年08月20日

甲子園にAI記者、1秒で記事に データ8万件、金足農の結末どう表現

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「逆転サヨナラ2点スクイズ」で決着した金足農―近江の一戦

「逆転サヨナラ2点スクイズ」で決着した金足農―近江の一戦

出典: 朝日新聞

 「AI、戦評書くってよ」
 第100回全国高校野球選手権大会から、朝日新聞社が新しい取り組みを始めました。
 勝敗の分かれ目や経過を評し、原則的に試合終了と同時にデスクへの提出が求められる「戦評」を人工知能のAI記者「おーとりぃ」が1秒で書くのです。
 3回戦からニュースサイト「朝日新聞デジタル」で公開しています。
 準々決勝の4試合について、実際に記者が書いた戦評と比べてみると……。


金足農3―2近江

金足農―近江 逆転サヨナラにつながるスクイズを決めた金足農の斎藤選手

金足農―近江 逆転サヨナラにつながるスクイズを決めた金足農の斎藤選手

出典: 朝日新聞

【AI記者・おーとりぃ】息詰まる投手戦を金足農が逆転サヨナラで制し、準決勝進出を決めた。1点を追う九回、無死満塁から斎藤のスクイズで逆転し、勝負を決めた。先発吉田は被安打7、10奪三振、2失点で4試合連続の完投。近江は四回、住谷の右適時二塁打により先行。六回は北村の三遊間適時打で勝ち越したが、リードを守り切れなかった。

【記者執筆(いずれも朝刊紙面)】金足農は1点を追う九回、無死満塁から斎藤の三前2ランスクイズでサヨナラ勝ち。五回にも佐々木大夢のスクイズで一時同点とした。先発の吉田は7安打、10奪三振の力投。近江は五回から佐合を継いだ林が変化球を軸に好投したが、九回の奇襲に屈した。

斎藤選手のスクイズで二塁から生還した菊地彪吾選手

斎藤選手のスクイズで二塁から生還した菊地彪吾選手

出典: 朝日新聞

 4試合の中で、個人的に一番差が出たと思うのは、29年ぶりの秋田勢4強を決めた金足農の攻撃。劇的な幕切れとなった「逆転サヨナラ2ランスクイズ」です。

 記者戦評では「奇襲」と表現しています。確かにこれは、めったに見られるプレーではありません。AI記者「おーとりぃ」は、事前に約8万件の戦評を学習しているそうですが、その中にもなかったのではないでしょうか。

 ただ、これを機にAIが学習すると、次に同じプレーが起きたときに「逆転サヨナラ2ランスクイズ」と書いてくるかもしれません。

 残りの3試合も比べていきます。

大阪桐蔭11―2浦和学院

大阪桐蔭―浦和学院 大阪桐蔭の藤原選手が中越え本塁打を放つ

大阪桐蔭―浦和学院 大阪桐蔭の藤原選手が中越え本塁打を放つ

出典: 朝日新聞

【AI記者・おーとりぃ】大阪桐蔭が4本の本塁打を含む12安打で11得点し攻守に圧倒した。二回、1死走者無しで根尾の左中間本塁打で先制。六回にも青地の左適時打、藤原の中適時打など打者一巡の猛攻で6点を挙げ、試合を決めた。浦和学院は五回、中前の右適時打など2点を返したが、八回の1死二塁の好機をいかせなかった。

【記者執筆】継投が明暗を分けた。大阪桐蔭は5回2失点の先発根尾に代え、六回から登板したエース柿木が被安打1、無四死球と隙を見せなかった。浦和学院は1点差に追い上げた直後の六回途中、先発渡辺の後を継いだ永島が制球に苦しみ、大量失点を招いた。

済美3―2報徳学園

済美―報徳学園 九回に中前適時打を放った済美の芦谷選手

済美―報徳学園 九回に中前適時打を放った済美の芦谷選手

出典: 朝日新聞

【AI記者・おーとりぃ】済美が池内、山口直の継投で2失点に抑え勝利した。一回、2死二塁から池内の三遊間適時打で先行。同点で迎えた五回は芦谷の右適時打で勝ち越した。報徳学園は、二回に羽渕の中適時打で追いつき、再びリードされた後の九回にも糸井の左越え適時二塁打で1点を返し粘ったが、あと一本が出なかった

【記者執筆】済美が報徳学園の追い上げを振り切った。九回無死一塁、報徳学園・糸井の左越え適時二塁打で1点差に。なお一死三塁となったが、五回途中から救援したエース山口直が後続を断った。打っては芦谷が2打点の活躍。九回の中前適時打が結果的に大きかった。

日大三3―2下関国際

七回2死まで無安打投球だった下関国際の鶴田投手

七回2死まで無安打投球だった下関国際の鶴田投手

出典: 朝日新聞

【AI記者・おーとりぃ】終盤に勝ち越した日大三が下関国際に競り勝った。2点を追う八回、無死二、三塁から高木の中適時打で同点とし、日置の右適時打で勝ち越した。下関国際は、先発鶴田が被安打5、3失点に抑える好投を見せ、九回に2死二塁と一打同点の好機を作ったが、あと一本が出なかった

【記者執筆】七回2死まで無安打だった日大三が、八回に集中打で2点差を逆転した。飯村、柳沢、代打高木がいずれも初球をとらえる3連打で同点とし、2死後に日置の右前安打で勝ち越した。下関国際の鶴田は球が浮いた八回に崩れたが、4試合連続で完投した。

「あと一本が…」

 いかがでしたか。

 AI記者「おーとりぃ」は先述したとおり、事前に、過去に書かれた約8万件の戦評とイニングを学習しています。その上で電子化されたスコアブックを読み込み、「こういう展開は、こういう戦評が多い」という傾向を分析し、文を作り出しているそうです。

 「あと一本が出なかった」という表現、確かに記者が書く戦評でもよく見かけますね。

AI記者「おーとりぃ」が読み込む電子スコア

AI記者「おーとりぃ」が読み込む電子スコア

できない表現も

 当然のことながら、「おーとりぃ」は試合を見ていません。そのため「速球主体」「球が浮いた」「特大の本塁打」のような、見ていないと分からない情報は書けません。ただし電子スコアをもとにしたデータを誤ることは、絶対にありません。

これからもAIは学ぶ

AI記者「おーとりぃ」

AI記者「おーとりぃ」

出典: 朝日新聞

 実際に記者の戦評と比べてみると、済美―報徳学園のように、ちょっと似ているものもあれば、大阪桐蔭―浦和学院のように試合の分岐点となる視点が異なるものもあります。
 これからAI記者の精度が高まれば高まるほど、現場の記者に求められる仕事の質も、変わってくるかもしれない。「書けたらスポーツ記者として一人前」と言われる戦評。将来的に仕事を奪われないために、これからも野球を見る目を養い、精進あるのみです!

AI戦評、どうやってできているの? 記者戦評との違いを比較
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AI記者「おーとりぃ」が記事を作る仕組み
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出典:朝日新聞
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